暑い時期になると、「細目に水分補給をしましょう」といった文章をよく目にします。
しかし実は、この表記は間違いになります。
「こまめに」は漢字ではどう書くのでしょうか?
今回は、「こまめに」の漢字表記や意味などについて、わかりやすく解説していきます。
「こまめに」漢字ではどう書く?ひらがな表記が正しいの?
- 「こまめに水分補給をすることで、熱中症を防げます」
- 「節電のため、こまめに電気を消しましょう」
などのような場合の「こまめに」は、漢字で書くと、「小忠実に」となります。
よく見かける
- 「細目に水分補給をする」
- 「細めに電気を消す」
という表記は、間違った使い方なんですね。
しかし、周りのどこを見渡しても
- 「小忠実に水分補給をしましょう」
- 「小忠実に電気を消しましょう」
と書いてあるものは、全くと言ってもいいほど見かけませんよね。
これは、「忠実」という字が一般的には、「ちゅうじつ」と読まれることから、
「小忠実」 → 「小さなちゅうじつ」 → ?????
このように感じる人が多いためだと思われます。
ですので、「こまめに」の表記は、ひらがなで「こまめに」、もしくは、漢字+ひらがなで「小まめに」と書くのが正しいとされています。
「細目に」「小忠実に」の読み方は?
「小忠実に」の読み方は、「こまめに」です。
「小」はそのまま「こ」と読みますが、「忠実」は「まめ」と読みます。
- 「彼はまめな人だ」
- 「筆まめ」
といった時に使う、「まめ」のことですね。
奈良時代には、「誠実で真面目な様子」、漢字にすると、「忠実」なことを、「まめ」と言っていました。
そこから、時代を経るごとに、
- 「真心をもって相手を思える」→「怠けずしっかり働く」→「気配りができ面倒がらずに行動できる」
このように意味は変化していきました。
このとき、表す言葉は、「まめ」のままでした。
そのため、「まめ」の漢字は、「忠実」になったといわれています。
一方、「こまめ」と間違われる「細目」の読み方は、
- 「さいめ」
- 「さいもく」
- 「ほそめ」
になり、それぞれの読み方で意味が違ってきます。
細目の意味
- さいめ :「粗い織り目」
- さいもく:「細かく定めた項目」
- ほそめ :「細めの目つき」「やや細い程度」「細かいネジのピッチ」
読み方によって、まったく意味が違うなんて、日本語って難しいですね。
「こまめに」の意味や言い換え、使い方は?
「こまめに」は、労を惜しまず、よく働く(動く)さまといった意味になり、
「こまめに」の例文
- 「ミスを未然に防ぐため、こまめに書類をチェックした」
- 「この木は乾燥しやすいので、こまめに水をあげないといけない」
などのように使います。
言い換えの言葉としては、
- 「てきぱき」:物事を手際よく次から次へと処置する様
- 「頻繁に」 :繰り返し行なう様
- 「度々」 :行いや事柄が繰り返し何度も行われること
- 「律儀に」 :義理堅いこと、実直なこと
- 「労を惜しまず」:苦労することを惜しまず取り組むこと
などがあります。
これらの他にも、
- 「しばしば」
- 「何度も」
- 「億劫がらず」
- 「まめまめしい」
のように、「こまめに」には、非常に多くの言い換えの言葉があります。
「こまめに」と「まめに」の違いは?
「こまめに」には、労を惜しまないでよく働くさまという意味があります。
また、「まめに」には、苦労をいとわずに物事にはげむことという意味があります。
どちらも、
- 労を惜しまない
- 面倒がらずにちゃんとやる
- 細かいところまで気を配る
といったニュアンスがあります。
ただし、「まめに」には、まじめであることという意味もあります。
例えば、
例文
「彼はこまめに帳簿を付けます」
このような場合は、「彼は労を惜しまず何度も帳簿を付けます」のように、回数の頻度の高さというニュアンスが強調されます。
一方、
例文
「彼はまめに帳簿を付けます」
このような場合は、「彼は労を惜しまずまじめに帳簿を付けます」のように、真面目というニュアンスが強調されます。
おわかりの通り、「こまめに」と「まめに」には、若干のニュアンスの違いがあります。
さいごに
以上、「こまめに」の漢字表記や意味などについて解説してきました。
実際に、正しいとはいえ、「小忠実(こまめ)に」という表記を使うことはほぼ無く、
- 「小まめに」
- 「こまめに」
と表記するのが一般的になります。
漢字表記や、誤用例も、ちょっとした知識として覚えておいてもいいかもしれませんね。