服などを作るとき、よく聞く言葉に
- 「織る」
- 「編む」
- 「組む」
- 「紡ぐ」
- 「縫う」
- 「結ぶ」
がありますが、それぞれどの様な作業をすればいいのでしょう?
意味が理解できていれば、適切に表現できるようになりますよね。
そこで今回は、「織る」「編む」「組む」「紡ぐ」「縫う」「結ぶ」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
どれも似たような意味を持っていますので、よく理解して使い分けて下さいね。
ちなみに今回のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「織る」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「織る」とは縦糸と横糸を組み合わせて生地を作るという意味で、出来たものを「織物」と言います。
織るの例文1
- 「絣(かすり)を織る」
- 「機(はた)を織る」
このように使い、織物を作ることを表す時に用います。
また、「組み合わせる」という意味から派生して、
織るの例文2
- 「ガウンを羽織る」(重ねて着る)
- 「様々な人物が織りなす人間模様」(色々な要素を重ね合わせ一つにする)
このような意味でも使われます。
英語では、「織る」「織り合わせる」といった意味の
- 「weave」
を使います。
ですので、言い換えるときも
- 「織り合わせる」
- 「織り交ぜる」
などになります。
「編む」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「編む」とは、紐状のものを絡み合わせたり、結び合わせて一つのかたちに作り上げるという意味です。
よく使われるのは、
編むの例文1
- 「セーターを編む」
- 「マフラーを編む」
このように、毛糸や綿糸などを使って布や衣類、装飾品を作る行為を表す時に用い、出来たものを「編み物」と表現します。
他にも、
- 竹、籐、針金などでゴザやカゴ、建築素材などを作る行為
- 三つ編みなど髪を結ぶ行為
などにも用いられますが、こちらは一般的には「編み物」とは表現しません。
英語にする場合も、毛糸や綿糸などはを「編む」時は
- 「knit」
わらや髪などを「編む」時は
- 「plait」
を使います。
また、「絡ませる」「結び合わせる」という意味から派生して、
編むの例文2
- 「辞書を編む」(編集する)
- 「スケジュールを編む」(編成する)
といった意味でも使われます。
言い換えるときも
- 「編み上げる」
- 「編みこむ」
などになります。
「組む」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「組む」とは、材料、部分を順序に従い交差させたり絡み合わせるなどして、全体を作り上げるという意味です。
組むの例文1
- 「ひもを組む」
- 「足場を組む」
このように、組み合わせて形を作ることを表す時に用います。
また、「合わせて作り上げる」という意味から派生して、
組むの例文2
- 「腕を組む(からみ合わせる)」
- 「チームを組む(作り上げる)」
といった意味でも使われます。
英語では、「組み合わせる」「結びつける」といった意味の
- 「combine」
「絡み合わせる」といった意味の
- 「intertwine」
などになります。
ですので、言い換える場合も
- 「組み合わせる」
- 「絡み合わせる」
といった表現になります。
「紡ぐ」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「紡ぐ」とは、複数ある中から必要なものを引き出して形を作るということです。
紡ぐの例文
- 「糸を紡ぐ」
- 「言葉を紡ぐ」
- 「気持ちを紡ぐ」
このように、綿や繭などから糸を作る繊維を引き出す時に用います。(例文1)
また、例文2,3のように
- 言葉をつなげて文章を作る
- 物語や詩歌などを作る
といった表現でも使われます。
英語にする場合は、「紡ぐ」「糸状に加工する」といった意味の
- 「spin」
になります。
物語や歴史などの場合は、
- 「weave story」
- 「weave history」
のように、比喩的な表現になります。
言い換える場合は
- 「糸を紡ぐ」→「編む」
- 「言葉を紡ぐ」→「結ぶ」「作る」
のようになります。
「縫う」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「縫う」とは、糸を通した針を布地などの裏表に交互に指して進めるという意味です。
縫うの例文
- 「カーテンを縫う」
- 「服のほつれを縫う」
- 「間隙を縫って進む」
例文1,2のように、布などの生地を糸などで繋ぎ合わせたり、衣服などを作る行為を表す時に用います。
また、交互に交差して進めるという動きから、例文3のように、事物や人々の狭い間を抜けて進むといった表現でも使われます。
英語では
- 「sew」
になり、
- ミシンで縫う場合 → 「sewing」
- 手で縫う場合 → 「hand sewing」
となります。
言い換える場合は
- 「仕立てる」
- 「裁縫」
といった表現になります。
「結ぶ」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「結ぶ」とは、複数の物事をつなぎ合わせて形を作るという意味です。
一般的には、
結ぶの例文
- 「髪を結ぶ」
- 「包帯を結ぶ」
- 「良縁を結ぶ」
- 「条約を結ぶ」
- 「努力が実を結ぶ」
例文1,2ように、細長いものを組んで繋ぐといった表現で使います。
他にも、
- 例文3のように、良い人間関係を築くこと
- 例文4のように、交わりを密接にすること
- 例文5のように、様々な要因が繋ぎ合わさって結果が出ること
といった使われ方もします。
英語にする場合は、「結びつける」「縛る」といった意味の
- 「tie」
- 「bind」
などになります。
ですので、言い換える場合も
- 「縛る」
- 「繋ぐ」
といった表現になります。
「織る」「編む」「組む」「紡ぐ」「縫う」「結ぶ」の違いと使い分け方は?
「織る」「編む」「組む」「紡ぐ」「縫う」「結ぶ」は、どれも生地や服などを作るときに行う作業の仕方を表します。
それぞれの違いをまとめておきましょう。
違いまとめ
- 「織る」:縦糸と横糸を組み合わせて生地を作ること (機を織る)
- 「編む」:紐状のもの(一本でも可)を絡み合わせたり、結び合わせて一つのかたちに作り上げること (マフラーを編む)
- 「組む」:材料、部分を順序に従い交差させたり絡み合わせるなどして、全体を作り上げること(組み紐を作る)
- 「紡ぐ」:複数ある中から必要なものを引き出して形を作ること(糸を紡ぐ)
- 「縫う」:布などの生地を糸などで繋ぎ合わせたり、衣服などを作ること(靴下の破れたところを縫う)
- 「結ぶ」:複数の物事をつなぎ合わせて形を作ること(髪の毛を結ぶ)
と、このような使い方をします。
上のまとめからでもわかるように、
- 紐状のものを、結び目を作る要領で「一目ずつ」形を作って作成していく、「セーター」
- それらを総称したものである「ニット」
は、どちらも「編む」を使うのが正解です!
さいごに
以上、「織る」「編む」「組む」「紡ぐ」「縫う」「結ぶ」の違いについて解説してきました。
どの言葉も、服装に関すること以外の使い方が出来る言葉も多いです。
それぞれ多くの表現方法を習得して、正しいシーンで使いこなしてみて下さいね。