「喫茶店とカフェって何が違うんだろう?呼び方が違うだけ?」
美味しいコーヒーが飲めるお店は、街中至る所にありますね。
カフェや喫茶店、コーヒーショップに純喫茶、パーラー…
どれもなんとなく「コーヒーが飲めるお店」だというのはわかるけれど、それぞれの厳密な違いはご存知ですか?
実はどれも、
- 営業許可の有無
- 提供できるメニューのレベル
- 設備のレベル
において違いがあります。
そこで今回は「喫茶店」「カフェ」「コーヒーショップ(ハウス)」「パーラー」の違いを、わかりやすくご紹介します。
最後まで読んでいただければ、それぞれの違いが理解でき、コーヒーの楽しみ方も変わりますよ。
それではどうぞ。
「喫茶店」とは?営業許可、調理レベル、設備レベルはどれくらい?
「喫茶店」という言葉を調べてみると、「コーヒー・紅茶などの飲物、菓子、果物や軽食を客に提供する飲食店」 とあります。
喫茶店の営業許可
喫茶店営業許可が必要です。
喫茶店営業許可を持っている店は、
- 簡単な食事を提供
- 飲み物の提供
これらが許可されているということです。
喫茶店の調理レベル
喫茶店営業許可は、加熱調理などの簡単なもの以外の調理全般は認められていません。
喫茶店へ行くと、プリンやトーストなど、簡単な軽食や菓子類が多いのはそのためです。
喫茶店の設備レベル
喫茶店営業許可を取得しているお店は、店内が清潔であり、給水と汚水の処理が別になっていることが条件になります。
「カフェ」とは?営業許可、調理レベル、設備レベルはどれくらい?
カフェとは、もともとフランス語で「コーヒー」を表す言語でした。
次第に「コーヒーをお客に飲ませる施設や店」としての意味を持つようになりました。
カフェの営業許可
カフェを開業するには、飲食店営業許可が必要です。
飲食店営業許可を持っている店は、
- 食材を調理し、食事を提供
- 生絞りの飲料、アルコール提供
が可能です。
カフェの調理レベル
カフェと喫茶店では、提供出来る料理にも違いがあります。
カフェでは、加熱調理以外の調理も提供が出来ます。
ハンバーグや煮込み料理、焼き物などバリエーション豊かなメニューが展開できます。
カフェの設備レベル
飲食店営業許可を取得している店は、店内が衛生的で、給水と汚水が別になっていることはもちろんです。
ここまでは喫茶店と変わりありませんね。
でも、喫茶店よりも複雑な調理をするため、
- 食品の保管
- 洗浄設備
- 給湯設備
- 客席やトイレの設置
これらが条件になります。
「純喫茶」とは?営業許可、調理レベル、設備レベルはどれくらい?
元々は喫茶店しかなかった日本。
当時は喫茶店での酒類の提供が盛んで、女性スタッフによる過剰な接待をする店も多かったそうです。
そんな中、「純粋にコーヒーを楽しむための喫茶店」として登場したのが純喫茶でした。
つまり、営業許可、調理レベル、設備レベルに関しては、喫茶店と変わりません。
「コーヒーショップ(ハウス)」とは?営業許可、調理レベル、設備レベルはどれくらい?
コーヒーショップは、「コーヒーを販売・提供する店のこと」とあります。
17世紀にトルコからヨーロッパの各地に広まっていったコーヒーショップは、当時は東洋風のスタイルが多く見られました。
現在は、
- コーヒーの提供をメインにする店
- コーヒー豆の専門店
を指す場合が多いです。
ただ「コーヒーショップ」という言葉の意味において、
- アメリカではコーヒーショップ=喫茶軽食堂
- イギリスではコーヒーハウス=喫茶店
という認識です。
コーヒーショップの営業許可
コーヒーやコーヒー豆の提供を主とする店なので、喫茶店営業許可で営業する店が多いです。
コーヒーショップの調理レベル
コーヒーの提供が中心で、店によっては軽食を提供する場合もあります。
一般的には喫茶店・純喫茶店と近い調理レベルです。
コーヒーショップの設備レベル
こちらも喫茶店・純喫茶店と同様に、店内が清潔であることと、給水と汚水処理の区分が必要になります。
「パーラー」とは?営業許可、調理レベル、設備レベルはどれくらい?
パーラーには「応接間」「談話室」のような、家庭にある来客者をもてなすための場所という意味があります。
「パーラー」はレトロな喫茶店というイメージを抱く言葉ですね。
しかし現在は、欧米でもあまり使われなくなっている言葉です。
「パーラー」という言葉の、実際の使われ方としては、軽食やデザートにも力を入れている喫茶店のようなイメージです。
また、「談話室」という言葉の意味を含んだ、「お茶を飲みながら気軽に話せる憩いの場所」のようなイメージです。
パーラーの営業許可
飲み物の他にパフェやスイーツなど簡単な軽食を提供する店が多いパーラー。
最低限度、喫茶店営業許可が必要になります。
パーラーの調理レベル
手軽な軽食を提供する場合が多いです。
調理レベルは喫茶店と同じです。
パーラーの設備レベル
こちらも喫茶店・純喫茶店と同様に、店内が清潔であることと、給水と汚水処理の区分が必要になります。
「喫茶店」「カフェ」「純喫茶」「コーヒーショップ(ハウス)」「パーラー」の違いは?
喫茶店と名乗っていても、飲食店営業許可を持っていれば、酒類や幅広いメニューを提供出来ます。
「喫茶店」「カフェ」「純喫茶」「コーヒーショップ(ハウス)」「パーラー」、それぞれの違いは
- 喫茶店営業許可
- 飲食店営業許可
のどちらを持っているかの違いが一つです。
ポイントや名前ではなく「何を提供するか」なのですね。
整理すると、
飲食店営業許可を持っている形態 | 喫茶店営業許可を持っている形態 |
・カフェ | ・喫茶店 ・純喫茶 ・コーヒーショップ ・パーラー |
ということです。
つまり、この中でカフェだけがレストランのような料理メニューを提供できる形態なんですね。
ただ、注意することがあります。
- 飲食店営業許可を持っている店が「○○カフェ」
- 喫茶店営業許可のみの店が「××喫茶店」
と、名乗らければならないという決まりはありません。
- 「喫茶店」と付いている店でも飲食店営業許可を持っている
- 「カフェ」と名乗りつつ「喫茶店営業許可」で営業している
こういった例外もあるのです。
さいごに
簡単にまとめますね。
- 喫茶店 → コーヒーや軽食などを提供するいわゆる「喫茶店」のイメージ
- 純喫茶 → ◯◯喫茶(昔いろいろなコラボ形態の喫茶店が流行った)という言葉に対抗する、「純粋にコーヒーを楽しむ喫茶店」という意味で出来た言葉
- カフェ → コーヒーをメインに提供するが、レストランレベルの料理も提供できる
- コーヒーショップ → 喫茶店に近いが、コーヒー専門というイメージが強い。コーヒー豆も提供している
- パーラー → 喫茶店に近いが、軽食やデザートにも力を入れているイメージが強い
以上のポイントを知って訪れると、違う視点でそのお店の新しい面を知ったり、新たな発見があるかも知れませんね。