「検討」「見直し」「考察」という言葉。
似たような意味で使われるので、使い方が難しいですね。
また、同じ読み方をする言葉で、「検討」「見当」があります。
こちらもうっかり使い方を間違えてしまいがちです。
それぞれ、どんな意味や違いがあるのでしょう。
今回は、「検討」「見当」「見直し」「考察」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
ちなみに今回の「検討」「見当」のように、同じ読み方で使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「検討」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「検討」には、物事を色々な面からよく調べ、その良しあしを考えることといった意味があります。
単に調べるだけや、調べずに良しあしを考えるような場合には使いません。
例えば、
検討の例文1
「その件に関しては対応策を検討しています」
と言われた場合は、「その件に関してはよく調べて対応策が良いかどうか考えています」という意味になります。
また、
検討の例文2
- 「明日までに志望校をどこにするか検討してきます」
- 「社内でその提案について検討させていただきます」
このように、一人で調べてよく考えるような場合(例文2-1)でも、話し合いや会議において複数人で考える場合(例文2-2)でも用います。
「検討」を言い換える場合は、念入りに調べ選ぶといった意味の、
- 「吟味」
や、物の審議を十分検討したうえで判定するといった意味の
- 「見極め」
などになります。
「検討」を英語にする場合は、
- 調査、吟味といった意味の「examination」
- よく考える、熟考するといった意味の「consider」
などで表現できます。
また、カジュアルな表現として、
- 「think about」
もよく使われます。
「見当」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「見当」には、大体の予想をすること、大体の方向・方角といった意味があります。
例えば、
見当の例文
- 「犯人の見当はついているがまだ確証がない」
- 「地図をよく見ていなかったので、全く見当違いの場所に着いてしまった」
といった場合、
- 「おおよそ犯人の予想はついているがまだ確証がない」
- 「地図をよく見ていなかったので、全く予想していたところとは違う場所に着いてしまった」
のような意味になります。
見当を言い換える場合は、
- 目当て、目標、見込みといった意味の、「目星(をつける)」
- ある事柄をもとに推量することといった意味の、「推測」
などになります。
「見当」を英語にする場合は、
- 推量、推測といった意味の、「conjecture」
- ねらいをつける、当てつけるといった意味の、「aim」
などで表現できます。
「見直し」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「見直し」には、再度改めて見る(確認する)ことといった意味があります。
例えば、
見直しの例文
- 「答案を見直してから提出した」
- 「健康診断の結果生活習慣を見直すように言われた」
といった場合、
- 「答案を改めて確認してから提出した」
- 「健康診断の結果生活習慣を再度改めて見るように言われた」
のような意味になります。
一般的に、欠点の訂正や修正といった、変化することを前提に改めて確認するときに使います。
また、正しいかどうか改めて確認するような場合にも使えます。
「見直し」を言い換える場合は、
- 同じ問題や課題などをもう一度一度考え直すことといった意味の、「再考」
- もう一度考え直すことといった意味の、「再検討」
などになります。
「見直し」を英語にする場合は、
- 再調査する、再吟味するといった意味の、「review」
- 再考する、考え直すといった意味の、「reconsider」
などで表現できます。
「考察」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「考察」には、物事を明らかにするため、よく調べ考えることといった意味があります。
主観的な考え方でなく、正確で客観的なデータを基にした、論理的な考えになります。
例えば、
考察の例文
「この商品はなぜ売れ続けるのか考察しました」
といった場合、
- 「この商品はなぜ売れ続けるのか明らかにするために、よく調べ考えました」
のような意味になります。
ただし、考え出されたことが❝正しい❞のか❝間違っている❞かという意味は含まれません。
言い換える場合は、
- 物事を、様々な要素を含めよく考えることといった意味の、「考慮」
- あれこれ考え合わせることといった意味の、「勘案」
などになります。
「考察」を英語にする場合は、
- 研究、調査といった意味の、「study」
- 調査する、検査するといった意味の、「examine」
などで表現できます。
ちなみに、論文やレポートで使う「考察」の場合は、議論、審議といった意味の、「discussion」を使います。
「検討」「見当」「見直し」「考察」の違いと使い分け方は?
「検討」「見当」「見直し」「考察」それぞれの意味の違いは、以下の通りです。
「検討」「見当」「見直し」「考察」の違いまとめ
- 「検討」:物事を色々な面からよく調べ、その良しあしを考えること
- 「見当」:大体の予想をすること
- 「見直し」:再度改めて見る(確認する)こと
- 「考察」:物事を明らかにするため、よく調べ考えること
さらに、使い分け方は以下の通りです。
「検討」「見当」「見直し」「考察」の使い分け
- 良しあしの判断をするためにあれこれ調べ考える時 → 「検討」
- 良しあしの判断ではなく、物事を明らかにするためよく調べ考える時 → 「考察」
- 明らかでない物事について、おおよその予想をする時 → 「見当」
- 既に成立、完成している物に対し改めて確認する時 → 「見直し」
さいごに
以上、「検討」「見当」「見直し」「考察」の違いについて解説してきました。
どれも考えたり調べたりすることですが、使い方は大きく違いましたね。
意味をよく理解して、上手に使い分けて下さい。