「生かす」と「活かす」どっちを使ったらいいんだろう?
簡単な覚え方はありませんか?
「経験をいかす」「特技をいかす」
履歴書の自己PRを書くときに、「生」の字を使うか「活」の字を使うか迷ったことはありませんか。
- 「自分のスキルを”いかす”」
- 「動物を”いかす”」
- 「時間を”いかす”」
など、様々な場面でこの2つの漢字は使われますね。
前述した例文も、文章の意味は通じます。
でも漢字で書く時は、どっちを使えばいいのか、違いを知っておかないと判断できませんよね・・・
そこで今回は、「生かす」と「活かす」の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます!
就職活動で自分を売り込むためにも、しっかり理解して、正しく活用できるようにしてください。
ちなみに今回の「生かす」「活かす」のように、同じ読み方で使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「生かす」「生かされる」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「生活」や「生産」など、幅広く色々なところで使われる「生かす」。
あまりにも色々なところで使われるので、本来の意味をしっかりと把握できてないのではないでしょうか?
漢字辞書で「生かす」の正しい意味を調べてみると、
- いったん息絶えたものを生き返らせる。蘇生(そせい)させる。
- 死なないようにする。命を長らえさせる。
とあります。
意味を調べてみると、「生かす」は「死なせない」という意味があることが分かります。
例文としては、
- 溺れた人を人工呼吸で生かす。←1の意味
- 金魚を鉢の中に入れて生かす。←2の意味
- 捕まえた動物を生かしておく。←2の意味
このように「生かす」は「命を長らえさせる時」に使うのが正しい使い方になります!
また「生かす」には多くの意味がありますが、よく使われるのは
- 生き返らせる、死なないようにする
という意味です。
- 「生かすも殺すもあなた次第です」
- 「その人を生かすためには、心臓マッサージを施すことが必要だ」
などのように、
- 生死に関わる意味合い
で使われることが多い言葉です。
このような時の「生かす」の英訳は、
- keep~alive(生かしておく)
- a tank where one keeps fish alive (魚を生かしておく水槽)
- revive(生き返らせる)
- the act of reviving a dying patient (瀕死の病人を生き返させる)
のようになります。
「生かされる」も「生かす」同様多くの意味があります。
よく用いられる使われ方は、先に述べました「生かす」と同じように
- 生死に関わる意味合い
になります。
意味としては
- 「この機械によって私は生かされています」
- 「彼は自分が生きているのではなく、生かされていると感じている」
などのように、
「生かしてもらっている」
といった、受け身の意味を持ちます。
なので英訳も「生かす」の受身形で
- kept alive(生かされる)
- I realized Ihad been kept alive (自分は生かされている)
のようになります。
「活かす」「活かされる」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「生かす」に対し、「活用」や「活躍」などの言葉に使われる「活かす」。
こちらの「活かす」を漢字辞書で調べてみると、
- 有効に使う。活用する。
- 一度消した文や字句などを復活させる。
とありました!
例文としては、
- 長年の経験を活かす。
- 素材を活かして料理をする。
- 元の文章を活かす。
となります。
このように「活かす」は、「活用させる時」に使うのが正しい使い方になります!
また「活かす」にも多くの意味がありますが、多く使われるのが
- 有効に使う、活用する
という意味です。
- 「過去の経験を活かす」
- 「素材を活かして料理する」
などのように、
- 能力や経験を十分に発揮する
ような場合に使われることが多い言葉です。
この場合の「活かす」の英訳には
- use
- I want to use English at work(英語を活かして働きたい)
- make use of
- I will make use of this experience(私はこの経験を活かす)
を使います。
「活かされる」も「生かされる」と同様に、受け身の形になるので
- 「有効に使われる」「活用される」
といった意味になります。
英訳するときは、「利用する」「役立たせる」という意味の「utilize」を使った、
- be utilzed
になります。
例文としては
- The water is utilzed for producing electric power (その水は発電に活かされる)
といった使い方になります。
「生かす」と「活かす」の違いと使い分け方は?
「生かす」と「活かす」は、
- 「生かす」は生命を維持すること
- 「活かす」は能力を発揮すること
という使われ方が一般的です。
例えば
- 「人を生かす」 → 「人の命を保たせる」
- 「人を活かす」 → 「人材を有効に使う」
といった解釈になります。
ただし、「生かす」にも
- 有効にする、活用する
という意味が含まれており、同様に「活かす」にも
- 生き返らせる、死なないようにする
という意味が含まれています。
辞書にも
- 「生かす(活かす)」
のように書かれていて、どちらも
- 同じ意味
として表記されています。
ですので、漢字のニュアンス的に異なった印象を与えますが、実際には
「どちらを使っても間違いはない」
と言えます。
しかし、一つ注意しなければいけない点として、
「活かす」は常用漢字(公的に使える漢字)ではない
ということが挙げられます。
そのため、公文書等で「活かす」は使用することが出来ません。
その際、漢字表記をする場合は
「生かす」に統一されます。
あなたが、どちらを使うか迷ったときは、「生かす」と書いておけば間違いはないでしょう。
【例文】履歴書にはこう書こう!「経験」「強み」「長所」「チャンス」を「いかす」のはどっち?
それでは、履歴書に記入する場合は、「生かす」「活かす」どちらを使えばいいのでしょうか?
履歴書の場合は公的な文書にはならないので、「生かす」「活かす」どちらを使っても問題ありません。
また、自分の強みをアピールするために、これまでの
- 「活動」や「活躍」
を強調するという意味でも、「活かす」を使うことが一般的になります。
例文として、
アピール例文
私の強みは、周囲の状況を見て臨機応変に対応できることです。
私は学生時代、被災地でボランティアをしていました。
最初は何をしたら良いか分かりませんでした。
周りの方の行動を観察したり、自分から声をかけていく事を繰り返していくうちに、先読みして行動できるようになりました。
この経験を貴社でも「いかし」、何を求められているか先読みをして、サービスを提案していきたいと考えています。
といった文章の場合、自分の「活動」や「活躍」を強調したいので、「活かし」という表記にする方が、意味が伝わりやすいでしょう。
ただし、オフィシャルな文章にしたい場合は「生かす」を使う場合もあります。
どちらか迷った場合は、「ひらがな」にするのも良いかもしれません。
「「生かす」「活かす」の違い」のさいごに
以上、「生かす」「活かす」の違いを解説してきました。
最後にこの2つの違いについてまとめていきます。
この2つの違いは、「生死に関わることか、活用するか」の違いですね!
- 生死に関わることなら「生かす」を
- 経験や物などを活用する時は「活かす」を
使うようにしましょう!
この2つは、違いが結構分かりやすいので、使い分けは楽そうですね。
関連するのですが、あなたはこの2つの違いも分かりますか?↓
辞書などで並列に扱われているように、「生かす」も「活かす」も意味合いに差はありません。
あまり迷い過ぎず、自分が使いたいシーンによって上手に使い分けられるようにしてくださいね。