「DINKs」という言葉を耳にしたことがありますか?
「DINKs」とは、「意識的に子供を持たない共働きの夫婦」のことを言います。
晩婚化や女性の社会進出に伴い、増えてきている新しい夫婦の形と言われています。
世間の声は賛否両論ありますが、なぜこういった形態が増えてきているのでしょうか?
今回は、そんな「DINKs」について解説していきます。
「DINKs」の意味は?なんの略?
「DINKs」は「ディンクス」と読み、「Double Income No Kids」の頭文字をとった言葉になります。
- 「Double Income(二つの収入)」 = 共働き
- 「No KIds(子どもがいない)」 = 子どもを持たない
という意味を持つことから、「DINKs」は、自分たちの意志で子供を持たない共働き夫婦のことを指します。
ただし、
- 共働きで子供がいる夫婦
- 結婚して日が浅く子どもがいない夫婦
- 何らかの理由で子供を持つことが出来ない夫婦
などは当てはまりません。
なぜなら「DINKs」は、子どもが「いる」「いない」という状況を示すのではなく、あくまで、意識的に子どもを作らない考え方や価値観を指す言葉なのです。
ですので、自分たちの意志で子供を持たない共働きの夫婦のことを「DINKs」と言います。
「DINKs」の割合はどれくらい?
総務省統計局のデーターをもとにすると、現在日本で「DINKs」を選択する夫婦は、約30%と言われています。
ただし、この数字は、子供のいない共働き夫婦の割合になります。
この中には、
- これから子供を作る夫婦
- 現在妻が妊娠中の夫婦
- 何らかの理由で子供が出来ない夫婦
なども含まれているので、厳密な意味での「DINKs」の割合は、今のところ分からないと言えます。
しかし、子供のいない夫婦の割合が1970年には約10%だったことを考えると、「DINKs」を選択する夫婦は増えていると言えます。
「DINKs」のメリットとデメリットは?
「DINKs」のメリットでよく言われるのが、
メリット1:自分の時間・夫婦の時間が多く持てる
ということです。
子どもがいる場合、どうしても子供中心の生活になってしまいがちです。
「DINKs」ならば、夫婦の時間や自分の時間、交友関係も独身時代と変わらず持つことが可能になります。
また、
メリット2:金銭的に余裕が出来生活が安定する
ということも「DINKs」のメリットになります。
共働きのため、独身生活よりも収入は安定します。
更に、養育費を確保する必要がないので、その分夫婦や個人で使えるお金に回すことが出来るようになります。
他にも、特に女性の場合、出産を機に退職・産休などをするということがなくなるので、
メリット3:夫婦双方がキャリア形成をしやすくなる
という点や、お互いの仕事やプライベートを確保したいという夫婦にとっては、
メリット4:別居婚・週末婚が実現しやすい
といった点もメリットと言えます。
しかし、子どもを作らないのであれば、夫婦になる必要がないと思われがちです。
ただし夫婦になった場合、同棲や事実婚と違い
メリット5:福利厚生や遺族年金がもらえる
というメリットがあります。
一般企業の多くは結婚している世帯には家族手当を支給しています。
また、老後にどちらかが先だった場合も、遺族厚生年金を受け取ることが出来ます。
逆に、「DINKs」のデメリットとしては
デメリット1:離婚しやすい
という点が挙げられます。
互いに金銭的にも自立しているうえに、育児・養育費等の問題がないので、さしたる問題がなく離婚が成立します。
また、子持ち夫婦に比べ、自由度が高く束縛も少ないので、
デメリット2:相手の不倫などに気付きづらい
ということもデメリットと言えます。
他にも、
デメリット3:介護が必要になった時サポートを頼める子どもがいない
デメリット4:周りに、子どもを作らないという選択が理解されない(されにくい)
デメリット5:子どもが作れない年齢になってから、子どもが欲しくなる可能性
などが挙げられます。
「DINKs」がずるいと思われている理由は?
「DINKs」という、子どもを作らないという形を選択する夫婦が増えてきている一方、その様な考え方に批判的な考えを持つ人も多くいます。
「DINKs」を「ずるい」と思っている人の意見で多いものに
批判的な意見1:自由な時間が多い
があります。
子どもが出来ると、生活の中心は子供になってしまいます。
その結果、自分の時間を自由に取れなくなったり、子どもが小さいうちは、旅行などで長期間家を空けることも難しくなります。
時間がなく、忙しく過ごしている子育て夫婦から見ると「ずるい」と感じる要因と言えます。
また、
批判的な意見2:収入が多く生活が裕福
ということも、「ずるい」と思われている理由の一つです。
子ども1人が大学を卒業するまでにかかるお金が、約2000 万円と言われています。
子どもがいない家庭では、その分のお金が自由に使えるということになります。
子育て夫婦から見ると、
- 子供も産まずにいい生活をしている
- 贅沢な暮らしをしている
と感じることから、「ずるい」という意見が出るのでしょうね。
他にも、
批判的な意見3:キャリア形成している女性が多い
という意見もあります。
子どもが生まれた場合、女性は仕事をやめてしまったり、産休・育休などで長い休みを取るなどで、キャリアを途中で諦める事が多くあります。
その様な女性から見ると、「DINKs」を選択した女性はキャリアを積み上げ、成功しているように見えて、「ずるい」と感じてしまいます。
ただし、このような意見は、いずれも「DINKs」のメリットと言える点になります。
「DINKs」を「ずるい」と言っている人は、「うらやましい」という思いが本音なのかもしれませんね。
さいごに(結婚する意味とは?)
以上、「DINKs」について解説してきました。
日本では、結婚イコール「子どもを作り、育てる」という考え方、価値観が一般的になります。
ただし、単純に「一緒にいたいから結婚する」という考え方もまた真実になります。
価値観が多様化する現代では、人それぞれ、考え方やライフスタイルなどの違いがあります。
結婚に関しても、異なった価値観や生き方を選択する事は自由です。
ですので、それぞれの選択に対し、尊重し思いやることが大切なのかもしれませんね。