「覆」という漢字は
- 「くつがえ(す)」
- 「おお(う)」
と読みます。
しかし意味は
- 「くつがえ(す)」 → 「ひっくり返す」「うら返す」
- 「おお(う)」 → 「つつみかくす」
と、全く違うものになります。
同じ漢字を使うのになぜ?って思ってしまいますよね。
そんなあなたに、今回は、「覆う」「覆す」の違いや語源などをわかりやすく解説していきます。
この機会に使い方をマスターしてください。
辛い→「からい」「つらい」もご参考に
「覆」の訓読み!読み方や意味、漢字の成り立ち、語源、英語表現は?
「覆」の読みかたは、こちらでまとめておきますね。
「覆」の読み方
- 音読み
- 「フク」
- 「フ」「フウ」(表外漢字)
- 訓読み
- 「おお(う)」
- 「くつがえ(す)」
- 「くつがえ(る)」
と、なります。
意味はコチラ
「覆」の意味と使い方
- 「おおう」「かぶせる」「つつむ」という意味(使い方例:「覆面」「被覆」)
- 「くつがえる」「くつがえす」「ひっくり返す」という意味(使い方例:「覆水」「転覆」)
- 「くりかえす」「かさねる」という意味(使い方例:「覆刻」「反覆」)
になります。
「覆」という漢字は、器のフタを表す「襾(おおいかんむり)」と、元の道を帰る、ひっくり返すの意味の「復」から成りたっています。
中国では、表面だった部分を内部に引っ込めさせるという意味で使われています。
英語ではそれぞれの意味によって変わってきます。、
- 「cover(おおう)」
- 「reverse(くつがえす、ひっくり返る)」
- 「repeat(くり返す)」
などになります。
「覆」の訓読み!「覆う」と「覆す」はなぜ同じ漢字を使うの?
中国で「覆」は、表面だった部分を内部に引っ込めさせるという意味で使われていました。
そのやり方としては、
- 別の何かをかぶせて内側に隠すという方法
- そのものをひっくり返して内側に隠す方法
があります。
それを中国では、
- 器のフタを表す「襾(おおいかんむり)」
- 元の道を帰る、ひっくり返すの意味の「復」
これらのパーツから成る
「覆」
という一つの言葉で表しました。
日本では、
- 別の何かをかぶせる → 「おおう」
- そのものをひっくり返す → 「くつがえす」
という別の表現があったので、「覆う」と「覆す」は反対の意味でありながら、同じ漢字を使うようになりました。
「覆う」と「覆す」「覆る」の違いと見分け方は?意味をイメージしやすい熟語◯つ
「覆う」は、「かぶせる」「つつむ」という意味で、
- 「覆面」(顔面を布などで覆い隠すこと(もの))
- 「被覆」(物の表面におおいかぶせること(もの))
などのように使われます。
「覆す」「覆る」は、「ひっくり返る」「裏返る」という意味で、
- 「覆水」(容器からこぼれた水)
- 「転覆」(ひっくり返ること、ひっくり返すこと)
などのように使われます。
見分け方は、
- 前後の文脈で判断
- 上のような熟語で言い換えができないか?
で考えてみてください。
そうすると、かぶせる方なのか、ひっくり返る方なのか、判別できるかと思います。
「覆う」の参考記事
さいごに
以上、「覆う」「覆す」の違いや語源などを解説してきました。
このように、同じ漢字で違う意味を表す言葉は他にもあります。
意味をよく理解して、上手に使い分けて下さいね。