「帖と畳の違いってなに?どう使い分けるの?」
部屋を借りたり、家を購入しようとするときに、
- 「洋室6帖」
- 「和室8畳」
- 「売地101.91㎡」
- 「建坪20坪」
といった表記を見かけたことはありませんか。
どれも同じ「広さ」を表すのに、なぜ単位が違うのでしょうか。
今回は、「帖」「畳」「㎡」「平米」「坪」の違いや使い分け方を、わかりやすく解説していきます。
最後まで読んでいただければ、バッチリ使い分けられるようになりますよ。
それではどうぞ。
「帖」「畳」「㎡」「平米」「坪」の読み方や違いは?どんな場面で使う?使い分け方は?
「帖」「畳」「㎡」「平米」「坪」はそれぞれ、
- 帖 → じょう
- 畳 → じょう
- ㎡ → へいほうめーとる
- 平米 → へいべい
- 坪 → つぼ
と読みます。
ただし、「㎡」は
- 「へいべい」
とも読みます。
どれも広さを表す単位で、
- 不動産業界や建築業界
などで主に使われます。
あなたも部屋を借りたり、家を建てたりするとき、見かけませんか?
でもどんな場面でどの単位を使えば良いのかわかりにくいですよね。
ですので、それぞれの単位の意味や使い方を詳しく見ていきましょう。
帖とは?意味や使い方は?
「帖」とは、もともと「紙」や「海苔」「畳」など
- 「薄いものを数える単位」
として使われ、そこから派生して
- 「部屋の広さを表す単位」
となっています。
主に、「洋室の広さを表す」場合に多く使用されています。
しかし、明確な決まりや基準はありませんので、一般的には「和室」「洋室」どちらにもつかわれています。
畳とは?意味や使い方は?
「畳」は「帖」と同じく「じょう」と読みます。
「畳一枚の広さ」が「一畳」になりますので、
- 「四畳半」「六畳」
というと、
- 「畳四枚半」「畳六枚」
分の広さになります。
元々日本は和室が主流だったので、広さを表す単位も「畳」が使われていました。
現在では洋室が主流になっているので、「畳」は主に和室の部屋の単位で使われています。
㎡とは?意味や使い方は?
「㎡」とは
- 「計量法及び国際単位系における面積の単位で、1㎡は一辺の長さが1mの正方形の面積」
と定義されています。
つまり、
- 「現在面積を表す場合に使う基本的な単位」
ということになります。
部屋の広さとを表す単位としても使われますが、不動産・建築業界ではもっと大きい
- 「建築物や土地の面積」
を表す単位として使われることが多いです。
平米とは?意味や使い方は?
「平米」は「㎡」を漢字表記した「平方米」の略になるので、「㎡」と「平米」は同じ意味です。
ちなみに、「へいべい」をPCやスマホで変換すると「平米」だけでなく「㎡」にもなりますよ。
建築業界では習慣として「平米」を使うことが多いですが、厳密に言うと日本の計量法では「平米」の表記も「へいべい」「へーべー」の読みも認められていません。
坪とは?意味や使い方は?
「坪」とは
- 「日本古来の「尺貫法」による計量方法で使用する単位」
で、土地や建物の面積などを表す時に使います。
「㎡」との使い分けには特に決まりはありませんありませんが、慣例的に単価に割り戻す(金額を付ける)ときは、「坪」で考えます。
「坪単価」は聞いたことがありますが、「平米単価」とはあまり聞いたことがないですよね。
ただし、こちらも「平米」と同じように、現在の不動産の表示に関するルール上では使用できないことになっています。
しかし、日本人に馴染み深い単位でもあることから、業界の慣習として現在でも使用されています。
ちなみに、「つぼ」という読み方の由来としては、昔の日本の単位の決め方が関係していると言われています。
昔の長さの単位に「歩」(ぶ)というものがあります。
これはその字の通り、一歩の歩幅の長さが基準となっています。
昔は数を数えるのに「ひとつ、ふたつ、みっつ」と数えていました。
「歩」を数えるときに「ひとつほ、ふたつほ、みっつほ」と数えていたのが、「ひとつぼ、ふたつぼ、みっつぼ」と読まれるようになり、「坪」の字があてられたと言われています。
「帖」「畳」「㎡」「平米」「坪」の広さはどれくらい?地域で違うってホント?単位の変換方法も解説
現在の計測の基本単位は「m」になるので、「帖」「㎡」「平米」「坪」それぞれを「m」で換算してみます。
(「畳」に関しては、地域によって大きさが変わるので後でまとめます)
「帖」「㎡」「平米」「坪」の関係は?
