「ついていく」という言葉は、日常的によく使われますよね。
ただし、この「ついていく」を漢字表記をする場合、
- 「着いていく」
- 「付いていく」
で迷うのではないでしょうか?
今回は、「ついていく」の漢字表現について、わかりやすく解説していきます。
「ついていく」漢字ではどう書く?ひらがな表記が正しいの?
「ついていく」の漢字表記は、「付いて行く」です。
「ついていく」という言葉は、先に行くものから離れないようにする、行動を共にするといった意味になります。
ですので、この場合は、くっつく、別々のものが一緒になる、後から加わるといった意味を持つ、「付く」を使った、「付いて行く」が正解になります。
付いて行くの例文
- 「授業に付いて行くだけで精いっぱいだ」
- 「彼女はお兄さんが行くところにはどこでも付いて行く」
このように使います。
それぞれ
- 「授業に後れを取らないようにするだけで精いっぱいだ」
- 「彼女はお兄さんの行くところはどこでも一緒に行く」
といった意味になります。
漢字表記でも、ひらがな表記でも間違いではありませんが、「ついて行く」と言う表記が一般的になります。
「着いていく」と「付いていく」の違いと使い分けは?
「付いていく」の「付く」は、あるものに近づいて接することを表します。
一方、「着いていく」の「着く」は、目的地などに到達することを表しています。
つまり、「付いていく」と「着いていく」は、後のものが近づいていくか、すでに届いているかの違いになります。
ですので、「付いていく」という表記の場合は、
- 先行している人などに追い付こうとしているようなとき→ 「前の人のペースに付いていく」
- 他の人と一緒に行動しようとしているとき→ 「母親の買い物に付いていく」
- 命令や指導に従って行動しようとしているとき→ 「課長の方針に付いて行きます」
このようなときに用います。
なお、「ついていく」は、「後に続いていく」というニュアンスになるので、すでに「届いている」「到着している」といったニュアンスの「着いていく」という表現は、基本的に使いません。
「ついていく」の敬語は?
「ついていく(付いていく)」の敬語表現には、「お伴いたします」があります。
「お伴いたします」は、相手と一緒に行くことを敬語表現したもので、相手が主で自分が付き従うというニュアンスがあります。
また、同じような意味で、「ご一緒させていただきます」があります。
「ご一緒」は、相手の方と行動を共にするということを丁寧に表現したものになります。
それに「させていただく」という謙譲語を伴うことで、目上の方に同行することを表します。
「ついていく」の類語や言い換え、英語表現は?
「ついていく(付いていく)」の類語や言い換えは、「先に出発した友達に付いていかないといけない」のように、後から追うような場合は、
- 追いかける
- 追いつく
などになります。
また、「彼の職場に付いていく」のように、一緒に行くといった場合は、
- 連れ立つ
- 同行する
といった表現になります。
それぞれ文脈によって類語に置き換えてみれば、どっちのニュアンスの「ついていく」なのかが、わかりやすいですよ。
次に、「ついていく」を英語にする場合です。
「続く」「従う」「後を継ぐ」といった意味の、「follow」になります。
- 「She follows her brother wherever he goes」(彼女はお兄さんの行くところはどこでもついていく)
このように使います。
また、「~に遅れない」「負けないでついていく」といった意味の、「keep up with」も「ついていく」の英訳になります。
- 「I have trouble keeping up with the teacher」(先生の話についていくのが精一杯です)
このように使います。
さいごに
以上、「ついていく」の漢字表現について解説してきました。
日常生活でよく使われる表現であると同時に、状況によって異なった意味で使われる言葉になります。
ニュアンスをよく理解して、適切に使い分けて下さいね。