「かんしょう」と読む単語は、たくさんありますね。
中でも迷いやすいのが、
- 「映画をかんしょうする」
- 「自然な風景をかんしょうする」
といった場合ではないでしょうか。
漢字を使い分ける上で、コツを覚えておくと、便利ですよ。
そこで今回は、「かんしょう」の漢字の使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
「かんしょう」を漢字で書くと?どんな種類がある?
「かんしょう」と読む単語(地名や専門用語などを除く)には、ざっと挙げるだけでも、以下のようなものがあります。
「かんしょう」と読む言葉
「干渉」「姦商」「完勝」「官省」「冠省」「竿檣」「喚鐘」「勧奨」「勧賞」「寛正」
「感傷」「感賞」「管掌」「関渉」「歓笑」「緩衝」「環礁」「簡捷」「観象」「観照」
「観賞」「鑑賞」「癇症」「甘蕉」
非常にたくさんありますね。
ただし、この中で、「姦商」「竿檣」「簡捷」「癇症」「甘蕉」には、常用外漢字が使われています。
ですので一般的にはあまり使われていません。
それ以外の単語には、常用漢字が使われているので、どれも公的文章・新聞・雑誌などで使用されています。
ですので、一般的によく使われたり見かける「かんしょう」の漢字は、「姦商」「竿檣」「簡捷」「癇症」「甘蕉」以外の漢字と言えます。
「かんしょう」の漢字!使い分けは難しい?コツや覚え方を例文で解説!
「かんしょう」という言葉は、使う漢字によって意味が大きく異なります。
例えば、
「かんしょう」の例文1
「彼は私のプライベートにかんしょうしすぎだ」
という文章の場合。
この場合は、「彼は私のプライベートに関わって、自分の意思に従わせようとし過ぎだ」といった意味の文章になります。
ですので、
- 「感(感じる)傷(傷つく)」
- 「完(やりとげる)勝(相手を打ち負かす)」
といった意味の「かんしょう」ではなく、「関わる、関係する」といった意味の
- 「干」
- 「渉」
の字を使った、「彼は私のプライベートに干渉しすぎだ」になります。
また、
「かんしょう」の例文2
「梅の花をかんしょうする」
このように、「梅の花をめでて楽しむ」といった意味の「かんしょう」の場合は、
- 「緩(ゆるめる)衝(ぶつかる)」
- 「歓(よろこぶ)笑(わらう)」
といった意味の「かんしょう」ではなく、「外見、めでる、楽しむ」といった意味の
- 「観」
- 「賞」
の字を使った、「梅の花を観賞する」になります。
このように、「かんしょう」の漢字の使い分け方は、伝える意味に合った漢字になっているか?ということがポイントになります。
「鑑賞」「観賞」「観照」「感賞」「勧賞」の意味や違いは?
「かんしょう」と読む漢字の中でも、特に使い分けが難しいとされているのが、
- 「鑑賞」
- 「観賞」
- 「観照」
- 「感賞」
- 「勧賞」
です。
それぞれの意味や違いを詳しく解説していきます。
「鑑賞」の意味や使い方
「鑑賞」は、美術や芸術に触れ合うなどすることで、その作品を味わい理解することという意味になります。
「鑑」という字は「かがみ」のことで、
- 物の姿をくっきり表現する → 真実を表す
と訳されます。
そのため、ただ見るだけでなく
- 細部まで観察する
- 本質を見抜いていく
という意味で使われることから、芸術的なことに触れる際で用いられます。
「観賞」の意味や使い方
「観賞」とは、美しいものを目で見て心を楽しませるという意味になります。
「観」という字は、目に映った様子や印象といった意味合いがあります。
したがって「観賞」は、動植物や風景や草花など自然のまま目に入って来た美しいものを見て楽しむ際に用いられます。
「観照」の意味や使い方
「観照」は、物事を客観的な視点で見極め冷静に見つめることという意味になります。
「鑑賞」と同じように、本質を明らかにしていくという意味で使われます。
しかし、細部まで観察するのではなく、直感的な美を感じる場面などで用いられます。
「感賞」の意味や使い方
「感賞」とは、感心してほめたたえることという意味になります。
「感」という字は、何かに接して心が大きく揺れ動かされるという意味があります。
よって「鑑賞」や「観賞」のように、見て楽しむのではなく、心の琴線に触れるといった時に用いられます。
「勧賞」の意味や使い方
「勧賞」とは、褒美などを与えほめて励ますという意味になります。
「勧」という字は「観」と似ていますが、「見る」という意味はなく、励ます、力づけるという意味になります。
「鑑賞」「観賞」「観照」「感賞」「勧賞」の違いは?
それぞれの意味や使い方がわかったところで、違いを見ていきましょう。
「鑑賞」「観賞」「観照」「感賞」「勧賞」の違いは、以下の通りです。
「鑑賞」「観賞」「観照」「感賞」「勧賞」の違い
- 「鑑賞」:芸術的な作品を見て考える時に使う
- 「観賞」:自然なものを見て楽しむときに使う
- 「観照」:直感的な美を感じたときに使う
- 「感賞」:心の琴線に触れたようなときに使う
- 「勧賞」:褒美などを与えて励ますときに使う
このようになります。
さいごに
以上、「かんしょう」の漢字の使い分けについて解説してきました。
微妙な違いのものもあれば、根本的に意味の違いがある物もありましたね。
それぞれの漢字の意味の違いを理解して、上手に使い分けて下さい。