地球の重さは「6ロナグラム」になるそうです。
この「ロナ」という言葉は聞きなれませんね。
「キロ」や「ミリ」などのように、数の桁を表す言葉の一つとして新しく決められた言葉なのです。
いったいどのように使って、どれくらいの量なのでしょう?
また、なぜ今新しい言葉を作る必要があるのでしょうか?
今回は、「ロナ」について詳しく解説していきます。
わかりづらい言葉の意味を特集しました!
ロナグラムは何キログラム?地球や木星の重さは?
「ロナ」とは、「キロ」や「ミリ」「ギガ」などと同じ、数の桁を表す接頭語の一つになります。
2022年11月に、単位などのルールを定義する「国際度量衡総会」にて、新たに加えられたものです。
10²⁷(10の27乗)を表し、1ロナを数字にすると
1,000,000,000,000,000,000,000,000,000
になります。
「キロ」は、10³(10の三乗)を表す接頭語になるので、1キロを数字にすると
1,000
になります。
ですので、1ロナグラムをキログラム表記にすると、
1,000,000,000,000,000,000,000,000(10²⁴(10の24乗))キログラムになります。
ちなみに、「接頭語」というのは、あまり聞きなれない言葉ですよね。
こちらは、桁が多い数を簡略する言葉で、「グラム」や「メートル」などの、単位の前に置いて使います。
桁が大きい数を簡略化するということは、ものすごく大きいものや重いものなどをスッキリ表記できるということです。
例えば、地球・木星の重さを表すとき単位をグラムにすると、
- 地球 : 約6×10²⁷グラム
- 木星 : 約2,000×10²⁷グラム
になります。
これを、ロナグラムで表すと、
- 地球 : 約6ロナグラム
- 木星 : 約2,000ロナグラム≒2クエタグラム
となります。
ちなみに、太陽は、2000クエタグラムなんですって。
キロ、メガ、ギガ・・・の次は?
「ロナ」は、約31年ぶりに追加された接頭語になります。
これまでは10の24乗を表す、「ヨタ」が最高の接頭語でした。
現在、国際単位系(SI)で定義している接頭語は、
- デカ : 10¹
- ヘクト : 10²
- キロ : 10³
- メガ : 10⁶
- ギガ : 10⁹
- テラ : 10¹²
- ペタ : 10¹⁵
- エクサ : 10¹⁸
- ゼタ : 10²¹
- ヨタ : 10²⁴
- ロナ : 10²⁷
- クエタ : 10³⁰
このようになります。(ロナ、クエタは、今回新しく定義されたものです)
ちなみに、接頭語はマイナスにもあり、
- デシ : 10⁻¹
- センチ : 10⁻²
- ミリ : 10⁻³
- マイクロ: 10⁻⁶
- ナノ : 10⁻⁹
- ピコ : 10⁻¹²
- フェムト: 10⁻¹⁵
- アト : 10⁻¹⁸
- ゼブト : 10⁻²¹
- ヨクト : 10⁻²⁴
- ロント : 10⁻²⁷
- クエクト: 10⁻³⁰
となります。(ロント、クエクトは、今回新しく定義されたものです)
ロナグラムなど新しい単位接頭語はなぜ増えた?
現在、ビジネスの世界において、データの収集・分析・活用などの重要度が増加しています。
また、スマートフォンの普及や低廉・小型化などによって、インターネットにつながる人や物などが急増することで、様々なデータが多くの人や物から生成されるようになっています。
そのため、これまで最大の接頭語だった「ヨタ(10の24乗)」でさえ、データ量を表す事は限界に達していました。
その結果、新しい接頭語が必要になり、「ロナ(10の27乗)」や「クエタ(10の30乗)」が追加されました。
私たち一般生活への影響はある?
結論から言うと、今回の接頭語の追加は、一般生活への影響はないと考えていいと思います。
現在一般的に使われている接頭語は、「キロ」「メガ」「ギガ」「テラ」・・・
くらいまでですよね。
それも、本来の意味を、厳密に理解しているわけではなく、
- すごく多い感じ
- よく耳にする
といった漠然としたものとして捉えているだけです。
ただし、「メガ」や「ギガ」なども、この数年で広く使われるようになってきています。
意味はよく理解していなくても、「ロナ」や「クエタ」が普通の会話で使われるようになっていくかもしれません。
さいごに
以上、「ロナ」「クエタ」などの、単位の新しい接頭語について解説してきました。
「ロナ」とは、
- 10²⁷(10の27乗)を表す接頭語
- 地球の重さは6ロナグラム
- 増大するデーター量を表す接頭語が必要になったため追加された言葉
になります。
今は、私たちに直接必要なものではありません。
ですが、十数年前ではあまり知られていなかった、「メガ」や「ギガ」でさえも、今では
- 「メガヒット」
- 「ギガ盛り」
のように普通に使われるようになりました。
近いうちに、「ロナ」も当たり前のように使われているかもしれませんね。