取られた宝物を取り返した時や、元チャンピオンが王座に返り咲いたときなど、
- 「奪回」
- 「奪還」
という表現をします。
また、強盗などに金品を奪われたときに使う言葉に、「奪取」という表現があります。
それぞれ似た言葉ですが、具体的にはどの様な意味や使い方があるのでしょう?
今回は、「奪回」「奪還」「奪取」の違いや使い方などを、わかりやすく解説していきます。
ちなみに今回のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「奪回」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「奪回」の意味は、奪われたものを取り戻すこと、奪い返すことです。
「回」という漢字には、「まわる、めぐる」という意味のほかに、もとに戻す、かえるという意味があるのです。
「うばう」だけでなく、取り戻すという意味が加わるのが、「奪回」になります。
ですので、
奪回の例文
- 「昨年は準優勝だったので、今年は優勝旗を奪回するぞ」
- 「奪われた政権奪回を目指し再挙を図る」
このように、そのものを、以前保持していたという事が必要になります。
言い換える場合は、その意味のまま、
- 「取り返す」
- 「取り戻す」
などになります。
英語にする場合も、
- 「recapture」(奪い返す)(取り戻す)
- 「retake」(再び取る)(取り戻す)
- 「recover」(取り戻す)(回収する)
などのようになります。
「奪還」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「奪還」の意味も、奪われたものを取り戻すこと、奪い返すことです。
「還」という字も「回」と同様に、もとの場所、状態に戻る、かえるという意味があります。
つまり「奪還」も「奪回」と同じ意味になります。
ですので、
奪還の例文
「昨年は準優勝だったので、今年は優勝旗を奪回するぞ」
→ 「昨年は準優勝だったので、今年は優勝旗を奪還するぞ」
「奪われた政権奪回を目指し再挙を図る」
→ 「奪われた政権奪還を目指し再挙を図る」
と、言い変えても意味は同じになるので、どちらを使っても問題ないと言えます。
「奪取」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「奪取」は、奪い取ること、力ずくで取ることという意味になります。
奪取の例文
- 「窃盗団が数千万の宝飾品や貴金属を奪取して逃走した」
- 「政権を奪取するには手段を選んでいられない」
このように、他人の物を無理やり(強制的に)奪い取るといった場合に用います。
ですので、言い換える場合も
- 「強奪(暴力や脅迫などで強引に奪い取る)」
- 「略奪(暴力的に奪い取って自分のものにする)」
などになります。
英語にする場合は、
- 「capture」(捕らえる)(ぶんどる)
- 「seize」(強奪する)(差し押さえる)
などになります。
「奪回」「奪還」「奪取」の違いと使い分け方は?
「奪回」「奪還」「奪取」は、どれも、欲したものを手中にすることです。
大きな違いは、
- 取られたものを取り返すのか?
- 人のものを奪い取るか?
になります。
例えば、政治の世界で、以前与党だった党が返り咲いて政権を取った場合は、政権を奪回(奪還)したという使い方になります。
逆に、野党だった党が初めて政権を取った時は、政権を奪取したのように使います。
尚、「奪回」と「奪還」は意味も使い方も同じになるので、例文はどちらを使っても問題ありません。
さいごに
以上、「奪回」「奪還」「奪取」の違いや使い方などを解説してきました。
どれも、自分の欲したものを手に入れたときに使う表現です。
しかし、
- もともと自分のところにあったものを取り返す場合
- 他人のものを無理やり奪い取る場合
これらの違いによって、使い方が変わります。
状況に応じて使い分けるようにしてください。