物事が絶え間なく続くことを、「のべつ幕なし」と表現します。
「幕」という言葉がついているので、舞台などが関係していると思われますね。
ではなぜ、絶え間なく続くことと結びつくのでしょう?
今回は、「のべつ幕なし」の意味や由来などを、わかりやすく解説していきます。
ちなみに今回の「のべつ幕なし」「ひっきりなし」のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「のべつ幕なし」の意味や由来は?例文で解説
「のべつ幕なし」は、
- 絶え間なく続く様を意味する、「のべつ」
- 幕引きせず演じ続けることから転じて、絶え間のない事を意味する、「幕無し」
という同義語を重ねて強調した言葉です。
少しも休まず、絶え間なく続く様子を意味します。
また、劇や舞台などの幕が閉まらず、ずっと芝居を続けることが由来となり、
のべつ幕なしの例文
- 「のべつ幕なしに食べていたら、20㎏も太ってしまった」
- 「彼はのべつ幕無しに働いていたので、体を壊してしまった」
と、このように使います。
基本的に、「のべつ幕なしに~したら~してしまった(なってしまった)」のように、好ましくないことが続いてしまう時によく使われます。
ですので、上記の例文は、
- 「ずっと食べ続けていたので太ってしまった」
- 「休まず働き続けたので体を壊してしまった」
という意味になります。
「のべつ幕なし」英語ではなんて言う?
「のべつ幕なし」の英語表現は多数あります。
単語では、
- 「絶えず」「いつも」といった意味の、「constantly」
- 「継続的に」「頻繁に」といった意味の、「continually」
- 「ひっきりなしに」といった意味の、「incessantly」
などになります。
また、熟語では、
- 「~なしに」といった表現として、「休憩なしに」といった意味の、「without intermission」
- 「絶え間なしに」といった意味の、「without break」
- 「止まることなしに」といった意味の、「without stopping」
などで表現できます。
「のべつ幕なし」の間違った使い方は?例文も
「のべつ幕なし」とよく間違われる言葉に、「のべつくまなし」があります。
「のべつくまなし」と使われる例
「彼はのべつくまなくしゃべっている」
このように、「のべつ幕なし」と同じ、少しも休まず、絶え間なく続く様子という意味で使われています。
しかし結論から言うと、「のべつくまなし」という言葉は存在せず、間違った使われ方(誤用)になります。
にもかかわらず、絶え間なく続く様子をどの様に表現するか?という質問に対して、30%以上の人が、「のべつくまなし」を使っているそうです。
なぜかというと、隅から隅までという意味の、「隈なく」という似た表現があるので、それと混同されているのではないかと言われているからです。
「のべつ幕なし」と「ひっきりなし」の違いは?
「ひっきりなし」は、絶え間なく続さま、切れ目のないさまという意味で、「のべつ幕なし」と同じになります。
使い方も、
ひっきりなしの例文
「家の前の道路はひっきりなしに車が通るので、なかなか眠れない」
といったように、「のべつ幕なし」と同じような使い方になります。
「ひっきりなし」の「ひっきり」は、漢字で「引切り」と書き、のこぎりを手前に引いて切るというのが由来になります。
そこから、切れ目、区切りという意味に転じ、切れ目、区切りが「無い」ということから、物事が切れ目がなく、絶え間なく続く様子を表す言葉になりました。
意味も使い方も変わりはないですが、あえて違いを言うと、
「のべつ幕なし」と「ひっきりなし」の違い
- 「のべつ幕なし」→舞台の幕が閉まらず、芝居が続く→物事が休みなく続く
- 「ひっきりなし」→切れ目や区切りがなく続く→物事が切れ目なく続く
と、このようなニュアンスの違いになります。
言葉で表すなら、
- 「のべつ幕なし」:「次から次に」
- 「ひっきりなし」:「次から次と」
といった感じになります。
さいごに
以上、「のべつ幕なし」の意味や由来などについて解説してきました。
「のべつ幕なし」や「ひっきりなし」は、日常でもビジネスシーンでも使うことができますので、意味を理解して上手に使ってください。