ボディメカニクスって考え方はわかるけど、実際に行うって難しいですよね。
最近、ボディメカニクスとは違った考え方である、キネステティクという考え方も出てきているので、困惑していませんか?
分かります。
私もはじめは、キネステティクという考え方に動揺させられました。
でも大丈夫です!
あなたもこれからお話しすることを聞いていただければ、ボディメカニクスとキネステティクの違いについて理解できます。
その上で、あなたの身体を守る介助方法を把握し、質の高い介護技術を学ぶことができるでしょう。
それでは、ボディメカニクスとキネステティクについてお話ししていきますね。
ボディメカニクスが古いと言われる理由は?
ボディメカニクスが古いといわれる理由、それは考え方にあるのです。
なぜならボディメカニクスって、動かす対象を「モノ」として扱うような考え方をするからです。
ボディメカニクスの考え方って、動かす対象の人を小さくまとめる、てこの原理を使い動かすといった考え方をしたりしますよね。
まるで「モノ」を扱うような考え方をします。
介護は本来、人が人を介助するという考え方をします。
だから、実際に「モノ」として扱うわけではないのですが、古い考えとされるのです。
キネステティクとは?意味や概念を簡単に解説
それでは、キネステティクについて、
- キネステティクの意味
- キネステティクの概念
についてお話しします。
キネステティクの意味
もともとはアメリカ人によって開発された、コミュニケーションの概念です。
それがのちのち、「介護される方の自然な動き」に着目した、体位変換の考え方として応用されるようになりました。
キネステティクの概念
キネステティクには、
- インタラクション
- 機能からみた解剖
- 人の動き
- 力
- 人の機能
- 環境
の6つの概念があります。
この6つの概念を一つのツールとして活用し、対象の活動や動きを分析します。
その上で、相手が持っている動きの資源を発見することで、人としての自然な動きを引き出すことを目的とします。
ボディメカニクスとキネステティクの違いは?
ボディメカニクスとキネステティクの違いは以下の通りです。
- 力学的なモノとして扱う様に介助するか、生きている人間らしい動きとして介助するか
- 基礎的範囲と応用
それぞれについて説明しますね。
力学的なモノとして扱う様に介助するか、生きている人間らしい動きとして介助するか
ボディメカニクスは、対象をモノのように扱います。
小さくまとめたり、てこの原理を利用することで、小さな力で大きな動きをすることができます。
その為に、あまりボディメカニクスに頼りすぎると、介助される方の動きを阻害することがあります。
一方、キネステティクは対象の動きを導き引き出し、支援することを目的とします。
介助者と介助される側の双方の力で介助が成り立つのです。
そのため、相手の方が寝たきりなど動けない場合は、真価が発揮できない恐れがあることには注意しましょう。
基礎的範囲と応用
ボディメカニクスは介助する際に必要な基礎となります。
キネステティクを実行する際には、ボディメカニクスの理論を応用して、初めて成せることです。
相手の動きを把握して動かすにも、まずは自分がどのように動けば負担が少ないかを知らなければいけません。
そのためには、ボディメカニクスの原理をしっかり理解しておく必要があるのです。
さいごに
いかがでしたか。
「ボディメカニクスは古い」そういう風にも言われますが、今までずっと使われていた考え方でもあるのです。
キネステティクとボディメカニクスのどちらが優れているとは一概には言えません。
介助する際にはどちらも必要不可欠です。
より良い介助を行うためには、どちらの知識も持っておきましょう。
そして、必要に応じて使い分けることこそが、介護士に必要なスキルでもあるのです。
正しい方法を覚え、あなたにとっても要介助者の方にとっても体に優しい介護を行ってくださいね。