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「生姜(しょうが)」「茗荷(みょうが)」「茎茗荷(くきみょうが)」「みょうがたけ」「はじかみ」の違いは?見た目の特徴や見分け方もわかりやすく解説

生姜 茗荷 茎茗荷 みょうがたけ はじかみ

 

「しょうがとみょうがって同じもの?」

名前の似た野菜でも、使い方や見た目が全く違う野菜はいくつかあります。

例えば、「生姜(しょうが)」と「茗荷(みょうが)」。

名前はとてもよく似ていますが、黄色くて丸っこい見た目の生姜と、赤い草の芽のような見た目の茗荷では、全く違う野菜に見えますよね。

 

しかし、実はこの二つ、同じショウガ科の野菜なんです!

かつて同時期にアジア大陸から持ち込まれ、

  • 香りが強い方を「せのか(兄香)」
  • 香りが弱い方を「めのか(妹香)」

と呼ぶこととなりました。

そこから転じて「しょうが」「みょうが」と呼ぶようになったと言われています。

 

今回は「生姜(しょうが)」と「茗荷(みょうが)」、さらにそれぞれから派生した「茎茗荷(くきみょうが)」「みょうがたけ」「はじかみ」についてご紹介致します!

 

 

「生姜(しょうが)」とは?見た目の特徴など

 

「生姜(しょうが)」は世界中で古くから親しまれている香味野菜の一つです。

スーパーなどで良く見かける黄色の丸っこい「生姜」は、いわゆる根茎の部分です。

収穫してから数ヶ月貯蔵した後に出荷されているもので、香りと辛味成分が高まる11月頃が旬の時期となります。

 

初夏の辺りに収穫して、すぐに出荷されるものは「新生姜」と呼ばれ、白っぽい見た目と切り落とされた茎の先がピンク色をしているのが特徴です。

 

味わいも生姜と新生姜で大きく異なります。

  • 生姜:独特の強い辛味と香りを持つ
  • 新生姜:辛味が少なく水分量が多いため生食でも食べられる

 

生姜に含まれる辛味成分には強い殺菌効果があり、加熱すると身体を温めてくれる効果も発揮します。

 

肉料理などの下味で、すりおろしたものを入れたり、刻んだものを一緒に炒めたり煮込んだりするのも、

  • 味わいを豊かにする
  • 殺菌効果を発揮して臭いも気になりにくくする

からなんですね。

 

ちなみにお寿司の付け合わせなどで時々見かけるガリは、実は新生姜の甘酢漬けです。

 

 

「茗荷(みょうが)」とは?見た目の特徴など

 

「茗荷(みょうが)」とは生姜と同じく、古くから親しまれている香味野菜の一つです。

東アジアが原産とされていますが、食用に栽培されているのは日本だけとも言われ、日本ならではの野菜と言えます。

 

「茗荷」は地下に地下茎を伸ばして広がる植物で、普段食用としてよく見かけるのは薄い赤色の芽のような部分が多いです。

これはいわゆる「茗荷」の花の蕾(つぼみ)に当たる部分であるため、「花みょうが」と呼ぶこともあります。

 

みょうが特有の赤い色合いが、食事の見栄えを鮮やかにすることはもちろん、刻むことで独特な香りと辛味が出てきます。

素麺や冷やし中華などの薬味として使われたり、サラダやマリネにして風味と歯触りを楽しんだりすることも出来ます。

 

食材としての特性や夏から秋(6月〜10月頃)にかけて旬を迎えることも相まって、レストランなどでも夏の限定メニューとして、みょうがを使った料理が用意されることもあります。

 

また、ミョウガと生姜は同じショウガ科の野菜であり香りも似ています。

しかしミョウガの香り成分は揮発性が高いため薄れやすく、加熱するとますます香りが薄れてしまうため、調理方法にはかなりの違いがあります。

 

 

「茎茗荷(くきみょうが)」とは?見た目の特徴など

 

「茎茗荷(くきみょうが)」とは、先ほどお話しした「花みょうが」から切り落とされた地下茎の部分を指します。

スーパーなどで売られている「花みょうが」はトレーの中に収める長さに揃えるため、収穫した後はおおよそつぼみの部分だけを残してパッキングされています。

 

