道路の舗装工事で使われる「アスファルト」と建物の建材で使われる「コンクリート」。
違いがわかりますか?
いざ考えてみた時に、パッと明確な違いがわからないのではないでしょうか。
例えばもし、貴方が働く会社で事務所のリフォームや新設を行うことになったら、業者の方と建材の相談をする機会があるかもしれませんよね。
もしかしたら、お子さんが不意に「お父さん、アスファルトとコンクリートって何が違うの?」と疑問を口にするかもしれません。
そんな時に困らないように、今回は工事現場などでよく使われる
- 「アスファルト」
- 「コンクリート」
- 「モルタル」
- 「セメント」
これらの違いや使われ方についてお伝えしていきます。
「セメント」とは?どこに使われる?漢字でどう書く?
まずはセメントについて。
セメントは漢字で「洋灰(読み:ようかい)」と書き、石灰石や粘土を焼成(材料を加熱して変化させること)した後に粉砕した粉末のことです。
ここに水を加えてセメントペーストにすることで、砂や砂利などをくっつける働きを持ちます。
このペーストはタイルの継ぎ目(目地と言います)のヒビ割れを補修するときなどに用いられる事が多いです。
しかしセメント単体で建築材として使われることはありません。
建材として使用するときは、粉末のまま工事現場まで運ばれ、その場で水や砂、砂利などを合わせることでコンクリートやモルタルに加工してから使用されます。
ただし、一度に大量のコンクリートが必要な時は、ミキサー車でセメントを混ぜ、コンクリートに加工しながら運搬されます。
「コンクリート」とは?どこに使われる?漢字でどう書く?
続いてコンクリートについて。
コンクリートは漢字で「混凝土(読み:こんくりーと)」と書き、セメントに水や砂、砂利や砕石などを入れて作られる建築材です。
さらにこのコンクリートの中に鉄の棒を埋め込んで補強すると、鉄筋コンクリートが出来上がります。
不動産情報などで鉄筋コンクリート構造のマンションやアパートをよく見かけますよね。
コンクリートは成形が容易であり、耐久性や耐火性にも優れ、圧縮に対する抵抗性も大きいため、住宅用の建材はもちろん、ダムや橋などの公共建築でも多く使われています。
また漢字の読み方もかなり変わっていますね。
これは二文字以上の漢字の組み合わせに、読み方をあてる熟字訓というもので、梅雨(つゆ)や雪崩(なだれ)もこの仲間になります。
「モルタル」とは?どこに使われる?漢字でどう書く?
次はモルタルについて。
セメントやアスファルト、コンクリートに比べると耳馴染みがなく、どんなものか想像しにくいのではないでしょうか。
モルタルは漢字で「膠泥(読み:こうでい)」と書き、セメントに砂を加えて水で練ったものです。
要はコンクリートから砂利などを省いて加工したものがモルタルになります。
コンクリートと比べると強度は低いですが、表面を滑らかにしたり繊細に仕上げたりできるといった特長があります。
そのため、主に住宅のタイルやレンガの接着、外壁や土間の仕上げに使用されます。
「アスファルト」とは?どこに使われる?漢字でどう書く?
次はアスファルトについて。
アスファルトは漢字で「土瀝青(読み:どれきせい)」と書き、原油を蒸留して作られた炭化水素の化合物です。
セメントを原料とするコンクリートやモルタルとは根本的に違いますね。
アスファルトは常温では固体ですが、高温まで熱すると液体に変化するため加工がしやすくなります。
耐久性はそれなりに高いですが、コンクリートに比べると熱や圧力に劣ります。
またアスファルトは
- コンクリートよりも単価が安い
- 素材自体が柔らかく音を吸収するため、車を走らせた時の騒音が発生しにくくなる
- 熱を加えて加工した後に常温まで冷ませば、すぐに使用可能となる施工性の高さ
これらの点において、道路の舗装でよく使われています。
まとめ(それぞれの違いや見分け方、使われ方)
最後に
- 「セメント」
- 「コンクリート」
- 「モルタル」
- 「アスファルト」
これらの違いについて簡単にまとめてみましょう。
- セメント → 石灰石や粘土を加工した粉末。コンクリートやモルタルの原料。
- コンクリート → セメント、水、砂、砂利などを元に作られる。住宅や公共事業の建築材として広く用いられる。
- モルタル → セメント、水、砂を元に作られる。コンクリートほどの強度はないが繊細な仕上げが可能になる。
- アスファルト → 原油を蒸留して作られる。道路の舗装でよく使われる。
いかがでしたか?
意外と知らない違いが多く、驚いたのではないでしょうか。
もし今後工事現場を見かけたり、リフォームや新築等で工事業者の方と接する機会があったりした時には、意識して見てみると面白いかもしれません。
参考にしていただければ幸いです。