「”には”と”は”って、どうやって使い分けたらいいの?」
「名詞」や「動詞」は、使い方がイメージしやすいので、あなたも理解できているかもしれません。
でも「助詞」の使い方ってけっこう難しいですよね。
今回は、「助詞」の中でも区別のつけづらい、
- 「には」
- 「は」
- 「では」
- 「ためには」
- 「にも」
これらの違いと使い分けのコツを分かりやすく解説していきます。
どれも、普段よく使う言葉なので、しっかり理解できるようにしてください。
また助詞の活用方法はこちらの記事でも解説しています。
「には」と「は」の使い分けは?用法の違いによる使い方を解説
「には」とは
- 格助詞「に」に係助詞「は」がついた連語
になります。
例えば「私には分かっています」
のように使うと、
- 「に」の付いた部分を強める
意味になります。
例文で言うと「私」を強める意味を表すので、
- 「私には分かっています」
は、
- 「(他の人は知らないが)私だけには分かっています」
というニュアンスの意味になります。
対して、「は」の使い方の一つが
名詞、名詞に準じる言葉、活用語の連用形、助詞
などに付く言葉になり、
- 自分の気持ちや事態などを淡々と述べる
というニュアンスの意味になります。
ですので
- 「私は分かっています」
は、他と比べることなく、単純に
- 「自分自身は分かっています」
というニュアンスの意味になります。
なので、「には」と「は」を使い分ける場合は、
- 他と比べて強調したい時には「には」
- そのままの状態を伝えたい時には「は」
と考えると分かりやすいですね。
「には」と「では」の使い分けは?用法の違いによる使い方を解説
「には」や「では」で使われている「は」は、どちらも強調の係助詞になるので、使いかたの違いは、「に」と「で」の用法の違いになります。
「に」と「で」の用法は数多くあります。
その中で、似たような使い方の例として、
友達が、どうしても必要なものが売り切れていて困っているとき、
- 「〇〇屋には売っていたよ」
- 「〇〇屋では売っていたよ」
と教えてあげたとしましす。
どちらも、必要なものについての情報を伝えてあげていますね。
この場合
- 「に」は、存在の場所・動作の向けられる場所(帰着点)
- 「で」は、動作、作用の行われる場所
を表します。
つまり簡単に言えば、
- 「〇〇屋には売っていたよ」
の場合、伝えたい人の視点は「売っていた」という動作の向けられている場所である
- 「〇〇屋」
になり、
- 「売っている」のは「〇〇屋」だ
というニュアンスになります。
それに対して、
- 「〇〇屋では売っていたよ」
の場合、伝えたい人の視点は、動作・作用の行われる場所
- 「売っていた」
になり、
- 「〇〇屋」に「売っていた」
というニュアンスになります。
使い分ける場合は、あなたが伝えたいことが
- 場所などの名詞の時は「に」
- 動作や作用などの動詞の時は「で」
と考えると分かりやすいですね。
「には」と「ためには」の使い分けは?用法の違いによる使い方を解説
「には」と「ためには」も似たような使いかたがあります。
例えば、
- 「100点を取るには、勉強しなければいけない」
- 「100点を取るためには、勉強しなければいけない」
という文章があるとします。
この場合の「は」も強調の係助詞になるので、使い方の違いは「に」と「ために」の用法の違いになります。
最初の例文の「に」は、
- 前半の文と後半の文をつなぐ接続助詞
になり、「に」で表現される語句を取り立てたり対比させたりする働きをします。
つまり、
- 「100点を取るには、勉強しなければいけない」
は
- 「100点を取る方法は勉強することだ」
というニュアンスになります。
一方、「ために」は
- 強い目的意志を表す接続詞
になり、
前半の文は
- 「話し手の目的」
後半の文は
- 「目的を実現するための行為」
を表します。
ですので、
- 「100点を取るためには、勉強しなければいけない」
は
- 「100点を取りたいなら勉強することだ」
というニュアンスになります。
「には」と「にも」の使い分けは?用法の違いによる使い方を解説
「には」と「にも」を使った似たような意味の文として、
- 「僕には出来る」
- 「僕にも出来る」
があります。
前半の例文は、前章でも述べたように、「には」は
- 「に」の付いた部分を強める意味
になります。
ですので、
- 「僕には出来る」
は
- 「(他の人はどうか知らないが)僕は出来ます」
というニュアンスになります。
一方「にも」は、格助詞「に」に係助詞「も」がついた形になり、
- 格助詞「に」に並列・列挙や強調などの意味を加える
表現になります。
なので、
- 「僕にも出来る」
は
- 「(他の人も出来るけれど)僕も出来ます」
というニュアンスになります。
使い分ける場合は、
- 他と比べて抜け出した表現にしたい時は「には」
- 他と並べて比べるような表現にしたい時には「にも」
と考えると分かりやすいですね。
さいごに
「には」と
- 「は」
- 「では」
- 「ためには」
- 「にも」
との違いと使い分けるコツを解説してきました。
普段何気なく使う言葉ですが、使い方によって少しずつニュアンスが変わってくるので、しっかり理解しておいてください。
またお子様に教えるにあたっては、わかりやすい文章で、ニュアンスの違いをイメージしやすいものを選んでみてくださいね。