「オタク」という言葉は、今では市民権を得て当たり前に見聞きするようになりました。
また、SNS上では「ヲタク」という言葉もよく見かけます。
実際、自分が使うときには、この「オタク」「ヲタク」どちらを使ったらいいのでしょうか?
理解しておくと、使い分けができるので、便利ですよね。
そこで今回は、「オタク」「ヲタク」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
ちなみに今回の「オタク」「ヲタク」のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「オタク」「ヲタク」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「オタク」とは、自分の趣味や興味のある分野など、特定の分野や事柄に極端に傾倒する人のことを言います。
オタクの例文
- 「アニメに詳しい彼は隠れオタクかもしれない」
- 「健康オタクの私にとって、これは絶対手に入れておきたい」
このように使います。
従来はアニメやマンガ、秋葉原の文化などの、サブカルチャー系のジャンルで用いられていました。
しかし現在では、
- 鉄道
- クイズ
- 格闘技
- 歴史
- 健康
・・・
など多岐にわたり、その分野で詳しい人を「オタク」と呼ぶようになるなど、種類が細分化されてきています。
英語では、
- 「otaku」
でも十分通用します。
また他にも「オタク」を表現する言葉がいくつかあります。
一般的なものが、
- 「Geek」
になります。
「Geek」とは、特定の分野において技術や知識が豊富な人のことを指し、ポジティブなイメージとして使われます。
逆に、一昔前の「オタク」は社交性がなくて暗い人というイメージとして捉えた表現が
- 「Nerd」
になります。
「Nerd」には日本語で言う、コミュ障(コミュニケーション障害)のニュアンスがあり、ネガティブなイメージで使われます。
また、特定分野に熱狂的にはまっているという意味で、
- 「Freak」
も「オタク」を表す単語になります。
こちらは「Geek」と違って、技術を伴っていなくても何かに熱中する人に対して使われます。
特殊なものとして、日本のアニメやマンガが大好きなオタクを意味するスラングで、
- 「Weeb」
があります。
日本のアニメやマンガが好きな欧米人を指す言葉なので、日本人に対しては使わないという特徴があります。
ちなみに、「ヲタク」も、意味としては、「オタク」と変わりはありません。
しかし、使い方や成り立ちに違いがあります。
詳しくは次章になります。
「オタク」と「ヲタク」の違いをわかりやすく
「オタク」と「ヲタク」には意味の違いはありませんが、「人によって」それぞれ使い分け方が違います。
この違いには次のような点があります。
- 「オタク」との差別化のため
- 元来の意味としての使い分け
- ネットでの使い方
以下に詳しくお伝えしていきます。
違い1:「オタク」との差別化のため
世間での「オタク」の印象がまだマイナスイメージが多かったころの話です。
違うものという意味を込めた使い方として、「ヲタク」が使われるようになりました。
あまり知識が深くないのに世間で気軽に使われるようになった、自称「オタク」に対しての「ヲタク」です。
もっとマニアックで、深い知識を持っているものという意味を込めた使い方で、「オタク」との差別化が目的です。
違い2:元来の意味としての使い分け
「オタク」が海外で評価されるようになり、様々な分野に対しても「オタク」が使われるようになりました。
ただ、本来は、アニメやマンガ、秋葉原の文化などのサブカルチャー系のものが好きな人を指す言葉でした。
そこで、元来の「オタク」と区別するために、「ヲタク」が使われるようになったと言うもの。
違い3:ネットでの使い方
- 笑 → 藁
- ww → 草
- 中坊 → 厨房
と書き換えるような、ネットスラングとしての使い分け方などが言われています。
オタク → ヲタク と書き換えたという説ですね。
ただし、以上のどれが正解ということは無いので、必ずしも「オタク」と「ヲタク」を使い分けなければならないというわけではありません。
「オタク」「ヲタク」はいつから使われている?由来や語源は?
「オタク」は1970年頃、アニメやマンガ、秋葉原の文化などのサブカルチャー系の愛好者を指す言葉として、日本で誕生しました。
元々は、二人称を表す「あなた様」「そちら様」という意味に属する
- 「お宅」
という言葉が語源となります。
当時、この「お宅」を「お宅様」といった形で多用したのが、アニメやゲームなどの愛好者だったのです。
そのため、彼らを揶揄する意味で、「お宅族」として使われました。
一般的に「オタク」が使われるようになったのは、1980年代に発刊されていた雑誌の中で、
- 「『おたく』の研究」
というコラムを連載したときからだと言われています。
先に述べた、「お宅」という表現の活用を侮蔑して、「友達に『おたくらさぁ』なんて呼びかけているのってキモイと思わない」と評しています。
そこでネガティブな意味を込めて、「彼らを『おたく』と命名する」と用いたのが始まりになります。
ここから、「おたく」(最初は平仮名表記になります)という言葉が普及したそうです。
「ヲタク」にはなぜ「ヲ」が使われるの?
「ヲタク」に「ヲ」を使う事に、厳密な決まりや理由は無いと言えます。
本来、「を」は「助詞」として用いられるものであって、「名詞」を表すときには使われないというのが基本的な考え方となっています。
したがって、名詞に「を」を使うということは、
- 「少ない」
- 「希少性が高い」
といった意味を持たせます。
「オタク」との区別や差別化を図りたいという考えから、特別扱いの「オタク」という意味で、あえて「ヲタク」という表記を使ったのかもしれませんね。
ジャニーズやアイドル、アニメなら「オタク」「ヲタク」どっちが正しい?
前にも述べたように、「オタク」と「ヲタク」の使い分けに正解はありません。
使い分けは、個人的な考え方によるところが大きくなります。
その一つとして、「ヲタク」の方が、その分野に、よりディープにはまっているという考え方があります。
その考え方で見ると、例えば
- 「ジャニーズ」や「アイドル」が好きで、グッズやCDなどを常に集めている→「オタク」
- 「ジャニーズ」や「アイドル」のグッズなどはもちろん、ライブやサイン会・握手会などに欠かさず行くなど、全てを知り尽くそうとする→「ヲタク」
と、あえて使い分けできますね。
また、「オタク」はアニメやマンガ、秋葉原の文化などのサブカルチャー系で用いるという考え方の場合は、
- 「ジャニーズ」や「アイドル」など →「オタク」
- 「アニメ」や「マンガ」など →「ヲタク」
となります。
さいごに
以上、「オタク」「ヲタク」の違いについて解説してきました。
「オタク」も「ヲタク」も、どちらが正しいとか、間違っているとかはありません。
使い方は、人それぞれの物差しが違うように、個人的な考え方によります。
ですので、気軽に使い分けてみて下さい。