ここでは、「仲を取り持つ」について解説していきます。
端的に言えば、「二者の仲立ちをする」という意味ですが、その中にも幅広いニュアンスが含まれています。
小さいお子様でも分かるようなシチュエーションも紹介していますので、これを見てより理解を深めて下さい。
「仲を取り持つ」の意味は?間違い例と正しい例は?
「仲を取り持つ」は
- 二者の(双方の)仲立ちをする
という意味になります。
「仲立ち」には
- 二者の間に立って、事がうまくまとまるように世話すること
という意味があり、人間関係や商売関係などで、双方の関係を良好にするという表現で使われます。
本来「仲」には
- 人と人の間に立ってとりつぐこと
「取り持つ」には
- 二者の間に入って良好な関係を結ばせる
という意味がそれぞれあります。
そこから、「仲を取り持つ」は
- 二者の関係を現状より良くしていく
という意味になりました。
使い方としては、
例文
- 「夫婦げんかの間に入り、二人の仲を取り持った」
- 「交渉が決裂してしまったが、公平な立場の第三者に仲を取り持ってもらい、修復するこ とができた」
のようになります。
分かりやすい具体例としては、

Aさん:「サッカー部のB君ってかっこいいよね」
「あんな人とお友達になりたいな」

Cさん:「私、家が近所でよく知っているから、今度紹介するね」
このような場合、この時のCさんの状態が「仲を取り持つ」になります。
他にも、上下関係や商売関係などでも使いますが、この様な恋愛関係のシチュエーションが一番イメージしやすいのではないでしょうか。
注意するのは、双方の間を良好にする表現になるので、
間違い例
- 「自分の会社の利益を上げるために、他社の間の仲を取り持ってトラブルを起こさせようとした」
のように、双方の不利益になるような場合は、基本的には使いません。
「仲を取り持つ」の類語、言い回し、対義語は?英語では何ていう?
「仲を取り持つ」の類語に「斡旋する」があります。
「斡旋する」は
- 間に入って双方をうまく取り持つ
という意味があります。
- 先輩に就職先を斡旋してもらった。
- 労働問題が長期化しているので、斡旋での解決を図った。
のように、人材紹介や労使問題などでよく使われます。
「間に入る」も同じような意味があります。
「間に入る」は
- 両方の中間に立つ、両者の取り持ちをする
という意味があります。
- 彼に間に入ってもらったおかげで、商品が安く買えた。
- 彼女と結婚が出来たのは、友人が間に入ってくれたからです。
のように、主に間に立ち、双方の関係をよくしようと言う意味で使われます。
「仲を取り持つ」の対義語には「離間」があります。
「離間」には
- 仲たがいをさせること、互いの仲を裂くこと。
という意味があります。
「彼が父と私を離間しようとしている」
と言ったように使います。
- 離間策:仲たがいをさせようとするたくらみ
- 離間計:対象の仲を裂くことで状況を打破する戦術
のような単語としても使われます。
「仲を取り持つ」の英訳は、「仲裁」の意味の
「arbitrate」
「調停」「和解」の意味の
「mediating」
があります。
- 「She arbitrated between them」(彼女は彼らの仲を取り持った(仲裁した))
- 「the position of mediating between two parties」(二者の間の仲を取り持つ(和解す る)役目)
のように使います。
「仲を取り持つ」と「口利きをする」の違いは?
「口利きをする」は
- 間に立って紹介や世話をすること
- 交渉や談判の上手い人
といった意味があります。
例文
- 「父の口利きのおかげで就職することが出来ました」
- 「予約を取れない宿に口を利いてもらい宿泊できた」
のように使います。
「仲を取り持つ」の場合、
- 「二者の関係を現状より良くしていく、結びつける」
という意味合いが含まれます。
一方「口利きをする」の場合は、
- 「間に入って紹介や世話をする」
という意味になり、必ずしも「関係を良好にする、結びつける」というニュアンスは含まれていません。
さいごに
以上、「仲を取り持つ」の意味や使い方を解説してきました。
似た意味の言葉には
- 「仲介をする」
- 「紹介をする」
- 「仲立ちをする」
- 「口添えをする」
- 「橋渡しをする」
など、多くが挙げられます。
それぞれ少しずつ意味が異なるので、意味をよく理解して適切な表現を使えるようにしましょう。