「かける」と聞くと、どのような漢字を思い浮かべるでしょうか?
- 走っているという意味の「かける」
- 足りないという意味の「かける」
- 物をぶら下げたりするという意味の「かける」
など、さまざまな「かける」がありますが、これらは全て違う漢字になります。
それぞれの漢字をどの場面で使い分ければいいのか、コツが分かれば便利ですよね。
そこで今回は、「かける」漢字の使い分けについて、わかりやすく例文を交えて解説していきます。
「かける」を漢字で書くと?どんな種類がある?
「かける」と読む漢字には、常用漢字では以下の通りあります。
「かける」漢字の種類
- 足りない、不十分といった意味の「欠ける」
- 一方から他方へまたがせるといった意味の「架ける」
- ひっかける、たれ下げるといった意味の「掛ける」
- 走る、馬に乗って走るといった意味の「駆ける」
- かけごと、博打といった意味の「賭ける」
- ぶら下げる、吊り下げる、あるものを託すといった意味の「懸ける」
これらの漢字があり、これらは公用文や新聞記事などにおいて使用することができます。
一般的によく使われるのは上記の漢字ですが、他にも人名用漢字の
- 駈ける
- 翔ける
や、その字の読みとしてはないが、文法上で「かける」と読める漢字(本来の読みは「かく」「えがく」)に
- 書ける
- 描ける
- 掻ける
- 画ける
があります。
たくさんありすぎて、お腹いっぱいですよね。
これらの漢字を使い分けるとなると、コツを覚えておかなければなりません。
次に「かける」の漢字を使い分けるコツをお伝えしていきますね。
「かける」の漢字!使い分けは難しい?コツや覚え方を例文で解説!
使い分けのコツ
- イメージしやすい5つの「かける」を先に覚える
- それ以外の「かける」は、ほぼ「掛ける」になる
- どうしてもわからない場合は「ひらがな」で
常用漢字の「かける」の中で、
- 「欠ける」
- 「駆ける」
は、
- 「メンバーが欠ける」「協調性に欠ける」
- 「駅まで駆けていく」「草原を馬で駆ける」
のように、「不足する」「走る」といった使い方のみなので、イメージしやすく、さほど難しい使い分けではありません。
それ以外の漢字は、お互いに意味が被っているものもあります。
大きく分けると、
- 「架ける」: かけわたす
- 「懸ける」:何かを得るためにリスクを負う
- 「賭ける」:お金など何かをかけた勝負をする
- 「掛ける」:それ以外
という意味で使われます。
例えば、
「かける」の例文
- 「ここに来年橋を架ける予定です」 → 一方から他方へかけ渡す
- 「彼は次の試合に懸けて練習している」 → 試合に勝つために厳しい練習をしている
- 「彼が勝つ方に○○円賭けます」 → お金をかけて勝負する(勝ち負けがある)
- 「ハンガーに服を掛ける」 → 引っかけて掲げる
- 「車のエンジンを掛ける」 → 装置を動かして作動させる
- 「お湯を掛けてから風呂に入る」 → 液状・粉末状のものを体に浴びせる
といった使い方をします。
なお、「掛ける」は例文にもあるように、さまざまな意味があります。
「架ける」「懸ける」「賭ける」以外のものは、ほぼ「掛ける」と書いて問題ありません。
ちなみに「かける」と「かかる」は自動詞と他動詞の関係です。
「かかる」の漢字の使い分けも合わせて覚えておくと便利ですよ。
よろしければ、こちらの記事も参考になさってくださいね。
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「人生」「懸賞」「お金」「願い」「思い」「水」にはどの「かける」が使われる?
使い分けのコツがわかったところで、例題で練習してみましょう。
例題1:人生を「かける」
自分の一生というリスクを負って、成功を勝ち取るという勝ち負けがあります。
したがって「賭ける」が正解です。
例題2:懸賞・懸賞金を「かける」
探し物を見つけたりするために、商品や賞金などを提供するリスクを負います。
したがって「懸ける」が正解です。
例題3:お金を「かける」
勝てば獲得し、負ければ失う、という勝ち負けがあります。
したがって「賭ける」が正解です。
例題4:願い・願(がん)を「かける」
物事に影響を及ばせるために、願い事をします。
上記イメージしやすい5つの「かける」に該当しないので、「掛ける」が正解です。
例題5:思いを「かける」
「思いがけない」とは、自分の思っている事とは違ったことになるという意味です。
先の「願い」と同様、影響を及ぼすために「思い」をかけます。
したがって「掛ける」が正解です。
例題6:水を「かける」
水を浴びせるという影響を及ぼすので、正解は「掛ける」です。
さいごに
以上、「かける」漢字の使い分けについて解説してきました。
「かける」と読む漢字は非常に多くありましたね。
使い分けが難しい場合は、
- ほとんどの場合は「掛ける」
- わからない場合は「ひらがな」
と覚えておけば問題ないですよ。