時間、日月数、期間を表す「ヶ月」。
他にも「カ月」「ヵ月」「箇月」等たくさんの表記があり、どれが正しいのか・どのように使い分ければいいのか、迷ってしまいますよね。。
結論としては、どれを使っても間違いではありません。
ただ慣習的に、公用文・公文書で使用する時と、普段私用の時とで使い分けされています。
ここでは、それぞれの違いや使い分け方を解説していきます。
公的な文章やビジネス文章などで恥をかかないよう、参考にしてみて下さい。
「ヶ月」「カ月」「ヵ月」「箇月」の違いは?
結論から言うと、どの表記も基本的に意味の違いはありません。
それぞれの使い方が明文化されているわけではないので、どれを使っても間違いではありません。
ただし、それでは表記上の混乱が生じるので、昔からの慣習に基づき使い方の違いを設けています。
役所が公用文・公文書を作成する場合は「箇月」・「か月」(ひらがなの「か」です)を使用します。
ちなみに
- 公用文とは、国や地方公共団体等の機関や公務員が、国民や住民向けに書く文書
- 公文書とは、国や地方公共団体等の機関や公務員が、職務上作成する文書
のことを言います。
- 漢数字の場合は「箇月」(一箇月・二箇月・三箇月・・・)
- 算用数字の場合は「か月」(一か月・二か月・三か月・・・)
と使い分けます。
ですので、履歴書やビジネス文書のような重要度が高いものには、この2つを使うのが無難と言えるでしょう。
また、教科書では「か月」、報道機関では「か月」もしくは「カ月」を使用しています。
それ以外の「ヶ月」や「ヵ月」等も間違いではありません。
普段のメールや手紙などの文書に使うのは問題ありません。
「ヶ月」「カ月」「ヵ月」「箇月」どれが正しい?それぞれの由来を知れば簡単です
前の章でも述べましたが、「ヶ月」「カ月」「ヵ月」「箇月」どれを使っても間違いではありません。
もともと中国から伝わった時、「いっかげつ」は「一箇月」と表記されていました。
「箇」の読みは「か」・「カ」になるので、「一か月」「一カ月」と書くようになったのです。
では「ヶ」をなぜ「か」と読ませるのでしょう。
一つは、画数の多い「箇」の字を簡略化し、竹冠の一つを取って符号的に使ったという説です。
またもう一つの説として、中国での「箇」の略体である「个」が「ヶ」に似ている所から来ているとも言われています。
いずれしろ、「ヶ」は片仮名ではなく、「箇」という漢字から来ているので「か」と読むということになります。
また、「ヶ」の字に似ているということで、大きい「ケ」の字も使われるようになり、小さい「ヶ」に合わせ小さい「ヵ」も使われるようになったと言われています。
「ヶ月」「カ月」「ヵ月」「箇月」の使い分ける際のポイントは?
それぞれ間違った表記ではないので、どれを使っても問題はありません。
あえて使い分けるポイントをあげるとすると次のようになります。
- 役所が出す公文書や公用文で使う場合、算用数字なら「か月」・漢数字なら「箇月」を使用する。
- 重要度の高いビジネス文書や履歴書等で使う場合も、公文書や公用文にならって、「か月」「箇月」を使用するのが無難。
メールや手紙など、私的なもので使用する場合は、どの様なものを使っても問題はありません。
ただし、同じ文章の中で数種類を混在させるのは避けた方がいいです。
どれを使っても間違いではないので、ついごちゃ混ぜに使ってしまうこと多いようです。
よみやすい表記がばらけないよう一貫として使うことが重要です。
まとめ
以上「かげつ」の表記の違いや使い分けを解説してきました。
今はパソコンやスマートフォンで検索してしまうので、そこまで意識して使い分けている人はごくわずかではないでしょうか。
ただ、手書きの書類がなくなったわけではないので、履歴書やビジネス文書では「箇月」「か月」を使用する、と言うことだけでも覚えておいた方がいいと思います。
ちなみに、同じように「が」や「ヶ」を使うものに地名はがあります。
この場合は地名は固有名詞になるので、違う表記では間違いになります。
いずれも、日本語ならではの複雑な表現なので、日ごろから注意しておくことも必要かもしれませんね。