『は』と『わ』の使い方がけっこう難しい!大人でも間違える人が多いんだって!
使い方や違いを外国人や子供に教えるのも、タイヘンです。
「は」と「わ」。
この2つの平仮名は、私たちがコミュニケーションを取る上で、どちらも日常生活には欠かせないものです。
しかしあなたも1度はこんな疑問を持ったことはないでしょうか。
その疑問とは…
『「は」は何故、発音する時「わ」になるのか』
というもの。
例に挙げると
- こんにちは
- 私は
- もしくは
などなど・・・
これらの言葉は全て、「は」という平仮名を使っているのに「わ」と発音します。
もう当たり前になっているこの習慣。
あらためて考えてみると、不思議ですね。
しかしなぜ、「は」を「わ」の発音で読むのか?
理由は、あまり詳しく知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は「は」と「わ」の意外と知られていない使い分けについて、詳しく解説していきます。
言葉の違いをまとめた記事はこちらです。
よろしければ、息抜きにどうぞ。
「は」と「わ」の使い分けは?
「は」は、
- 「私は~」
- 「これは~」
のように、前後の言葉を接続する時に使います。
英語でいうと「is」の役割ですね。
対して「わ」は、
- 「~したわ」
- 「疲れたから寝るわ」
のように、文章の最後に付け加えて、話し言葉のようにするのが役目です。
物凄く当た~り前な事を書いていますが、これも正しく日本語を使う為には大切な知識です。
次は少し分かりにくい応用編をご紹介します。
「は」と「わ」の使い分けが難しい応用編
「は」と「わ」の使い分けで、難しいものは2つあります。
その2つがこれ!
- 「こんにちは」「こんにちわ」どっち?
- 「食うわ飲むわ」「食うは飲むは」どっち?
1つずつ解説していきますね。
「こんにちは」と「こんにちわ」どっちが正しい?
日常生活の中でも特に使用頻度が高いこの挨拶。
両方ともよく見かけると思います。
あなたはどちらが正しいのか分かりますか?
迷ってしまいますよね。
この2つはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
「食うは飲むは」と「食うわ飲むわ」どっちが正しい?
「食う」と「飲む」をつなげて文章にする時、上のような表現をよくします。
この場合、言葉と言葉の間にあるため、一見「は」の表記が正しいと思いますよね。
ですがこの場合、正しいのは実は「わ」の表記の方なのです。
何故ならば、別々に分けても特に違和感がないからです。
「食うは飲むは」を2つに分けると、「食うは」と「飲むは」になります。
これではそれぞれおかしな日本語になってしまいますよね。
逆に「食うわ飲むわ」を2つに分けると、「食うわ」と「飲むわ」になります。
これは「食う」という動詞の最後に、終助詞の「わ」がついている為、違和感がありません。
なのでこの場合は、「わ」を使うのが正しいということなのです。
この場合は、非常に稀な例なので、しっかりと覚えておきましょう。
助詞の使い方については、次の章でお伝えしていますので、続けてご覧ください。
「は」と「わ」のそれぞれの役目とは?助詞って何?
「は」と「わ」の使い分けを知るために、まずは文章で使われれる時のそれぞれの役割について学んでいきましょう。
「は」と「わ」のそれぞれの役割はコレ!
- は→副助詞
- わ→終助詞
副助詞と終助詞。
どちらも中学校で習うものです。
あなたはどういったものか覚えていますか?
副助詞と終助詞がどういった役割なのかを、詳しくお伝えしますね。
副助詞とは?
- 助詞のうちの一つ。
- 助詞とは付属語のうち、活用のないもの。
- 助詞とは常に、自立語または自立語に付属語の付いたものに付属し、
その語句と他の語句との関係を示したり、陳述に一定の意味を加えたりする - 副助詞とは、さまざまな言葉に意味を付け加える働きがある
こちらの記事でも助詞の活用方法について詳しく解説しています。
終助詞とは?
- 助詞のうちの一つ。
- さまざまな言葉に付き、文の終わりにあって、その文を完結させる。
- 希望・禁止・詠嘆・感動・強意などの意味を添える助詞。
分かりやすく解説すると、
- は→言葉と言葉をつなぎ、意味を添える役割
- わ→文章の最後に置いて強調または軽い断定をさせる役割
になります。
ちなみに助詞である「は」と「が」の使い分けもわかりにくいですね。
よろしければ、こちらの記事も参考にしてみてください。
「は」と「わ」の発音と現代仮名遣い
そもそも何故、「は」を「わ」の発音で読むようになったのでしょうか?
この理由を知るためには、長い歴史を遡らなければなりません。
昔は
- 「川(かわ)」
- 「柔らか(やわらか)」
のように、「わ」と発音する言葉でも「は」を使っていました。
(「かは」「やはらか」のように。)
平安時代の読み物や百人一首などを見ると、そういった使い方がよく見受けられます。
百人一首であれば、謙徳公の
- 「あはれとも いふべき人は~」
の歌は、
「あわれ」と発音するのに「あはれ」と表記してあります。
この仮名遣いは、明治時代まで使われていました。
しかしこれでは不便だと感じるようになってきた為、戦後の昭和21年にある動きがあったのです。
その動きとは、「発音通りの仮名遣いをしよう!」というものでした。
つまり「わ」と発音するものは、文字で書く時も発音通り「わ」を使えという事なのです。
ただし助詞の場合は、「わ」の発音でも「は」を使うようにとルールを決めました。
こうして現代仮名遣いというものが生まれたのです。
つい最近までは川も、「かは」と表記してたなんて驚きですね。
『「は」と「わ」の違い』のさいごに
「は」と「わ」の違い、いかがでしたか。
基本的すぎて意外とこういった違いは、知る機会が無かったのではありませんか。
これであなたのモヤモヤがスッキリしたのなら、嬉しい限りです。