「並々ならぬ覚悟」「並々ならぬ決意」などを耳にすることがあります。
言葉通りそのまま、「並みではない」という意味ですが、「並ならぬ」や「ひとかたならぬ」とはどう違うのでしょうか?
紛らわしいですよね。
「並々ならぬ」「並みならぬ」「ひとかたならぬ」は、意味こそ同じですが、使い方を間違えると失礼に当たってしまうことがあります。
そこで今回は、「並々ならぬ」「並ならぬ」「ひとかたならぬ」の違いと使い分けを、わかりやすく説明していきます。
最後までごらんくださいね。
ちなみに今回のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「並々ならぬ」の意味と使い方の例
「並々ならぬ」の意味は、並大抵ではないという意味です。
普通であるということを指す「並々」という言葉を打ち消しており、「うわべだけではない」という意味も持っています。
類義語として「ただならぬ」などの言葉があり、「尋常ではない」「きわめて」「とても」と言い換えることもできます。
「並々ならぬ」は自分だけでなく、他人にも使うことができ、敬語と合わせて使うことができます。
また「並々ならぬ」は書面でも使うこともできます。
「大変お世話になりました」という言葉を「並々ならぬご厚志をありがとうございます」というように言い換えて使うことができます。
「とても」「大変」という言葉はありきたりであるため、そういった表現を避けたいときに利用するのがいいでしょう。
並々ならぬの例文
- オリンピックに出場している選手たちは、皆、並々ならぬ努力をしている。
- 平素は、並々ならぬご愛顧ありがとうございます。
普通ではないという事を表す際に「並々ならぬ」は利用されます。
「並々ならぬ」と「並ならぬ」「ひとかたならぬ」との違いは?使い分け方は?
「並々ならぬ」と「並ならぬ」は同じ意味です。
「並ならぬ」はそのまま並ではないという意味であるため、同じように使って問題ないでしょう。
しかし「並ならぬ」という表現はあまり使われることなく、「並々ならぬ」という言い回しが一般的です。
「ひとかたならぬ」は「普通以上の」「並大抵ではない」という意味です。
普通であることを意味する「ひとかた」を打ち消すことで普通では無いことを表しています。
「並々ならぬ」と同じ意味ではありますが、主に感謝を述べる際に使われます。
ただ、安易に使うと、逆に嫌味に聞こえてしまうことがあるため、本当に感謝を伝えたいときだけの利用がいいでしょう。
「ひとかたならぬ」と「並々ならぬ」の違いは、その対象です。
「並々ならぬ」は、自分だけでなく、他人にも使うことができる言葉です。
しかし「ひとかたならぬ」は、他人にしか使わないという違いがあります。
自分や、自分の行動に対して使うのは、間違った使い方のため気をつけましょう。
「ひとかたならぬ」がよく使われるのは、退職、転勤時などの改まった場です。
それ以外では年賀状やお礼状などの文中で使われることが多いです。
ひとからならぬの例文
- 今回はひとかたならぬご尽力を賜りありがとうございました。
「ひとかたならぬ」は普通ではないことという意味ですが、自分に使うことはありません。
感謝を述べる際に利用されることが多く、あらたまった場や文面にで使われることが多いです。
さいごにまとめ
- 「並々ならぬ」
- 「並ならぬ」
- 「ひとかたならぬ」
は意味としては同じです。
「普通ではない」さまを指しますが、対象や場面によって使い分ける必要があります。
特に「ひとかたならぬ」は自分に対して使う言葉ではないため、注意が必要です。
「並々ならぬ」であればどちらにも使えるため、迷った場合はこちらを使いましょう。
「並々ならぬ」「並ならぬ」は使い方も意味も同じですが、一般的には「並々ならぬ」が使われることが多いです。
それぞれうまく使い分けてくださいね。