日本語ってむずかしいですよね。
敬語や尊敬語だけでなく、言葉自体の使い分けも考える必要があります。
例えば「差し支えない」「構わない」「差し障りない」「支障ない」「問題ない」の違いはご存じでしょうか?
ちゃんと使い分けできているでしょうか?
今回は、それぞれの使い分けと目上の方に対して失礼のない使い方について説明していきます。
「差し支えない」の意味と使い方の例文
「差し支えない」とは不都合や支障がない、という意味です。
「OKですよ」や「大丈夫ですよ」のように、何かを頼まれた時に肯定として使います。
目上の方に対して失礼には当たりません。
また、こちらから依頼をするときのクッション言葉として使うこともできます。
敬語にするときは「ありません」や「ございません」を付けて使いましょう。
書面やEメールを作る際にもよく利用されます。
例文
- 「集合は明日の8時で大丈夫ですか?」「差し支えございません」
- 「差し支えなければ、こちらにお名前をご記入お願いします」
このように、「OKです」や「大丈夫です」よりも丁寧な言い方にしたいときに使います。
また、クッション言葉としてこちらの依頼したいことを柔らかく伝えることができます。
「差し支えない」は、かなり万能な言葉なので、使い方を覚えておいて損はないでしょう。
「構わない」の意味と使い方の例文
「構わない」も意味としては「差し支えない」と同じように使うことができます。
ただ、目上に対しては失礼に当たる可能性があります。
というのも、「構わない」は「気にしない」や「どちらでもいい」などの許容する意味もあるためです。
上から目線の意味になってしまう可能性があるため、目上の人に対しては「差し支えございません」などの言葉に変えた方がいいでしょう。
例文
「ご都合のいい時間で構いませんので、お電話をお待ちしております」
「構わない」は、敬語として使うことはできるが、可能なら目上の人に対しては別の言い方に変えましょう。
「差し障りない」の意味と使い方の例文
「差し障りない」も「差し支えない」と同じように使えます。
「差し支えない」との違いは個人に対してではなく、企業などのより大規模な物に対して使われることが多いです。
例文
「差し障りなければ、後ほどご連絡差し上げてよろしいでしょうか」
「差し支えない」と同じ使い方だが、相手が企業などの場合はこちらが使われます。
「支障ない」の意味と使い方の例文
「支障ない」も「差し支えない」と同じように使えます。
「支障ない」は書き言葉として使われることが多いので、書面やEメールで使われます。
とはいえ、話し言葉としても使っても問題ありません。
目上に使っても失礼には当たりません。
例文
「その手順で支障ございません」
「支障ない」は「差し支えない」と同じように使えます。
書き言葉として使われる事が多い言葉です。
「問題ない」の意味と使い方の例文
「問題ない」は「支障ない」と同じように使えます。
使いやすい言葉なので、実際に使う事も多いのではないでしょうか。
目上に使っても失礼には当たりません。
ただ注意点として、
- 「問題ありませんでしょうか?」
- 「問題ございませんでしょうか?」
は二重敬語となるので気をつけましょう。
「問題ありませんか?」や「問題ございませんか?」が正しい使い方です。
例文
「このブースを使っても問題ございませんか?」
「問題ない」も「差し支えない」と同じように使えるが、二重敬語になりやすいので注意が必要です。
「差し支えない」「構わない」「差し障りない」「支障ない」「問題ない」の使い分けの方法は?
「構わない」以外は失礼には当たらないが、肯定としてもクッション言葉としても「差し支えない」は万能です。
書類やEメールのやり取りにも使えるので、まずはこれの使い方だけでも覚えましょう。
「差し支えない」は個人に対して、「差し障りない」は企業などより大規模なものに対して使います。
「構わない」を目上の方に対して使うのは避けましょう。
「支障ない」は書き言葉として使われることが多いです。
「問題ない」を使う時は二重敬語にならないように注意しましょう。
以上で解説を終わります。
あなたのビジネスのお役に立てたなら幸いです。