「答える」「応える」「堪える」。
これらはどれも「こたえる」と読むことができる漢字です。
これらを使った文章には、
- 質問にこたえる
- 要望にこたえる
- 問題をこたえる
- 上司の意見がこたえる
などがあり、日常生活でもよく目にしますよね!
しかしこれらは、どれも同じ読み方なので「使い分けはどうすればいいの?」と、疑問に感じていることでしょう。
使い分けを知っておかないと、いざ漢字で書く時に迷ってしまいますよね(>_<)
使い方を間違うと、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません!
そこで今回は、間違った使い方をしないためにも、「答える」「応える」「堪える」の違いを学んでいきましょう!
ちなみに今回の「こたえる」のように、同じ読み方で使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
参考記事で知識を深めよう!
「答える」の意味や使い方を例文で解説!英語では何ていう?言い換えはできる?
「答える」には
- 相手からかけられた言葉に対して返事する
- 質問や問題に対して解答を出す
- 「元気よく「はい」と答える」
- 「アンケートに答える」
のように
自分に向かって言われたり聞かれたことに対して返事をする
といったときに使います。
英語では、
「返事、返答をする」といった意味の
「answer」
を使います。
- 「「はい」と答える」は 「answer yes」
- 「アンケートに答える」は 「answer a questionnaire」
となります。
ですので、日本語の言い換えも
- 「元気よく「はい」と答える」 → 「元気よく「はい」と返事をする」
- 「アンケートに答える」 → 「アンケートに返答する」
となります。
答えるの意味をわかりやすく説明すると
答えるの意味を辞書で調べてみると、このような意味が載ってあります。
- 相手からかけられた言葉に対して返事をする。
- 質問や問題に対して解答を出す。
要するに「答える」は、単に質問にこたえる時や、誰かに返事をする時に使うという事ですね!
例えば「この問題にこたえなさい!」なんて文章の時は、「答える」を使うということ。
答えるを英語に翻訳すると「answer(アンサー)」でしたね。
これには、
- 自分の考え、主張を述べること
といった意味があります。
「アンサー」は、テレビのクイズ番組などで、よく耳にしますよね!
答えるの「答」を使った熟語にも、
- 回答
- 解答
- 返答
といった、問いかけにこたえるものが数多くあります。
ちなみに、「回答」と「解答」も読み方が同じですよね。
この2つの違いもこちらの記事で解説しています!↓
何かの質問に”こたえる”時は、「答える」を使いましょう!
「応える」の意味や使い方を例文で解説!英語では何ていう?言い換えはできる?
「応える」には
相手からの働きかけに対し、それに合った行動をとる
という意味があります。
- 「声援に笑顔で応える」
- 「顧客の要望に応える」
のように
他からの依頼や要求などを受けて、それに見合うようなことをする
といったときに使います。
英語では
「応じる、対応する」といった意味の
「respond」
を使います。
- 「笑顔で応える」は 「respond with a smil」
- 「顧客の要望に応える」は 「I will respondto the custmer`s request」
となります。
ですので、日本語の言い換えも
- 「笑顔で応える」 → 「声援に笑顔で応じる」
- 「顧客の要望に応える」 → 「顧客の要望に対応する」
となります。
応えるの意味をわかりやすく説明すると
応えるの意味も、辞典で調べてみると、こういった意味が載ってありました。
- 働きかけに対して、それに添うような反応を示す。
- 外からの刺激を身に強く感じる。
要するに「応える」は、誰かの要望や期待など、何かの働きかけに対して応じる時に使うという事ですね!
例えば「あなたの要望におこたえました!」なんて文章には「応える」を使います。
応えるを英語で翻訳すると、「respond(リスポンド)」。
これには、
- 働きかけに対して、それに添うような反応を示すこと
という意味があります。
アンサーと違ってこちらは、あまり聞き覚えがありませんね。
しかしコレと似たような英単語に「response(レスポンス)」というものがあります。
これには、
- 応答。反応。対応。返事。
という意味があります。
レスポンスはよく聞く言葉ですよね!
