「百日草とダリアって同じもの?」
「百日草」という花の名前を聞いたことはありますか?
「実家の仏壇にお供えしてあったかも?」
「お墓参りに行った時、そんな名前の花を買ったような……」と思われるかもしれませんね。
100日もの間咲き続けることを由来に持つ百日草は、昔からお墓参りや仏壇への供花として馴染み深いです。
最近は品種改良によって、様々な咲き方や色を持つ花として、「ジニア」という名前でも親しまれるようになりました。
中には花の王様とも呼ばれるダリアによく似た「ダリア咲き」をする百日草もあります。
今回は百日草(ジニア)についてのご紹介と、ダリアとの違いについてお話ししていきます。
「百日草」とは?見た目の特徴、種類、咲き方は?
百日草は「ひゃくにちそう」と読み、キク科の植物の一つです。
同じキク科の植物には、後程ご紹介するダリアの他にコスモスが含まれます。
原産地はメキシコで、日本には1860年代に伝わってきました。
百日草という名前は和名(日本で古くから用いられている名前)であり、100日もの長い間咲き続けることが由来とされます。
でも実際は、春に種を蒔いたら夏から秋まで花が鑑賞できるとされ、100日以上楽しむことが出来ます。
直射日光と高温を好み、乾燥にも強いです。
また切り花(花の咲き始めや蕾の状態で茎を切ったもの)にしても花持ちが良く、日本ではお墓参りや仏壇に供える花として全国に広まりました。
現在では品種改良が盛んに行われた結果、
- 赤一色、白一色といった単色の花
- グラデーションになっているもの
- 日の丸のように色が分かれているもの
- 花びらが何重にも重なって咲くもの
などなど、非常に多くの色や咲き方の品種が流通するようになりました。
公園の花壇や家庭のプランターなどでも大活躍する花として浸透しつつあります。
ちなみに、百日草の中でも、花びらが何重にも重なって咲く種類のものを「ダリア咲き」と呼びます。
「ジニア」とは?「百日草」とは同じもの?
「ジニア」とは「百日草」の学名から取った呼び名であり、百日草=ジニアです。
「ダリア」とは?見た目の特徴、種類、咲き方は?
ダリアは百日草と同じくキク科の植物です。
- 百日草はヒャクニチソウ属
- ダリアはダリア属
と、別の種類の花として分類されます。
日本では花の形が牡丹の花と似ていることから、「天竺牡丹(テンジクボタン)」(天竺=外国・舶来を示す言葉)の和名でも呼ばれています。
百日草と同じく、色や咲き方のバリエーションが豊富な花の一つですが、一番の特徴は花の大きさです。
百日草は大きいものでも直径12センチほどであるのに対して、ダリアは大きいものだと直径30センチになることもあります。
また、
- ボールやポンポンを連想させるような、真ん丸の形状の咲き方をするもの
- スイレンのように平たく大きな花びらを開くもの
- 花びらの先がねじれているもの
など、個性的な咲き方をする品種が多いのもダリアの特徴です。
中には10mほどにもなる木の先に花を付ける、「皇帝ダリア」と呼ばれる品種もあります。
「百日草」と「ダリア」の違いと見分け方は?
それぞれの花の特徴についてご紹介したところで、百日草とダリアの違いについて簡単にご説明します。
百日草もダリアも同じキク科の植物ではありますが、先ほどお話しした通り、
- 百日草はヒャクニチソウ属
- ダリアはダリア属
と、細かく見ると別の種類の花として分類されています。
また、
- 百日草は高温や直射日光、乾燥に強い
- ダリアは暑さに弱く、高冷地の方が色鮮やかで美しい花が咲く
という違いもあります。
他にも、
- 百日草は一年草(種子から成長し、花が咲いて新しい種子を作ったら枯れるもの)
- ダリアは多年草(一年で枯れることはなく、数年間は花を咲かせるもの)
という、植物としてのサイクルにも違いがあります。
さいごに
百日草とダリアには、明確な違いがありました。
百日草もダリアも色鮮やかで、見ているだけでも華やかな気持ちになれますね。
誰かにお花を贈る機会があったら、ぜひ百日草やダリアを贈ってみてはいかがでしょうか。