秋の俳句を作る宿題が出たけど、どうやって作ったらいいでしょうか?
秋晴れの使い方が知りたいです。
日本には「俳句」という文化があります。
五・七・五の十七音で、季節を表す言葉となる季語を入れて作られる、世界一短い定型詩の一つです。
- 音(文字数)がはっきりしている
- 季節を表す言葉を入れる
といったルールがはっきりしているため、表現力や文章力を鍛える目的で、国語の授業に取り入れられています。
今回は秋の季語の一つである「秋晴れ」を例に挙げて、俳句の作り方や例文をご紹介していきます。
- 「俳句を作る宿題が出たけど、どうやって作ったらいいか分からない…」
- 「子供に俳句の作り方を聞かれたけど、どう説明しよう…」
とお困りのお子さんやお母さんはぜひ参考にしてくださいね。
参考記事
季語「秋晴れ」の意味と使い方は?
「秋晴れ」とは、秋に見られるどこまでも晴れ渡るような青空のことを指す秋の季語の一つです。
- 台風が通過した翌日
- 移動性高気圧に覆われた日
にはこのような天気を見ることができます。
- 空気が乾燥している
- 対流が弱く埃や塵が舞い上がりにくい
- 台風などで雨が降った次の日は空気中の埃や塵が洗い落とされる
- 夏ほど日差しが強くない
などの理由から、秋晴れの日はとても清々しく、澄み切った青空を見ることができますね。
「秋晴れ」という言葉が入っているだけでも、気持ちまではればれとするような、爽やかな秋の情景を彷彿とさせます。
「秋晴れ」という言葉の実際の使い方を、例文で見てみましょう。
【小学生向け】秋晴れを使った俳句の例文2つ
まずは分かりやすい例として、「秋晴れ」を使ったシンプルな俳句を二つほど作ってみます。
秋晴れの例文1
秋晴れて 下で駆けゆく 赤白帽(あかしろぼう)
【解説】
秋晴れの爽やかな青空の下で、赤白帽を被った子供たちが元気に走っていきます。
秋の行事の一つ、運動会でのワンシーンを切り取ったものです。
秋晴れの例文2
秋晴れの 海で魚が 泳いでく
【解説】
秋晴れと同じく、秋の空でよく見られる光景で「うろこ雲」というものがあります。
青空に小さな雲が連なって浮かぶ様子が魚の鱗に見えることから、この呼び名が付きました。
秋晴れの空の青を海の青に、うろこ雲を魚の群れに例えて詠んだ一句です。
【小学生向け】秋晴れを使った有名な俳句二つ
俳句には、季語ごとに集めて分類した「歳時記」という本があります。
今度は歳時記の中から「秋晴れ」を使用した俳句をご紹介します。
秋晴れを使った有名な俳句1
ピストルが ポンと秋晴 万国旗
/塩見恵介
【解説】
万国旗(ばんこくき)とは、運動会などの飾り付けで使われる、さまざまな国の国旗を並べてロープで繋げたもののこと。
徒競走などの合図で使われるピストルの音が、秋晴れの下で響いている様子が浮かびますね。
秋晴れを使った有名な俳句2
秋晴を 五重塔に 乗せてをり
/稲畑汀子
【解説】
大きなお寺で時々見かける五重塔(ごじゅうのとう)の後ろに、秋晴れの澄み切った青空が広がっている様子を表現した一句です。
雄大さと荘厳さを感じさせる光景に、思わず圧倒されてしまいそうですね。
【簡単わかりやすい】秋晴れを使った俳句の作り方は?コツを3つ
例文をいくつかご紹介したところで、「秋晴れ」を使った俳句の作り方のコツをご紹介します。
コツ1:「秋晴れ」+一文字
「秋晴れ」は、文字数にすると四文字の単語です。
ということは、「秋晴れ」に何か一文字くっつけるだけで、上の句(最初の五文字)もしくは下の句(最後の五文字)ができることになります。
「秋晴れの」「秋晴れて」の先に文章を繋げるほか、感嘆詞である「や」を付けて「秋晴れや」とすることで、秋晴れの清々しさをより強調することができます。
また、「秋晴れ」という言葉をそのまま俳句に入れる他にも、「秋の晴」と言い換えて使うこともできます。
コツ2:「秋晴れ」から連想される光景を言葉にしてみる
どこまでも晴れ渡るような青空を言い表す言葉である「秋晴れ」は、見ているだけでも清々しく爽やかな気持ちになれますね。
そして、同じように秋に見られる光景といえば、色付き始めた紅葉だったり、学校や町内会で開催される運動会だったりします。
実際にその光景を思い浮かべながら、五・七・五の十七音のリズムに合わせて言葉を並べてみましょう。
コツ3:季語は一句につき一つまで
俳句は、基本的に一句につき季語を一つ入れるようになっています。
「運動会」「紅葉」なども「秋晴れ」と同じく秋の季語となるため、他の言葉に置き換えてあげると綺麗にまとまりますよ。
「秋晴れの使い方について」のさいごに
意外と目にする機会が多い俳句は、
- お茶のペットボトルのカバーに載っている
- 芸能人がプレバトなどテレビで披露している
など、大人から子供まで全世代で楽しめる言葉遊びの一つです。
また、秋晴れの他にも、鮮やかに色付く紅葉や、鈴虫などの虫の声など、秋は俳句の題材になりそうなものがたくさんありますよね。
夏の暑さが過ぎ去って過ごしやすくなる秋の夜には、お子さんと一緒に俳句を作って遊んでみませんか?