「のぞく」には、
- 「取りのぞく」というニュアンスの使い方
- 「のぞき見る」というニュアンスの使い方
があります。
中でも、②の使い方、「のぞき見る」というニュアンスの場合、漢字の使い分けがややこしいです。
どのようなときに、どんな感じを使うのでしょう?
今回は、「のぞく」の漢字や使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
「のぞく」を漢字で書くと?どんな種類がある?
「のぞく」の漢字は大きく分けて2種類あります。
一つは、「すてる」「とりのぞく」といったニュアンスのもの。
もう一つは、「見る」「うかがう」といったニュアンスのものになります。
前者は、
- 去く
- 抒く
- 除く
- 控く
- 撥く
などになります。
後者は、
- 覗く
- 覘く
- 窺く
などになります。
ただし、この中で漢字も読みも常用漢字表にあるものは、「除く」だけになります。
ですので、その他の漢字は一般的にあまり使いません。
「のぞく」の漢字!使い分けは難しい?コツや覚え方を例文で解説!
「すてる」「とりのぞく」というニュアンスの「のぞく」の漢字の場合、厳密な使い分けの定義はないといえます。
基本的には、「除く」もしくは「のぞく」を使っていれば問題ありません。
あえて使い分ける場合は、それぞれの漢字の意味に合ったニュアンスで分けます。
例えば、
- 「去く」の場合、「去」という字は、消去、撤去などのように、取り去ってなくすといったニュアンスなので、「庭の雑草を去く」
- 「控く」の場合、「控」は、控除のように、該当しない物をさしひくといったニュアンスにるので、「応募者から未成年者を控く」
- 「抒く」の場合の「抒」は、抒情という言葉にも使われるよう、心の中にある思いをのべるという意味から、汲んで外へ出すといったニュアンスになるので、「体調の悪い彼を抒くメンバーで出場する」
- 「撥く」の場合の「撥」は、はねる、はじくという意味から、はらいさるというニュアンスになるので、「自動的に不良品は撥かれる」
といった使い方が出来ます。
次に、「見る」「うかがう」といったニュアンスの
- 覗く
- 覘く
- 窺く
の使い分けも、同様に厳密な定義はありませんので、こちらも漢字の意味からニュアンスで使い分ける形になります。
それぞれの漢字の意味は、
- 「覗」:のぞく、うかがう、一部見る
- 「覘」:のぞく、ねらう、じっと様子を見る
- 「窺」:穴からのぞき見る、様子を見る
になります。
ですので、
- 「覗く」:「散歩中に本屋を覗く」
- 「覘く」:「人の内面を覘く」
- 「窺く」:「鍵穴から部屋を窺く」
このような使い方が出来ます。
「店を」「店の中を」「青空が」「望遠鏡を」の場合はどの「のぞく」を使う?
「店をのぞく」「店の中をのぞく」の場合、
- ちらっと見る時は:「覗く」
- じっと様子を見る時は:「覘く」
を使います。
「青空がのぞく」の場合、曇り空から青空の一部が出ている状況なので、「覗く」が正解。
「望遠鏡をのぞく」の場合、穴からのぞき見る状況なので、「窺く」が正解。
イメージを掴んでいただけたでしょうか?
「のぞく」と「見る」「見える」の違いは?
「のぞく」の場合は、すき間や穴から一部分を見るという意味から、盗み見るというニュアンスで使われます。
「見る」や「見える」には、盗み見るというニュアンスは含まれません。
「見る」と「見える」の場合、
- 自分の意志があって目に入れるのが:「見る」
- 自分の意思がなくても目に入るのが:「見える」
という違いがあります。
さいごに
以上、「のぞく」の漢字や使い分けについて解説してきました。
「のぞく」の漢字の使い分けには厳密な定義はなく、漢字の意味からニュアンスで分けられています。
特に正解は無いので、分かりづらい時は、ひらがなの「のぞく」を使うのが無難になります。