「肩の荷が下りる」という言葉があります。
大事な役目やプレッシャーから解放されたときなどのシチュエーションで、この慣用句を使います。
でもなぜ「肩」なのでしょう?
今回は「肩の荷が下りる」の意味や成り立ちを、小学生でも分かるように、例文を使って解説していきます。
「肩の荷が下りる」の意味や由来は?間違い例と正しい例は?
「肩の荷が下りる」は
責任や負担から解放されて楽になる
と言う意味があります。
- 「1年かけたプロジェクトが成功して肩の荷が下りた」
- 「オリンピックで金メダルを取れて肩に荷が下りました」
- 「引退をした選手は肩の荷が下りたように晴れ晴れとした表情をしていた」
のように使い、
- ストレスから解放された
- 責任を終えてホッとした
といった、心が軽くなったような心情を言い表すときに使います。
分かりやすい例えで言うと、
- 「今日で2学期も終わりだ!やっと学級委員の役目も終わる!」
- 「チャンスに打順が回ってきて緊張したけど、ヒットが打てて良かった」
と言ったときの心情を表すのが「肩の荷が下りる」になります。
このように身近な状況に例えると、子どもでも理解しやすいかもしれませんね。
「肩の荷が下りる」の語源や由来は?
では、「肩の荷が下りる」の語源は何でしょう。
一般的には
重い荷物を肩に担いでいた人が、目的地について荷物を下ろすと身軽になって楽になる状態
から来ていると言われています。
重い荷物が転じて負担や責任になったのは分かりますが、何故「肩」なのでしょうか。
荷物を持つのなら、「腕」でも「背中」でもいいのではないでしょうか。
実は慣用句で使う場合「肩」には、「肩が軽くなる」「肩にかかる」と同じように、「背負った責任」と言う意味が含まれます。
そのため「肩の荷が下りる」は、「責任や負担から解放されて楽になる」と言う意味で使われるようになったと言えます。
「肩の荷が下りる」の類語、言い回し、対義語は?英語では何ていう?
「肩の荷が下りる」には類義語もいくつかあります。
同じ「肩」を使うものとしては、先ほども挙げました
- 「肩が軽くなる」
があります。
- 重たい責任や負担がなくなって気が楽になる
という、「肩の荷が下りる」と同じ意味を持ちます。
これは、肩こりがとれて楽になると言う意味から来ています。
他には
「胸をなでおろす」
も似た言葉と言えます。
この場合、責任や負担に対してではなく、心配事が解決した時に使います。
また、「胸をなでおろす」と同じような意味を持つ
「愁眉を開く」
→ 心配がなくなって、ホッとした顔つきになる
も同様に似た言葉と言えます。
逆に、「肩の荷が下りる」の対義語には何があるでしょう。
責任や負担が増すと言う意味では
「荷が重い」
があります。
「荷が重いは」本人の力量に比べ、責任や負担が大きすぎる場合に使う表現です。
他にも
「思案に暮れる」
と言う言葉があります。
→ 迷って考えがまとまらない
と言う意味があり、この場合は責任や負担が無くならないといった状態を表します。
それでは「肩の荷が下りる」を英訳するとどの様な表現になるのでしょうか。
「積み荷」は英語で「load」になりますが、精神的な「負担」という意味もあります。
また、「load off」で「負担の軽減」という意味になるので、直訳すると
「a load off my shoulders」
と言う表現になります。
これでも意味は通じますが、英語では「心」「精神」の荷が下りるという表現を使って
「a load off my mind」
と言う表現になります。
「肩の荷が下りる」と「肩の荷が降りる」の違いは?
「肩の荷が下りる」を「肩の荷が降りる」と表記するのは正しいのでしょうか。
「下りる」は基本的に
自分の意志で上から下へ移動する
時に使います。
- 幕が下りる
- 階段を駆け下りる
のように使い、対義語は「上がる」になります。
一方、「降りる」は基本的に
乗っていたものから降りる。離れる。外れる。
といったときに使います。
- 車から降りる
- 役職を降りる
のように使い、対義語は「乗る」「昇る」となります。
つまり、「肩の荷が下りる」の場合、背負っていた負担を下におろすという意味なので、この場合は「下ろす」という表現になり、意味合い的に「降ろす」は使いません。
「肩の荷が下りるについて」のさいごに
以上、「肩の荷が下りる」の意味を解説してきました。
「肩の荷が下りる」は比較的使いやすく、色々なシーンで使えるので、意味をよく理解して上手に使ってくださいね。