パソコンを使って文章や表を作成するときに、見やすくしたり強調させたいときなどに、
- 「塗りつぶし」
- 「ハッチング」
という方法を使うときがあります。
しかし、これらの技法は、元々はコンピューターの分野のものではなく、絵を描くときの手法なんです。
でも、「塗りつぶし」と「ハッチング」の違いは分かりづらいところがありますね。
そこで今回は、「ハッチング」と「塗りつぶし」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
「ハッチング」と「塗りつぶし」の意味や目的の違いは?
「ハッチング」も「塗りつぶし」も、本来「絵を描くときに使われる技法」のことを言います。
「ハッチング」は、細かい平行線を縦や横に重ねて書く技法のことを言います。
特に、異なる方向のハッチングを重ね合わせたものを、「クロスハッチング」と言います。
一方、「塗りつぶし」は、大きな面積の部分を一気に塗りつぶす技法のことを言います。
背景や空・海など、大きな面積を効率よく描くようなときに使用されます。
つまり、「ハッチング」と「塗りつぶし」の違いは、
- 「ハッチング」:指定した範囲を直線や格子などのパターンで埋めつくす
- 「塗りつぶし」:1つの色で埋め尽くす
このようになります。
「ハッチング」は、細かい線を重ね描くことで、陰影、立体感、厚みなどを与える効果があります。
そのため、描くものの細部を表現する為に使われる技法になります。
「塗りつぶし」は、大きな面を一気に塗ることで、絵を効率よく描くことが出来ます。
また、ラフスケッチのような、全体の色調や構図を作成するといったときにも最適な技法になります。
他にも「ハッチング」と「塗りつぶし」は、コンピューターの分野で、
- 製図を作図する際、指定された範囲を斜線や特定の模様で埋める
- 表やグラフなどを見やすく色分けする
等といった時にも使われる言葉です。
「ハッチング」と「塗りつぶし」!エクセルではやり方も違う?
「ハッチング」と「塗りつぶし」はエクセルやスプレッドシートでも使われる技法です。
エクセルでは、セルに色を付けることで
- 視認性を高くする(見やすくする)
- 強調する
という表現が出来ます。
やり方は、
- セルの範囲を選択する
- セルの書式設定を開く
- 塗りつぶしタブを開く
「ハッチング」も「塗りつぶし」も、ここまでは同じ手順です。
この後に、
- 「ハッチング」 → パターンの種類から好きな網掛けの種類を選択する
- 「塗りつぶし」 → 背景色から好きな色を選択する
という違いがあります。
いずれにしても、表やデータを作成することが多いエクセルでは、よく使われる技法のひとつになります。
「ハッチング」と「網掛け」の違いと使い分け方は?
「ハッチング」は、細かい平行線を縦や横に重ねて書く技法でしたね。
一方、「網掛け」は、文字や画像の背景に均一なパターンによる網目を加えることという違いがあります。
つまり「ハッチング」が、平行線を一方向に引いたり、異なる方向に重ね合わせたものであるのに対し、「網掛け」は指定した範囲内を、平行線だけでなく、網点(ドット)や斜線、格子などの模様で埋めることです。
主な使い方としては、
- 「ハッチング」は、製図などの際、図形を見やすくするために使われる
- 「網掛け」は文章のタイトルなど、見出し語を目立たせるために使われる
という違いがあります。
さいごに
以上、「ハッチング」と「塗りつぶし」の違いについて解説してきました。
どちらも、絵を描く際も、パソコンなどで図や表を作成する際も、とても効果的な手法になります。
効果をよく理解して、上手に使い分けて下さいね。