いかなごがスーパーマーケットで並べられるようになると、春の到来を感じさせます。
くぎ煮にして、あったか~いご飯にのせていただくのが格別ですね。
でも出始めのいかなごって小魚なので、ぱっと見、しらすとかちりめんじゃこに似ていますよね。
それに、「しらす」とか「ちりめんじゃこ」って、そもそも何なんだ?って思いませんか?
魚の名前?商品名?う~ん難しい(*_*)
また名古屋から関東にかけて売られている「こうなご」もいかなごにそっくりです。
で、今回はそんな似ているもの、「いかなご」「しらす」「こうなご」について、深く掘り下げてみましたよ。
最後まで読んでいただければ、それぞれの特徴と違い、漢字での書き方はもちろん、おいしい食べ方のアレンジもわかっていただけます。
そうすれば、家族での食卓でいかなごが並んだときに、会話にもちょっと花が咲きそうですね!
それではどうぞ。
いかなごとは?漢字ではどう書くの?
さて、いかなごとしらすの違いを知る前に、いかなご、しらすのそれぞれについて、詳しく調べてみましょう。
すると両者の違いが簡単に理解でき、さらに違いがわかりづらい、「ちりめんじゃこ」、「こうなご」などとの違いもわかるようになりますよ。
まずいかなごとは、イカナゴ科に分類される魚類です。
3,4年で成魚になり、20~25cmくらいになります。
私たちが好んで食べる「いかなごのくぎ煮」は、冬に生まれて間もない、いかなごの稚魚を甘辛く煮たものなんですね。
そしてこのいかなごの稚魚は、生まれて1年未満の、体長10cmくらいまでのものを指します。
春先に魚売り場で見かける、透明感のある新鮮な稚魚は、成魚に比べて値段も高いですね。
また漢字では、「玉筋魚」「如何子」と書きます。
「玉筋魚」の方は、全くの当て字なので、これは覚えるしかありませんね・・・
「玉」には群れている様子、「筋」には細い、泳いでいる姿が筋のように見えるという意味があるそうです。
食べ方は、くぎ煮以外でも、釜揚げ、刺身、丸干しでもOK。
小魚が大好きな人にとって、この「いかなご」は年中欠かせない魚なんですね!
さてここまでで、いかなごとは、「魚の名称」であることがわかりました。
次はしらすについて見ていきましょう。
しらすとは?簡単に言うと・・・
先程の「いかなご」が魚の名前だったのに対し、「しらす」はそうではありません。
実はイワシ、アユ、ニシン、ウナギ、イカナゴなどの稚魚の総称なんです。
イワシにしろ、イカナゴにしろ、生まれて間もない時期は、みんな「しらす」と呼ぶわけ。
卵からかえって、2センチくらいに育つまでの間が「しらす」と呼ばれるんですね。
漢字では「白子」と書きます。
また「しらす」は食品名としても考えることができます。
よくスーパーで並んでいるのを見かけますよね。
でもこのしらす、乾燥加工する段階で食品名が変わるんです。
それはつまり・・・
- 獲れたてのものが「しらす」「生しらす」
- 釜ゆでしたものが「釜揚げしらす」
- 2時間ほど、軽く乾燥させたものが「しらす干し」
- 半日ほど、よく乾燥させたものが「ちりめん」「ちりめんじゃこ」
と、呼び名が変わるわけ。
で、これまでをまとめると、「しらす」は魚の名前じゃなくて、「いかなご」も含む稚魚の総称。
乾燥段階によって、呼び名が変わるということです。
見た目も変わるから、呼び名も変わるというのは、言われてみれば納得できます。
さてあなたはどれが好みですか?
いかなご しらす こうなごの違いはコレ!
「いかなご」「しらす」の言葉の意味がわかったところで、もう少しつっこんで両者を比較してみましょう。
地方や成長段階によって呼び方が違うの?
同じ「いかなご」という魚でも、地方、地域のよって呼び名が違います。
下の表をご覧ください。
いかなごの別名
呼び名 | 地方・地域 |
こうなご(小女子) | 関東 |
めろうど(女郎人) | 東北 |
かなぎ(金釘) | 九州 |
おおなご(大女子) | 北海道 |
かますご(加末須古) | 京都 |
これだけの別名があるのは、いかなごが全国的に愛されている証拠なんですね。
また、いかなごの成長段階でも呼び名が変わります。
- 体長が4,5センチまでを「しんこ(新子)」
- それ以上の成魚のことを「ふるせ(古背)」
と呼びます。
うぅ~ややこしくなってきた( TДT)
でもこれで、「いかなご」と「こうなご」は同じもので、地方による呼び名の違いだってことがわかりました。
ちなみに、しらすに関しても、
- 関東では「しらす」「しらす干し」
- 関西では「ちりめんじゃこ」「ちりめん」「じゃこ」
など、地方によって呼び名が違うようです。
美味しい時期は?旬は?
- いかなご・・・しんこは2月下旬~3月上旬、ふるせは3月~4月
- しらす・・・マイワシのものは3月下旬~5月、カタクチイワシのものは9月~10月
いかなごは、はっきり春が旬でおいしいとわかりますが、しらすは年中おいしくいただけます。
さいごに
- 「いかなご」と「こうなご」は同じもの
- 「いかなご」と「しらす」は違うもの
ここまで読んでいただいたあなたなら、わかっていただけたかと思います。
これでモヤモヤもスッキリして、いかなごのくぎ煮をご飯の上にたっぷりのせて、おいしくいただけますね!
お子様にもわかりやすく、それぞれの違いを教えてあげてください。
ところで、いかなごの食べ方で、おいしいアレンジがあるので、ちょっとお伝えしますね。
そのアレンジとはズバリ!
「いかなごたまごかけごはん」なんです。
普通のたまごかけごはんなら、醤油が必要なんだけど、この「いかなごたまごかけごはん」は、くぎ煮の甘辛い味付けが卵との相性が抜群で、醤油はなしでOK!
春ならではのたまごかけごはんということで、けっこう兵庫県ではメジャーになってるんですよ。
あなたも一度試してみてくださいね。