まず、「㎡」です。
- 一辺の長さが1mの正方形の面積
が「1㎡」になります。
この数字が基準になります。
次に「帖」は
- 「1帖」 = 「1.62㎡」以上
になります。
これは、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」に明確に規定されています。
「平米」は「㎡」を漢字表記したものなので、「㎡」と同じく
- 一辺の長さが1mの正方形の面積
が「1平米」になります。
最後に「坪」です。
- 「1坪」 = 「1.8m(正確には1.818) × 1.8m = 約3.3㎡」
になります。
これは、昔の平均的な日本人の平均身長が150㎝で、両手を広げた長さも同じだったところから来ています。
この、150㎝四方の正方形に15㎝の余裕を持たせた広さを「1坪」としました。
つまり、「1坪」は、
- 人が両手を広げて丁度おさまるくらいの広さ
になります。
まとめると
坪 | ㎡ | 帖 |
1坪 | 3.31㎡ | 2.01帖(約2帖) |
2坪 | 6.61㎡ | 4.01帖(約4帖) |
3坪 | 9.92㎡ | 6.01帖(約6帖) |
4坪 | 13.22㎡ | 8.01帖(約8帖) |
このようになります。
ただ、この数字を全部覚えるのは大変なので
- 1帖 = 1.62㎡
- 1坪 = 3.3㎡
と覚えておけば、簡単に変換することが出来ますね。
1畳の広さは?地域によってサイズが違う?
「畳」に関しては、全国同じ大きさではなく、地域によってサイズが異なります。
大きく4種類に分けられ、大きい順に
- 京間
- 中京間
- 江戸間
- 団地間
があります。
それぞれの広さと用途を以下の表にまとめました。
1畳の地域による違い
呼び方 | 1畳の広さ | 用途(使われている地域) |
京間(きょうま) | 191.0㎝ × 95.5㎝ = 1.824㎡ | 主に西日本を中心に用いられる |
中京間(ちゅうきょうま) | 182.0㎝ × 91.0㎝ = 1.656㎡ | 中部地方、東北地方を中心に用いられる |
江戸間(えどま) | 176.0㎝ × 88.0㎝ = 1.548㎡ | 東日本を中心に用いられる |
団地間(だんちま) | 160.0㎝ × 80.0㎝ = 1.445㎡ | 団地や公団などの集合住宅で用いられる |
地域による違いの背景の一つには、建築方法の違いがあると言われています。
京都を中心とする現在の近畿地方では、畳のサイズに合わせて柱を設置し部屋を作る「畳割り(たたみわり)」という設計法が一般的でした。
江戸時代になると、柱と柱の間の長さに、畳のサイズを合わせる「柱割り(はしらわり)」という方法が採用されるようになりました。
これにより、江戸間は「柱の太さの分だけサイズが小さい畳」になったと言われています。
なぜ部屋の広さは「畳何枚分」で計算するようになったの?由来は?
一般的には、
「和室が中心の暮らしだったため、畳の大きさで部屋の広さを測ってきたので、「畳」が使われてきた」
と言われています。
ただし、昔の単位の元である「尺貫法」は、人の体のサイズや生活の中から大きさや重さを決めていました。
例えば、
- 一寸 → 親指の幅の長さ
- 一尺 → 親指と人差し指を広げた長さ
- 一合 → 人が(大人も赤ちゃんも合わせた平均)一日に食べる米の量
などがそうです。
元々畳のサイズも
- 当時の成人が横になれるサイズが「一畳」
- 大の字になって寝られるのが「二畳」
と、人が生活をするために必要なサイズになっています。
ちなみに、
- 1坪(約2畳) → 人一人が一日に食べる量の米がとれる面積
- 1反(約360坪)→ 人一人が一年間で食べる米の出来る面積
- 1石 → 人一人が一年間で食べるお米の量
(領土が百万石とは、百万人の人が一年間食べる米を作れるという意味になります)
と言われています。
このように、畳(たたみ)のサイズは、人が生活をする為に必要なサイズを基にしていることから、部屋の広さを「表す単位を「畳(じょう)」としたのではないでしょうか。
「「帖」「畳」「㎡」「平米」「坪」の 違いや使い分け方」のさいごに
「帖」「畳」「㎡」「平米」「坪」の 違いや使い分け方について解説してきました。
単位だけでなく、扱う会社によっては、面積の表し方も少し違う場合もあるそうです。
それぞれの目安や使い方を知ることで、快適に暮らせる物件を見つけて下さい。