- 「完成までのめどが立った」
- 「復旧までのめどがつかず困った」
このような表現は、ビジネスシーンではよく使われていますよね。
このような時「めど」には
- 「目処」
- 「目途」
と、二つの表記があり、どちらを使うか迷いがちです。
使い分けを覚えておけば、いざという時役立ちますね。
そこで今回は、「目処」「目途」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
意味や使い方などよく理解して、上手に使い分けて下さい。
ちなみに今回の「目処」「目途」のように、同じ読み方で使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「目処」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「目処」には
- 目指すところ
- 目当て
- ものごとの見通し
という意味があります。
使い方の例としては、
目処の例文
- 「人身事故のため運転再開の目処が立っていません」
- 「パーティーに誰を呼ぶか、おおよその目処がついています」
例文のように、ものごとに対する「見当」や「見通し」を表すような使い方をします。
言い換える場合は、
- 「見込み」→「運転再開の(見込み)が立っていません」
- 「見当」→「おおよその(見当)がついています」
などになります。
英語にする場合も、
「予想」「展望」といった意味の
- 「prospect」
「前途」「見通し」といった意味の
- 「outlook」
などで表現できます。
「目途」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
辞書で「目途」は、「目処」と一緒に「めど」という項目に載っていて、意味も同じになっています。
ただし、本来は「もくと」と読み、意味も
- 目当て
- 目標
- 目的
といったものになります。
使い方の例としては
目途の例文
- 「来年の完成を目途に工事を進めています」
- 「この提案書には具体的な目途が提示されていません」
などのように、ものごとに対しての「到達点」や「目標」を表すような使い方をします。
ですので、言い換える場合も
- 「目標」→「完成を(目標)に工事を進めています」
- 「目的」→「具体的な(目的)が提示されていません」
などになります。
英語では
「目標」や「目的」を意味する
- 「objectev」
「ねらう」や「めざす」といった意味の
- 「aim」
などで表現できます。
「目処」「目途」の違いと使い分け方は?
「目処」「目途」の違いを分かりやすくまとめてみましょう。
目処と目途の違いまとめ
- 「目処」は主に「見通し」の意味で使われる
- 「目途」は主に「目標」の意味で使われる
「目」という字は、「要点」という意味があり、「目処」や「目途」の「目」は
- 目印とするもの
- 目指すべき場所
などを意味しています。
次に、「処」という字は、「場所」という意味を持ちます。
一方、「途」という字は
- 「道筋」
- 「手段」
- 「方法」
といった意味を持ちます。
ですので、「目処」は、要点の場所という意味になります。
つまり、「目処」を詳しく言うと、
「目的とする場所の見当がついただけで、道筋については曖昧な状態」
という事になります。
一方、「目途」は、要点に向けての道筋や手段という意味になります。
つまり、「目途」を詳しく言うと、
目標に向けての道筋や手段がはっきりしている状態
という事になります。
どちらを使うか迷うときは、次のように使い分けましょう。
目処と目途の使い分け
- 目標も、そこまでの道筋もはっきりしているとき → 「目途」
- 目標は分かっているが、道筋は曖昧なとき → 「目処」
と、このように覚えるといいかもしれません。
「目処」「目途」が「つく」「立つ」どっちが正しい?
「めどがつく」も「めどがたつ」も、目標までの見通しがつくといった様な意味になります。
「目処」「目途」どちらも使えますが、
- 目標までの道筋が曖昧なときは 「目処」
- 目標も、そこまでの道筋も曖昧はっきりしているときは 「目途」
になります。
「つく」も「立つ」もどちらも正しいです。
あえて使い分けるなら、
- 見通しが明確になる→目処が立つ
- 見通しがまとまる→目処がつく
こう覚えておきましょう。
さいごに
以上、「目処」「目途」の違いについて解説してきました。
どちらも、目指すべきところという意味を持ちますが、それぞれ
- 「目処」 → 柔らかい表現
- 「目途」 → 畏まった表現
というニュアンスの違いがありました。
伝えたい意図によって、正しく使い分け、円滑なコミュニケーションを取ってくださいね。