この時に切り落とされた茎は捨てられてしまうこともありますが、実は食感や味わい、香りは「花みょうが」とほとんど変わりません。

刻んでしまえば「花みょうが」と同じように食べられます。

トレーでの小分けを行わない野菜の直売所などでは

  • 「花みょうが」に茎がついたまま売られている
  • 花部分から切り分けられた後の物だけでも「茎みょうが」として売られている

こういった光景に出くわすこともありますね。

捨てずに食べることでエコにも繋がるので、見かけたら是非食べてみてくださいね。

 

 

「みょうがたけ」とは?見た目の特徴など

 

地下に地下茎を伸ばして広がる「茗荷」ですが、地表に伸びる葉のついた茎のような部分は「偽茎」と呼ばれています。

 

この偽茎に土を盛り、葉の部分を軟化栽培したものが「みょうがたけ」です。

 

栽培にはとても手間がかかります。

みょうがと同じようなほのかな赤色に色付けするためには、栽培期間中に二回ほど光に当てる必要があります。

それでも色が付かなかったものは商品価値がぐっと下がってしまうそうです。

 

みょうがよりも弱く、優しい風味とシャキシャキの歯ごたえが特徴です。

 

用途は、

  • 生のまま刻んでサラダにしたり味噌やマヨネーズを付けて食べる
  • ネギと同じように味噌汁などの汁物のトッピング

として使うことも出来ます。

 

みょうがの新芽に当たるみょうがたけは、みょうがと違い、春に旬を迎えます。

 

 

「はじかみ」とは?見た目の特徴など

 

料亭などで焼き魚などの魚料理を頼むと、一緒に淡い赤色の枝のような野菜が添えられることがあります。

これは「はじかみ」と呼ばれる野菜で、漢字で「矢生姜(やしょうが)」とも書く、葉生姜の一種です。

 

葉生姜とは、最初にご紹介した生姜の中でも、根茎が小さく柔らかいうちに収穫されるものです。

その中でも「はじかみ」は金時生姜と呼ばれる品種を軟化栽培することで作られます。

茎の根元が鮮やかな赤色をしているのが特徴です。

 

料理に添えられているものは甘酢漬けされたもので、彩りを添えるだけではなく、口直しの意味もあります。

 

料理を食べた後にはじかみを食べることで、魚の臭みを消してくれる他、口の中をさっぱりさせてくれる効果もあるので、もし見かけたら一度口にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

「生姜(しょうが)」「茗荷(みょうが)」「茎茗荷(くきみょうが)」「みょうがたけ」「はじかみ」の違いや見分け方は?

 

最後に、それぞれの野菜の違いについて簡単に比べてみましょう。

 

  • 生姜→地下茎の丸く膨れた部分を食用とし、黄色くて丸っこい一般的な生姜の他に白っぽい見た目の新生姜がある。
    強い殺菌効果があり、加熱することで身体を温める効果も発揮する。
  • 茗荷→花の蕾に当たる部分を食用とする。
    鮮やかな色合いと独特な風味を楽しむために刻んで薬味にしたりサラダなどにしてそのまま食べることが多い。
  • 茎茗荷→茗荷の花の蕾から切り落とされた茎の部分のこと。
    食感も香りも普通のみょうがとほとんど変わらず、刻めば同じ使い方ができる。
  • みょうがたけ→茗荷の偽茎に土を盛って軟化栽培したもの。
    みょうがよりも弱く優しい風味とシャキシャキの歯ごたえを楽しめる。
  • はじかみ→「矢生姜(やしょうが)」とも呼ばれる葉生姜の仲間。
    主に魚料理の口直しや彩りとして添えられる。

 

 

さいごに

 

いかがでしたか?

どんなに名前が似ていても、生姜とみょうがだと見た目も調理方法も随分違うことがお分かりいただけましたでしょうか。

仲間の茎茗荷やみょうがたけやはじかみも、機会があればぜひ食べてみてくださいね。

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