「はばかる」という言葉は3つの意味があります。
それぞれ全く逆の意味で使われることがあり、混乱してしまうかもしれません。
今回は「はばかる」の意味を、わかりやすく解説していきます。
また、「はばかられる」の違いも例文を交えて解説していきますので、最後までごらんくださいね。
わかりづらい言葉を集めました!
「はばかる」の意味と使い方の例!派生した由来は?
「はばかる」には、次の3つの意味があります。
- 気兼ねする。ためらう。
- 幅を利かせる。増長する
- はびこる。いっぱいになる
このうち、よく利用されるのは1つ目と2つ目の意味です。
「気兼ねする」と「増長する」では全く逆の意味になってしまいます。
そのため片方の意味しか知らないと、「はばかる」と使われた時に、聞く方は混乱してしまうかもしれませんね。
「はばかる」の語源は、「阻む(はばむ)」だといわれています。
「阻む」には
- ふさぎとめる
- 拒む
- 気持ちがくじける
などの意味があり、「はばかる」の1つ目の意味に近いですね。
もともとはこの意味でのみ利用されていたのでしょうが、誤用により他の意味が増えました。
「はばかる」を「幅かる」と誤用した結果が2つ目の「幅を利かせる」という意味の由来になったといわれています。
「憎まれっ子世に憚る」ということわざで、この使い方をされることが多いですね。
3つ目の意味の由来は「はびこる」と誤用したためといわれています。
また、「はばかる」は「気兼ねしない」「人目を気にしない」という意味で、「はばかることなく」と否定と合わせて使われることもあります。
はばかるの例文
- 人目をはばかって外出は最小限に抑えている。
- あんな人が出世をするなんていまだに信じられない。まさに憎まれっ子世にはばかるだ。
「はばかる」は、もともと気兼ねをする、ためらうという意味で使われていました。
しかし誤用の結果「幅を利かせる」「はびこる」という意味でも使われるようになりました。
使い方によっては、意味が逆になりますので注意しましょう。
「はばかる」は、「遠慮する」や「差し控える」に言い換えることもできます。
「はばかられる」の意味と使い方の例
「はばかられる」の意味は
- 遠慮すること
- 控えることです。
「られる」が付くため他動詞のように見えますが、相手の行動を表す単語ではなく、自分の行動に対して使う自動詞です。
自分の立場を下げて、行動などを差し控える際に利用されます。
そのため、他人の行動として使うのは不適切です。
また、クッション言葉としても利用することもできます。
はばかられるの例文
- 現状を鑑みて、私が口を出すことははばかられた。
- 私がこんなことを言うのもはばかられますが、お伝えしたいことがあります。
「はばかられる」は、自分の立場を下げて行動などを差し控える際に使い、クッション言葉としても使うことができます。
他動詞に見えますが自動詞であり、他人の行動には使わないほうがいいでしょう。
「出過ぎたこと」「恐縮ですが」などと言い換えることもできます。
さいごに
「はばかる」はもともと「遠慮する」という意味でつかわれていましたが、誤用により「幅を利かせる」「はびこる」という意味を持つようになりました。
「遠慮する」↔「幅を利かせる」では、逆の意味になりますので使い方には気をつけましょう。
意味が全く違うので、誰かが使っていた場合は、文脈から判断しやすいでしょう。
「はばかる」「はばかられる」はどちらも「遠慮すること」という意味があります。
「はばかられる」は、自分の立場を下げて使う言葉のため、より丁寧な印象を与えることができます。
そのため、自分以外には使わないほうがいいでしょう。
厳密には違いますが、「はばかられる」は謙譲語だと思って使うと上手く使えるかもしれませんね。