「私はお昼ご飯を食べます」
この文章の中の「は」「を」は「助詞」になります。
日常の文章の中にあり、当たり前のように使っている「助詞」です。
ただ日本語を「使いこなす」となると、「助詞」の正しい使い方は必要不可欠なものになります。
今回は、助詞「は」と「を」の違いと使い分け方を解説していきます。
小学生のお子さんに教える場合の方法についても紹介していきますので、参考にしてみて下さいね。
「は」と「を」の 使い分けは?用法の違いによるそれぞれの使い方は?
助詞とは
- 名詞の後に置く短い語
のことです。
「は」「を」以外にも「が」「に」「の」などがあります。
それだけでは意味が分からない語ですが、名詞と組み合わせることで、
- 名詞に意味を加えたり役割を与えたりする
ことが出来ます。
日本語では、ほとんどの場合、助詞が必要になり、文を作る助けをしています。
助詞の一つ、「は」の基本的な使い方は
- 「主題を提示する」
ことです。
例えば、自分の名前を主題とした内容の文にしたい場合、
- 「私の名前」+「は」
とすることで、「私の名前」が文の主題になり、その後に「田中です」などの説明を加えることで、文を作ることが出来ます。
- 「学校は勉強をするところです」
という文章の場合、主題が
- 「学校」
になり、
- 「学校」 → 「勉強するところ」
というニュアンスの文章になります。
これを
- 「勉強をするところは学校です」
という文章になると、主題は
- 「勉強するところ」
になるので、
- 「勉強するところ」 → 「学校」
というニュアンスに変わります。
もう一つ、よく使われるのが
- 「多くの事柄から一つを区別する」
といった時に「は」を用います。
例えば、
例文
「A君、勉強はできるよね」
このような文章の場合、
- 「A君勉強はできるけれど、運動はできないかもしれない」
- 「A君勉強はできるけれど、歌は下手かもしれない」
- 「A君勉強はできるけれど、性格が悪いかもしれない」
といった
- 「背景に隠された意味があるように匂わせる」
ニュアンスを持たせることが出来ます。
このように「は」は、
- 幾つかある題材から「主題」を提示する
という使い方をします。
もっと分かりやすく言うと、
- 「~に関して言うと~」
といった使い方になります。
次に助詞「を」の使い方ですが、基本的な使い方の一つが
- 「動作の目標・対称」
を表します。
例えば、
- 「本を読む」
- 「日本語を勉強する」
という文の場合、「読む」や「勉強する」物の対称や目標が、
- 「本」
- 「日本語」
という意味になります。
つまり、
- 「本」 ← 対象 ← 「読む」
- 「日本語」 ← 対象 ← 「勉強する」
という流れになります。
また「を」の別の使い方として、移動の意味を表す動詞に応じて
- 「動作の起点(出発点)・分岐点」
を表します。
例えば、
- 「家を出発する」
- 「駅を発車する」
は、「出発する」や「発車する」という動作の起点(出発点)が
- 「家」
- 「駅」
という意味になります。
他にも、移動の意味を表す動詞に応じて
- 「経由する場所」
を表します。
- 「大通りを渡って駅に向かう」
- 「階段を上って部屋に行く」
は、
- 「駅に向かう」為に「大通り」を通過する。
- 「部屋に行く」為に「階段」を通過する。
という意味になります。
このように「を」は
- 動作に対する(唯一の)対称
を表します。
簡単に言うと
- 「~するのは~」
といった使い方になります。
例えば、
- 「本を読む」 → 「読むものは本」
- 「家を出発する」 → 「出発するのは家から」
といった意味になります。
助詞の活用方法は確かに難しいですよね。
こちらの記事でも、助詞について詳しく解説してますので、ご覧ください。
「は」と「を」の 違いと使い分けを小学生にわかりやすく説明するには?教え方のコツは?
「は」と「を」の使い方はたくさんありますが、小学生の場合、全てを理解することは困難です。
今回の「は」と「を」の使い方の中で、一番大きく分かりやすい違いは
- 多くの事柄から一つを区別する場合が「は」
- 動作に対する(唯一の)対称を表す場合が「を」
の使い方になります。
例えば、
- 「勉強」
- 「しないといけない」
という言葉を使って
- 運動でも遊びでもなく勉強をしないといけない
- とにかくやらないといけないことは、勉強すること
という意味の文章を作るようにします。
正解例文
- 運動でも遊びでもなく勉強をしないといけない → 「勉強はしないといけない」
- とにかくやらないといけないことは、勉強すること → 「勉強をしないといけない」
といった感じになります。
これを分かりやすく伝えるには、
- 身近なもので例える
- ゲーム感覚で行う
- 自分で文を作る
といったことを踏まえて行うことが必要であり、コツになります。
助詞「は」「を」の違いと使い分けのさいごに
「は」と「を」の 違いと使い分け方を解説してきました。
助詞を正しく使うことで、日本語をスムーズに扱うことができます。
いつお子さんや外国人の方に質問されてもいいように、しっかり確認しておくことが必要ですね。