「始める」を意味する単語に、「begin」と「start」があります。
どちらを使っても問題ない場合がほとんどですが、限られた場面ではそれぞれの単語を使い分けが必要になるときがあります。
ここでは、「begin」と「start」の違いについて、中学生にもわかりやすく解説していきます。
「begin」と「start」の違いは?例文で解説
「begin」も「start」も共に、「始める」という意味になりますが、微妙にニュアンスの違いがあります。
- 「begin」は、物事が始まった時間的なポイント、つまり活動の「始点」
- 「start」は、物事を始めてその後も活動が続く、「運動性」
に焦点が当てられている表現になります。
例えば、「春になって花が咲き始めました」という文章の場合、「花が咲くのが始まった」という、活動の始点に焦点が当てられているニュアンスになります。
ですので、この場合は、
「begin」の例文
「flowers began to bloom in the spring」
という表現になります。
一方、「その列車は東京に向けて走り始めました」という文章の場合、「今の場所から東京に向かって走り始めた」という、運動の連続性というニュアンスになります。
ですので、この場合は、
「start」の例文
「The train stared for Tokyo」
という表現になります。
また、
- 前段階があってから始まりの地点を迎える:「begin」
- 物事が急に始まる:「start」
という違いもあります。
「begin」と「start」の違い
- 先ほどの例文で言うと、「春になって花が咲き始めました」は、
- 春になり暖かくなって、植物から芽が出て蕾になり花が咲き始めた
- という、前段階があっての「始まり」というニュアンスなので、
- 「begin」
- 「その列車は東京に向けて走り始めました」は、
- 今まで止まっていた列車が動き始めた
- という、「静→動」というニュアンスの「始まり」なので、
- 「start」
と、このような違いになります。
「begin」と「start」の対義語は?使い分けを例文で解説
- 「begin」の対義語は、物事の「終わり」「終了」といった特定のポイントを表す意味の「end」
- 「start」の対義語は、動いている物・続いている物を「止める」「止まる」といった意味の「stop」
になります。
これは、英語で考えるよりも、日本語で考えた方が分かりやすいかもしれません。
以下に、具体的な説明をします。
先ほどの「花が咲き始めた」で言うと、
咲いた花 → 花が散る → 実がなる・種が出来る
という状況を表わすときは、「花が咲き終わる」という表現になり、「花が咲き止まる」にはなりません。
同じように、「列車が走り始めた」の場合は、
列車が走る → 移動する → 駅に到着する
を表す時は、「列車が駅で止まる」という表現になり、「列車が駅で終わる」にはなりません。
このように、対義語からも「start」には、運動の連続性というニュアンスが含まれ、「bigin」には運動性ではなく、物事のポイント
というニュアンスが含まれていることが分かります。
対義語から、「begin」と「start」の違いを考えてみるのも、わかりやすいかもしれませんね。
「begin」ではなく「start」でないといけない例はある?
「begin」ではなく「start」でないといけない状況には、
- 機械類を始動する場合
- 事業やビジネスを始める場合
があります。
機械類を始動する場合、ほとんどがボタンを押す等して起動させます。
その際、機械は、「それまで止まっていたものが急に始動する」ことになります。
つまり、「start」の持つ、物事が急に始まるというニュアンスと同じになるので、機械類を始動する場合は「start」を使います。
事業やビジネスを始める場合は、その後一定期間継続することを前提として始めます。
ですので、運動や活動の連続性というニュアンスの「start」が使われます。
他にも、イディオムとして、
- 「start line」
- 「start a fire(火をつける)」
などのように、決まった使い方をする場合があります。
逆に、「start」は、親しみやすいカジュアルな印象を与えるので、書面作成時やビジネスシーンで使うのは不適切になります。
さいごに
以上、「begin」と「start」の違いについて解説してきました。
どちらを使っても問題ないことが多いので、混乱することがあるかもしれませんね。
たくさん口に出して使うことで、シチュエーションに合わせた使い方が身についてくると思います。
どんどん使って、身に付けられるようにしてください。