「とどまる」と読む漢字には、「止」「停」「留」など、さまざまなものがあります。
全て似たような意味を持ちますが、具体的な使い方には、若干ニュアンスの違いがあります。
使い分けするとなると、あなたも迷ってしまうのではないでしょうか?
そこで今回は、「とどまる」の漢字や使い分け方について、わかりやすく解説していきます。
「とどまる」を漢字で書くと?どんな種類がある?公用文ならどれ?常用漢字は?
「とどまる」と読む漢字には、以下のような種類があります。
- 漢字は常用漢字で、読み方が常用漢字表にない
- 「止まる」「住まる」「亭まる」「留まる」「停まる」「頓まる」「駐まる」
- 常用外漢字で名前に使用できる
- 「逗まる」
があります。
ただし、漢字も読み方も常用漢字表にある字はありません。
したがって公用文では基本的に、ひらがなの「とどまる」を使います。
「とどまる」の漢字!使い分けは難しい?コツや覚え方を例文で解説!
「とどまる」の漢字でよく使われるのは、「止まる」「留まる」「停まる」「逗まる」になります。
どの漢字も、先に進まずそこに居続けるというニュアンスになります。
ですが、それぞれの漢字の意味によって、以下のように使い分けることができます。
止まる(とどまる)の使い方
「止まる」の「止」は、
- 「じっとして動かない」 (静止、停止)
- 「ひきとめる、活動をやめる」 (制止、中止)
といった意味になります。
ですので、
「止まる(とどまる)」の例文
- 「止まることなく水が流れている」
- 「被害を最小限に止める」
このように、
- 進行していたものが停止する
- ある範囲や限度を超えずにいる
といった使い方をします。
留まる(とどまる)の使い方
「留まる」の「留」は、「その場に留めておく」「その位置から動かない」(留置、留任、残留)といった意味になります。
ですので、
「留まる(とどまる)」の例文
- 「彼は今年も同じ役職に留まっている」
- 「心の奥に押し留めておく」
このように、同じところや立場にそのまま動かずにいるといった使い方をします。
停まる(とどまる)の使い方
「停まる」の「停」は、
- 「じっと一つ所にとまって進まない」 (停滞、停車)
- 「一時的にやめる」 (停学、停電)
といった意味になります。
使い方は、
- 動いていて物や人の動きがとまる
- 続いていた状態が絶える
このようになり、基本的に「止まる」と違いはありません。
しかし、「駐停車」「停泊」「停留所」という言葉もあるように、一般的には、
「停まる(とどまる)」の例文
- 「人身事故のため電車が各駅に停まっている」
このように、乗り物がとどまるといった意味で使われます。
逗まる(とどまる)の使い方
「逗まる」の「逗」は、「しばらくその場所にいて動かない」という意味になります。
そのため、「逗まる」は「留まる」と同じように、同じ場所から動かないといった使い方になります。
ただし、「逗留」(旅先で、ある期間宿泊してとどまる)という言葉もあるように、
「逗まる(とどまる)」の例文
- 「病気療養のためしばらく湯治場に逗まる予定です」
このように、ある場所に滞在(宿泊)するといった意味で使われます。
「とどまる」と「とまる」の違いは?
本来、常用漢字表に載っている読み方としては、「止まる」「留まる」「停まる」はどれも、「とまる」と読みます。
「とまる」と「とどまる」の違いは、
- 動いていたものが動かなくなる
- じっとしていたものが引き続きじっとしている
という違いになります。
例えば、
「とどまる」と「とまる」の違い
- 「赤信号なので止まった(動いていたものが動かなくなる)けど、信号が故障してしまったので、そのままそこにとどまっています(引き続きじっとしている)」
このような意味や使い方の違いになります。
英語で言うなら、
- 「とまる」=stop
- 「とどまる」=stay
と考えれば、イメージしやすく、わかりやすいですよ。
さいごに
以上、「とどまる」の漢字や使い分け方について解説してきました。
「とどまる」と読む漢字には、たくさんの種類がありましたね。
しかしその全てが、表外読みになるので、公用文では使用できません。
ですので、なるべくひらがなで表記することをおすすめします。