秋の夜長ってどういう意味?
夜が長いのは冬じゃないの?
「秋の夜長を鳴き通す、ああ面白い虫の声…」
子供の頃、こんな歌詞が入った歌を習ったことがありませんか?
この曲は「虫のこえ」という曲です。
鈴虫やこおろぎなど、秋の夜に鳴き出す、さまざまな虫の声を楽しむ姿を描いた日本の伝統的な童謡です。
私も子供の頃に習いましたし、もしかしたらあなたも、お子さんも学校で習っているかもしれませんね。
ところで、「秋の夜長」という言葉、少し不思議じゃありませんか?
単純な夜の長さで言えば冬の方が長いのに、「冬の夜長」という言葉はありませんよね。
今回は「秋の夜長」の意味や使い方について、詳しくお伝えしていきます。
どうぞ最後までご覧ください。
秋の夜長とは?意味や由来は?時期はいつ?
「秋の夜長」とは、秋になって日照時間(日が出ている時間)が短くなり、夜の時間が長くなることを指した言葉です。
元々俳句などに使われる秋の季語で、「夜長」という言葉があります。
しかし「秋の夜長」は日常会話でも使われる言葉です。
私たちが住む日本では、四季の変化に伴って、日照時間が変わりますよね。
日照時間が一番長い夏至を迎えたあとは、徐々に短くなり、秋分の日の頃には昼と夜の長さが同じになり、冬が近付くにつれて、夜の方が長くなっていきます。
「秋の夜長」は昼と夜の長さが同じになる秋分の日の頃から、冬の始まりとされる立冬の頃までの期間を指します。
秋の夜長はなぜ「秋」?夜が長いのは冬じゃないの?
「でも、実際に一番夜が長いのは冬至の頃なのに、なんで秋の夜長って言うの?」と思われているでしょうか。
先ほどお話しした通り、「秋の夜長」は昼と夜の長さが同じになる秋分の日の頃から、冬の始まりとされる立冬の頃までを指すことが多いです。
この頃になると、夜の長さが伸びるのに比例して、夏の暑さが過ぎ去って徐々に涼しくなっていきますよね。
「秋の夜長」には、
- 涼しくなって過ごしやすい夜になったなあ
- 秋分が過ぎて、これからどんどん夜が長くなるなぁ
という喜びの気持ちも込められているんです。
ですので、秋の夜長で意味はあっているんですね。
秋の夜長は英語では何ていう?
「秋の夜長」は英語にすると「the long autumn evenings」となります。
「the long」で「長い」、「autumn evenings」で「秋の夜」と考えると分かりやすいですね。
秋は「fall」、夜は「nights」に置き換えることもできますよ。
秋の夜長の使い方を例文で解説
では、実際に「秋の夜長」を使った例文を見ていきましょう。
例文
- 秋の夜長には、読書をして楽しむのが良い。
- 窓を開けた時に虫の鳴き声が聞こえると、秋の夜長を感じる。
- 秋の夜長とは言うが、夜更かしには気をつけよう。
「秋の夜長」という言葉は、
- 秋になって夜が長くなってきたこと
- 涼しくなって夜が過ごしやすくなってきたこと
これらを喜ぶ気持ちが込められているため、ポジティブな話題に使われることがほとんどです。
秋の夜長にまつわることわざ3つ!
最後に、秋の夜長に関連したことわざをご紹介します。
秋の夜長にちなんだ「ことわざ」
- 秋の日は釣瓶落とし(水を汲むための桶=釣瓶が井戸の中にスルスルと落ちていくように、秋は一旦日が暮れ始めるとすぐに暗くなってしまうこと)
- 暑さ寒さも彼岸まで(お彼岸にあたる春分の日・秋分の日を境に、それまでの暑さや寒さが和らいで過ごしやすくなること)
- 灯火親しむべし(気候も良く夜の長い秋は、明かり=灯火の下で読書をするのに適しているということを示す、中国の文人・韓愈の書いた漢詩が由来の言葉)
「秋の夜長の意味や使い方」のさいごに
読書の秋、芸術の秋などとも言うように、夏が過ぎ去って、過ごしやすくなる秋には、新しいことに挑戦してみるのもいいですよね。
今年の秋の夜長には、お子さんと一緒に読書を楽しんだり、音楽や映画観賞で感性を磨いてみるのはいかがでしょうか。