メールやSNSで、誰かに返信する事を「レスする」と呼びますよね。
これはレスポンスを略した言葉ですね(^^)
応えるの「応」を使った熟語には、
- 対応
- 反応
- 手応え
など、何かに対して応じているようなものばかりです。
何かの働きかけに対して「こたえる」時は、「応える」を使いましょう!
「堪える」の意味や使い方を例文で解説!英語では何ていう?言い換えはできる?
「堪える」には
耐える、こらえる、我慢する
といった意味があります。
「今の状態を何とか持ち堪えている」のように
我慢しているけれど耐えきれないほど苦しい
といったときに使います。
英語にするときは、
「精神的に我慢する」というニュアンスの
- 「bear」
- 「endure」
- 「stifle」
などを使います。
例えば、
「持ち堪えるのが難しい」は
「hard to endure」
となります。
ですので、日本語で言い換える場合は
「今の状態を何とか持ち堪えている」 → 「今の状態で何とか我慢している」
となります。
ちなみに、「堪える」の否定形「堪えられない」は
「我慢できない」
という意味になりますが、この場合
「堪えられない旨さ」のように、
「この上なく素晴らしい」
と肯定の意味で使われます。
「答える」「応える」「堪える」の違いと漢字の使い分け方は?
「答える」「応える」「堪える」の違いを簡単に言うと
- 「答える」:「返事をすること」
- 「応える」:「対応すること」
- 「堪える」:「我慢すること」
になります。
つまり、相手からの投げかけに対し
- 単に、「返事」や「リアクション」をする場合は→「答える」(質問に答える)
- 見合った「対応」や「行動」をする場合は→「応える」(期待に応える)
- 「我慢」したり「耐える」場合は→「堪える」(持ち堪える)
といった使い分け方をします。
- 「回答」「答弁」
- 「対応」「反応」
- 「堪忍」
といった、それぞれの漢字が使われている熟語でニュアンスを覚えると、使い分けが分かりやすくなりますよ。
ただし、常用漢字は「答える」だけになるので、公的文章の場合は
ひらがなの「こたえる」
を使用した方が間違いはありません。
「注文」「要望(リクエスト)」「笑顔で」「気持ち(思い)に」にはどの「こたえる」を使う?
「こたえる」を使うシチュエーションで、よく会話に出てくるものをピックアップしてみました。
あなたは全部答えられますか?
注文に「こたえる」は?
- 注文に応じたものを届けるなどする場合 → 注文に「応える」
- 注文されたものの有無等に関して返答する場合 → 注文に「答える」
要望に「こたえる」は?
- 相手が望むものに対して見合った対応をする場合 → 「応える」
- 相手が望むものの提供の可否を回答する場合 → 「答える」
笑顔に「こたえる」は?
- 笑顔で相手に返答する場合 → 「答える」
- 笑顔で相手に応じる場合 → 「応える」
気持ち(思い)に「こたえる」は?
- 相手の気持ち(思い)に対して返事をする場合 → 「答える」
- 相手の気持ち(思い)に応じる場合 → 「応える」
「應える」「対える」の意味と使い方は?
「應える」も「対える」も「こたえる」と読みます。
「應える」の「應」は、「慶應義塾大学」という字でも分かるように
「応」の旧字体
になります。
意味も
- 何らかの働きかけに対する反応や応答
- 相手の要望を叶えたり期待に報いること
となり、「応える」と同じになります。
「対える」は「対応」「応対」という熟語からもわかるように
・相手の問いに対し応じる、返答する
という意味になります。
「恩顧に対える」のように
- 目上の人の問いに返事をする
ときに使います。
知識を深めよう!
「「答える」「応える」「堪える」の違いについて」のさいごに
以上、「答える」「応える」「堪える」の違いについて解説してきました。
ちなみに「こたえる」には他にも
- 「報える」
- 「徹える」
などのような表記もあるんですよ。
「答える」「応える」「堪える」は、同じ読み方でも使い方が大きく違います。
違いに気をつけて使っていくように心がけていきましょう!
「こたえる」以外にも、同じ読み方なのに使い方が違う漢字はたくさんあります!
あなたはどれだけ分かりますか?↓
漢字の意味をよく理解して、正しく「こたえ」られるようにして下さいね。