入浴介助で、浴槽に出入りしてもらうのは、どうすればいいでしょうか?
安全な浴槽への出入り方法があったら知りたいです。
分かります、私も以前は利用者さんの浴槽への出入りには、かなり気を使っていました。
水で濡れていて滑りやすく、利用者さんが滑ったり、怖がったりしたらどうしようって思っていました。
実は、浴槽から出入りをするときに、安全な対応方法があるのです。
それを学んでからは、うまく出入り介助できるようになりました。
あなたもこれからお話しすることを聞いていただければ、浴槽からの安全な出入り方法について、理解できるようになりますよ。
そうすることで、利用者さんに安心して入浴していただけるような介助ができるようになります。
それでは、浴槽への安全な出入りの手順やポイントについてお話ししていきますね。
入浴介助の参考記事
浴槽に出入りする時の介助の手順は?入る時から出るときまでを解説
浴槽の中に出入りするときの手順は以下の通りです。
浴槽に入る場合の介助手順
- シャワーチェアを浴槽の横に移動します
- 利用者さんの肩を支えながら、浴槽側の足を浴槽の中に入れでもらいます
- 浴槽に遠い方の足も浴槽の中に入れてもらいます
- 利用者さんが両足が浴槽の底についたことを確認します
- 利用者さんに手すりがあれば手すりを、なければ浴槽の淵もしくは介助者の手を持ってもらい、浴槽内に立ってもらいます
- 介助者は片足だけ浴槽内に入り、利用者さんが倒れないように後ろから支えます
- 利用者さんにゆっくり浴槽内に座ってもらいます
- 利用者さんの背中が浴槽内の壁につくまで支えます
浴槽から出る場合の介助手順
- 浴槽に足を延ばしている場合は曲げてもらいます
- 利用者さんに手すりにつかまってもらいます
- 介助者は片足を浴槽内に入れます
- 介助者が支えながら利用者さんに立ってもらいます
- シャワーチェアに座ってもらいます
- 利用者さんの外側の足を外に出します
- もう片方の足を外に出してもらいます
手順に関しては以上のようにするとよいでしょう。
では、浴室への出入りの介助に関して、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
次の章で、詳しく説明しますね。
浴槽に出入りする時の介助で注意するポイントは?
ここで、浴槽に出入りする際に注意する点についてお話しします。
浴槽に出入りする場合の注意点
- 片麻痺がある場合には健側から出入りしてもらう
- 手すりは浴槽横の壁に設置する
- 浴槽から出るときにはゆっくり立ち上がってもらう
それぞれについて説明しますね。
注意点1:片麻痺がある場合には健側から出入りしてもらう
脳梗塞後遺症で片麻痺(へんまひ)がある場合は、必ず健側(けんそく)から出入りしてもらう必要があります。
なぜなら麻痺側は力が入りづらく、一瞬でも片足で体重を支えようとすると転倒の危険があるためです。
浴室内、特に浴槽内は滑りやすくなっています。
そんな浴槽の中で、麻痺側だけで立とうとすると転倒の危険があります。
よって、片麻痺がある際には健側から出入りしてもらうようにしましょう。
注意点2:手すりは浴槽横の側に設置する
手すりを設置する場合には、浴槽横の壁に設置するようにしましょう。
浴槽横の壁に設置することにより、利用者さんがふらつきなく、しっかり立てる支えになるからです。
浴槽の奥に設置すると、手すりを持とうとして、前側に転倒する恐れもあります。
しかし横ならば、浴槽に入ろうとした時、すぐに持てます。
よって、手すりを設置できるのならば、浴槽の横に設置しておきましょう。
注意点3:浴槽から出るときにはゆっくり立ち上がってもらう
浴槽から出るときにはゆっくり立ち上がってもらいましょう。
入浴後はめまいを起こしやすいからです
入浴はリラックス効果があり、体に良いイメージが強いですよね。
しかし熱いお湯につかると、浴槽から出たときに、血圧が下がりやすくなります。
その上、発汗して更に血圧が下がります
その状態で立ち上がろうとすると、めまいがしやすくなり転倒リスクが高くなります。
転倒する恐れもあるため、ゆっくり立ち上がってもらうようにしましょう。
さいごにまとめ
浴槽への出入りは、様々な転倒リスクが高く、注意が必要です。
そのため、ゆっくり介助することを心がけましょう。
利用者さんにとって、身体の清潔と、心のリラックス効果を与えるのが入浴の目的です。
浴槽への出入りの介助の際には、慌てず安全な入浴介助をするように心がけてくださいね。