「将又」
この漢字は何と読むと思いますか?
「はたまた」はちょっと古めかしく聞こえますが、時代劇や小説・舞台などでよく使われているので、あなたも耳にしたことのあるのでは?
「それとも」「もしくは」と意味が一緒なのかどうか、わかりにくいですよね。
そこで今回は、「はたまた」の意味・由来・使い方を、わかりやすく解説していきます。
正しい使い方を習得して、日常生活でも活用してみて下さい。
「はたまた」の漢字や意味、使い方の例文
「将又」、これで「はたまた」と読みます。
通常、文字にするときは、平仮名表記にする事がほとんどなので、あまり見かけない字ですよね。
「はたまた」は、文章の間に置かれる接続詞で、「それともまた」「あるいはまた」といった意味があり、主に疑問的な二つの内容を強めて表現するときに使います。
日常的な会話ではあまり使われませんが、小説や舞台のセリフなどではよく使われているので、あなたも聞いたことがあるかもしれませんね。
例文
- 正しい道は右の道か、はたまた左の道か。
- 今の会社に残るべきか、はたまた別の会社に転職するべきかとても悩んでいます。
このように、違った選択肢を提示するようなときに使用します。
この場合は、選択肢が複数あっても基本的な答えは一つ、という状況の時に使われます。
他にも
例文
- 彼女が髪を切ったのは、元々そうしたかったのか、はたまた失恋したからなのか。
- 娘が化粧を始めたのは、興味が出てきたからなのか、はたまた気になる人が出来たからなのか。
このように、答えを選択するのではなく、前の内容に後の内容を付け加えるような使い方もあります。
この場合は、前後の文脈から判断するようになります。
それ以外にも
例文
- 私たちが森で目撃したのは、たぬきかきつねか、はたまた熊だったのか。
- ダイエットの方法を、運動にするか食事制限にするか、はたまたそのどちらともにする かで悩んでいます。
このように、三つ以上の選択肢がある場合には、最後の選択肢を強調する様に使用したりもします。
「はたまた」の由来は?
先ほど述べた様に、「はたまた」は「将又」と表記します。
「将」には
- 他の事と関連付けながら、羅列して述べる
といった、副詞としての働きがあります。
これは言い換えると、「もしくは」「あるいは」「または」などと同じような意味になります。
「又」は、物をかばう右手を表した物が原形で、外からわをかけたようにかばうという意味を持っています。
それが転じて、「わをかけて」「さらにその上に」「あるいは」「もしくは」といった副詞の意味を持ちます。
同じような意味の漢字を重ねることで、前後に置かれた内容を強調していると言えます。
つまり「将又」は「もしくは」「あるいは」などを強調した表現になります。
「はたまた」と「それとも」「もしくは」との違いは?
「それとも」も「もしくは」も、ある事柄に対し別の事柄を述べて選択させるという意味では「はたまた」と大きな違いはなく、同じような使い方をします。
あえて違いを挙げるのならば、「はたまた」を使った場合は「それとも」「もしくは」よりも強調した表現になります。
例えば同じ内容の文章を並べると、
例文
- 「彼女は本当に犯人なのか、はたまた別に真犯人がいるのか」
- 「彼女は本当に犯人なのか、それとも別に真犯人がいるのか」
- 「彼女は本当に犯人なのか、もしくは別に真犯人がいるのか」
このような文章の場合、「はたまた」を使った文章の方が興味をひく文章になります。
「それとも」「もしくは」の使い方について。
「それとも」の場合は、
- 「今日のお昼はうどんにしますか、それともおそばにしますか」
のように、ある事柄に対し、別の事柄を述べて選択させる、接続詞として使用します。
自分が何かを推測・提案等して質問するときに使うので、疑問文のみで使われます。
「もしくは」の場合は
- 「今日のお昼はうどんにしますか、もしくはおそばにしますか」
のように、「それとも」と同じく接続詞として、どちらかを選択させるような疑問文として使う場合と、
- 「明日もしくは明後日には訪問する予定です」
のように、「ひょっとしたら」「もしかしたら」といった、副詞として使う場合があります。
さいごに
「はたまた」が漢字で「将又」と書くのはちょっと意外でした。
会話でも文章でもほとんど使わないのに、何となく意味を理解できていた不思議な言葉でしたね。
ちなみに、「将亦」と書いて「はたまた」と読む苗字の人もいるそうです。
主に滋賀県や富山県の方で、全国で約30人だそうです。
こちらは「旗本」から来ているそうで、戦国時代の武将浅井長政の旗本の末裔が、類似音から称したと伝えられているそうです。