「ごまんといる」は、たくさんいるという意味であることは何となく理解できますよね。
でもなぜ「ごまん」なのでしょうか?
また、数字の「五万」と関係はあるのでしょうか?
今回は、「ごまんといる(ある)」の意味や由来などについて、わかりやすく解説していきます。
わかりづらい言葉の意味をまとめました
「ごまんといる(ある)」の意味や由来は?数の漢字はなぜ五万なの?例文で解説
実は、「ごまんといる」という言葉自体は、辞書に載っていないんです。
「ごまんといる」は、「ごまんと」と「いる」が合わさった言葉になります。
「ごまんと」は、たくさんあるさま、山ほどという意味になります。
ですので、「ごまんといる」は、
- たくさんいる
- 山ほどいる
という意味になります。
例えば、
「ごまんといる」の例文
- 「あなたと同じようなことを考えている人はごまんといます」
- 「不満を言う人はごまんといるが、改善しようとする人は誰もいない」
などのように、正確な人数は分からないが、とにかく人数が多いことを表したい時に用います。
一般的には、平仮名で「ごまんといる」と表記しますが、漢字で表す場合は、「五万といる」と書きます。
この場合の「五万」は、あくまで当て字になるので、実際の人数を表しているわけではありません。
「ごまんと」の由来は、江戸時代に使われていた、数が多いさまを表す、「まんと」に「ご」を付けて、「ごまんと」になったと言われています。
また、非常に数や量が多いことを意味する、「巨万(きょまん)」という言葉の響きが変化して、「ごまん」と読むようになったとも言われています。
ちなみに、「ごまんとある」といった場合は、
- たくさんある
- 山ほどある
という意味になります。
「ごまんといる」が、人に対して使うのに対し、「ごまんとある」は、次のように使います。
「ごまんとある」の例文
- 「優秀な作品はごまんとあるから、審査員に注目されるのは至難の業だ」
- 「私はまだやり残したことがごまんとあります」
このように、人以外のものに対して使うという違いがあります。
「ごまんといる」の英語表現、言い換えは?例文で解説
「ごまんといる」を英語表記する場合、一般的に使われるのは、
- 「There are millions of ~」
になります。
「million」は「100万」という意味になりますが、語尾に「-s」をつけることで、「数100万の」 = 「非常に多くの」という意味で使われます。
例えば、
- 「There are millions of Japanese in the area」
という文章の場合、直訳すると、「その地域には日本人が数百万人いる」ですが、「その地域には日本人がごまんといる」という意味でも使われます。
他にも
- 「Gazillion(ガジリオン)」
という表現があります。
「Gazillion」には「Million(100万)」「Billion(10億)」といった単位がありません。
つまり、単位がないほど膨大な数、量という意味のスラングとして使われています。
ですので、「私はやることがごまんとある」は、
- 「I have a gazillion things to do」
と表現することが出来ます。
言い換える場合は、同じように、「たくさんいる」といった意味の、
- 「星の数ほど」:(同じようなことを考えている人は星の数ほどいます)
- 「わんさと」:(不満を言う人はわんさといる)
になります。
また、「必要以上にたくさんいる」といった意味の、
- 「有り余るほど」:(同じようなことを考えている人は有り余るほどいます)
- 「腐るほど」:(不満を言う人は腐るほどいる)
などにも言い換えられます。
「ごまんとある」と「掃いて捨てるほど」の違いは?
「ごまんといる」と同じような意味の言葉に、「掃いて捨てるほど」があります。
意味は、非常に多くて有り余るほどいるとなり、「ごまんといる」とほぼ変わりがありません。
ただし、「掃いて捨てるほど」の由来が、ごみのように、掃き集めて捨てるから来ている事から、
- 「たくさんいるから大したことない」
- 「たくさんいるから丁重に扱わなくてもいい」
のように、「ごまんといる」よりもマイナスなニュアンスが強い、という違いがあります。
さいごに
以上、「ごまんといる(ある)」の意味や由来について解説してきました。
「ごまんといる」は、「たくさんいる」ことを表しますが、正確な数は分からない、少しオーバーな表現として使われます。
そのため、正確な数字が求められる、ビジネスシーンでは不向きになりますので、注意が必要です。
うまく使ってくださいね。