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言葉の違い

「貼る」「張る」の違いは?英語では意味が違う?建築現場でボードや障子、壁紙、シール、ポスターならどっちの「はる」を使う?

2015-03-30

貼る 張る 違い

「貼る」と「張る」。

この2つは、どちらも「はる」と読むことができる漢字です。

  • ポスターを”はる”
  • テープを紙に”はる”
  • クモが巣を”はる”

などなど、日常生活の場面でもよく使われる漢字ですよね。

しかしこの2つは、どちらも同じ読み方です。

違いを知らないと、いざ漢字で書く時にどちらを使えばいいのか、迷ってしまいます。

また、使い分けを知らないと、どっちを使えばいいのか迷うこともあるでしょう。

でも、今更こんなことを他の人に聞くのも少し恥ずかしいですよね・・・

そんなあなたのために、今回は「貼る」と「張る」の違いと使い分けについて解説していきます!

ちなみに「貼る」「張る」と同様、同じ読み方で迷ってしまいやすい言葉をまとめた、こちらの記事も参考にどうぞ。

「貼る」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説

「貼る」は常用漢字ではないので、単体では辞書には載っていません。

同じような意味を持つ「張る」のなかで、

「この意味なら使えますよ」程度で補足的に書かれています。

そこに書かれている「貼る」の意味が、

  • 糊などでくっつける
  • 板などを平らに並べて打ち付ける

になります。

例えば、貼るの意味1「糊などでくっつける」で例文

 「手帳に付箋を「はって」見やすくする」

という文章があるとします。

通常付箋には「糊や接着剤」がついているので、この場合の漢字は、

 「手帳に付箋を「貼って」見やすくする」

となります。

また、

 「部屋のクロスを「はりかえる」」

の場合も、クロスは壁に糊などで接着させるので、

 「部屋のクロスを貼り替える」

となります。

次に、貼るの意味2「板などを平らに並べて打ち付ける」で例文

羽目を「はる」

という文章があるとします。

こちらの例文は、意味2の「板などを平らに並べて打ちつける」パターンになります。

普段はあまり使われない使い方ですが、この場合も漢字は、

羽目を貼る

が正解となります。

英訳する場合も「糊で貼る」という意味を持った

  • 「paste」: to paste the wall with paper (壁に紙を貼る)
  • 「stick」 : stik a stamp on a letter (手紙に切手を貼る)

 などが使えます。

また「貼る」を別の言葉に言い換える場合は、

  • 「くっつける」
  • 「接着する」:物と物をすき間なくぴったりつける

といった言葉になります。

「張る」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説

「張る」には多くの意味があります。

一般的によく使われるものは、

  • 広がりのびる
  • 伸ばして広げる
  • 一面に覆う
  • いっぱいにする

といったものになり、使い方は

  • 「木が根を張る」 → 広がりのびる
  • 「テントを張る」 → 伸ばして広げる
  • 「池に氷が張る」 → 一面に覆う
  • 「浴槽に水を張る」 → いっぱいにする

のように使います。

「張」という字は

 ピンと伸ばす、大きくする、広げる

といった意味を持つので、用例としては、「テントや糸など「張力」のかかるもの」に対して使われることが多くなります。

また、建築において

  • 「タイルを張る」
  • 「フローリングを張る」

のように、「床一面に敷き詰める」ようなときにも「張る」が使われます。

このとき、英訳も

  • 広げて伸ばすという意味の 「spread」 spread its roots(根を張る)
  • 広げて張るという意味の 「put up」 put up a tent(テントを張る)
  • 一面に覆う、満たすという意味の 「fill」 fill a bath with water(風呂に水を張る)

といったものになります。

「張る」を別の言葉に言い換える場合も

  • 「根を張る」 → 「根を伸ばす」
  • 「テントを張る」 → 「テントを建てる」
  • 「池に氷が張る」 → 「池が氷で覆われる」
  • 「浴槽に水を張る」 → 「浴槽を水で満たす」

などのように、「張る」の意味によって表現が変わります。

「貼る」と「張る」の違いと使い分け方は?

「貼る」と「張る」の意味から考えると、

  • 「貼る」=糊などを付けて平らな面にくっつける(接着させる)こと
  • 「張る」=引っ張ったり広げたりすること

という違いになります。

簡単な使い分け方は

「貼る」「張る」の使い分け

  • 糊などを使って密着させる場合は「貼る」
  • それ以外の場合は 「張る」

になります。

注意しなければいけないのが、「貼る」は常用漢字ではないので、テレビやメディア業界では使われず、

 「張る」又は「はる」

で統一されています。

読み書きの世界では、基本的に「貼る」は使われていません。

ただし、建築業界では慣習的に「貼る」も「張る」も使われています。

ここでも基本的な使い方は

  • 接着剤ですき間なくつけるもの(壁紙、クロスなど)は「貼る」
  • 釘やビス、モルタルなどでつけるもの(タイル、フローリング、シートなど)は「張る」

になります。

ボード、障子、壁紙、シール、ポスターは「貼る」「張る」どっち?

貼るのか、張るのか、ちょっと迷ってしまいやすい言葉を集めてみました。

あなたは正しく答えられますか?

ボード → 基本的にビスなどで固定されるので「張る」

障子 → 糊を使いますが、単純に接着させるだけでなく、霧を吹いて乾かし、紙をぴんと張った状態に仕上げることから「張る」

(ただし、障子紙を障子に張るのではなく、別のものに接着する場合は、「貼る」を使う場合もあります)

壁紙 → 接着剤ですき間なくつけるので「貼る」

シール → 表面に絵や文字を印刷した糊付きの紙なので「貼る」

ポスター → 糊などを使って貼り付ける場合は「貼る」

ポスター → 鋲などでとめて掲示するような場合は、「張る」

となります。

「「貼る」と「張る」の違いについて」のさいごに

「貼る」「張る」の違いを解説してきました。

「張る」には多くの意味があり、使われ方も多岐に及びます。

逆に、「貼る」は比較的限定的な使われ方をしていますので、

「貼る」とは違うと思ったら「張る」

と覚えておけば分かりやすいかもしれません。

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