その場の空気や状況を察して動くスキルというのは、社会人になると自然と要求されることが増えてきますよね。
しかし、あなたがどんなに意識して気を付けていても、
- 「なんとなく自分や誰かの行動が周りの空気と噛み合っていないな」
- 「今日は色々とトラブルが起きて物事が上手く進まないな」
と感じたりしたことはありませんか?
- 「今の部長は随分不機嫌だから、報告書を出すには間が悪いかもしれない」
- 「新人研修中だが、間が悪いトラブルがあって中断する羽目になった」
なんて経験、仕事をしていると時々訪れますよね。
このように、何かをするのと、他の物事が起きるタイミングが噛み合わないことを「間が悪い」と言います。
この「間が悪い」という言葉、意味をしっかり理解しておくと、うまく使えるようになりますよ。
そこで今回は「間が悪い」という言葉の意味や言い換えについて、例文も交えてご紹介致します。
「言葉の意味」の参考記事はこちら
「間が悪い」の意味と使い方の例
「間が悪い」とは「まがわるい」と読みます。
「きまりが悪い、ばつが悪い、運が悪い」などと言った意味があります。
この時の「間(ま)」とは
- ちょうど良い頃合い、機会
- ちょうど良いその場の様子、具合
を意味しています。
また、演劇や漫才などの芸能において、セリフや動作などの間に挟まれる間隔のことも同じく「間」と呼ばれます。
こちらは、物語や演出のリズムやテンポを指す言葉として使われます。
転じて、
- その場の状況に合っていない行動・言動を取ること
- その場の空気を崩すような行動・言動をしてしまうこと
- それを見られたり聞かれたりしたことで面目が立たないような恥ずかしい思いをすること
これらを「間が悪い」と表します。
以上を踏まえた上で、例文をいくつか見てみましょう。
間が悪いの例文
- 仕事の愚痴を話していたら、たまたま上司に聞かれてしまって間が悪い思いをした。
- 決まりが悪い、気まずい、面目が立たない
- 出張当日に大雪が降るとは間が悪い。
- 運が悪い
- 大事な会議だから、間が悪い行動をしないよう気をつけよう。
- その場の状況や空気に合っていないような行動・言動
ご覧の通り、前後の文脈によって、それぞれ意味が変わってきますので、注意が必要ですね。
また、「間が悪い」は英語で「awkward(気まずい)」や「unfortunate(不運な、残念なことに)」などを用いて表します。
こちらも例文を見てみましょう。
間が悪いの例文(英語)
- an awkward silence
- 間が悪い(気まずい)沈黙
- I felt very awkward at that time.
- 私はその時、とても間が悪い(気まずい)心地だった。
- It was unfortunate that he lost his passport.
- 間が悪い(不運な)ことに彼はパスポートを無くしてしまった。
どれも「間が悪い」と訳すよりは「気まずい」や「不運なことに、残念なことに」と訳した方が意味が分かりやすいかもしれません。
あくまで参考として覚えていただければと思います。
「間が悪い」と「運が悪い」「タイミングが悪い」との違いは?使い分け方は?
「間が悪い」と似たような意味の言い回しで、「運が悪い」や「タイミングが悪い」などが挙げられます。
これらの言葉の意味の違いについて、例も交えてご説明致します。
「運が悪い(うんがわるい)」とは、文字通り運が悪いこと。
「運」は人間の意志や努力では、どうすることも出来ないような巡り合わせのことを指します。
それが悪い方向へ流れてしまった場合に「運が悪い」を使います。
例えば、出張の日に悪天候などで電車や新幹線が運休になったり、急いでいる時に渋滞に巻き込まれてしまったりするのは「運が悪い」と言います。
「タイミングが悪い」とは物事を行うのに、ちょうど良い時期や機会を逃してしまうことを指します。
例えば、
- 少しコンビニに出かけたら、その間に宅配便が来てしまって、受け取れずに再配達になってしまった
- 仕事中、お手洗いやお茶を飲むために席を立った瞬間、自分宛の電話が来てしまった
- 新人への研修や指導中に、自分宛の来客があった
これらの状況は「タイミングが悪い」と言えます。
- ある物事が起きたことによって、自身の行動に悪影響が出る場合は「運が悪い」
- 自身が能動的に起こした行動と他の要素・物事が上手く噛み合わなかった時は「タイミングが悪い」
と考えると、違いが分かりやすいかと思います。
「間が悪い」は上記のどちらの意味も含まれます。
その上で自分の感情が気まずくなったり面目が立たないと感じたりする時に、「間が悪い」と使われることが多いです。
さらに、その場の空気や状況(=間)と噛み合わない行動・言動をうっかりしてしまうことも「間が悪い」と言うので、ぜひ覚えておいてくださいね。
さいごに
その場の空気や状況を察して動くのは大事なことです。
しかし、どうしても自分一人では上手くいかないこともあります。
せめて「あいつは間が悪い奴だ」なんて言われないよう、周りの状況に常に目を配れるようになりたいですね。