甘柿だと言われてもらってきた柿が、実は渋柿だったんです!
先日、ヒドイ目にあってしまいました。
渋柿をそのまま食べてしまって、ペッペッってなったのですが、時すでに遅し。
すぐに口の中を水でゆすいだのですが、渋さはなかなか消えないし、3時間くらいはテンションが下がってしまいました(>_<)
その時は、甘柿だと思い込んで食べたということもあって、渋柿か甘柿かを判別しようとは思いませんでした。
もしあなたが渋柿と甘柿の見分け方を知っていれば、少なくとも私のような失敗はしなくて済みますよね!
では実際のところ、渋柿と甘柿は見た目で判断できるのでしょうか?
そこで今回は、あなたが私と同じ思いにならないよう、
- 渋柿と甘柿の違いは?
- 渋柿と甘柿の見分け方は?
について詳しくお伝えしていきますね!
最後まで読んでいただくことで、おいしい柿の見分け方も分かるようになりますよ。
それでは楽しみながら参りましょう!
渋柿と甘柿の違いは?
品種の違いなの?
もしかしたらあなたは、元々「渋柿」「甘柿」という品種があって、そこで渋柿と甘柿に分類されていると思っていたのではありませんか?
実は違うんですよ!
どんな品種の柿でも、熟していないうちは、すべてが渋いです。
やがて柿の実が大きく熟していくあいだに、たまたま甘柿になるものが出てくるんです。
柿がなぜ渋いのかは後述しますが、要するに「甘柿=渋くない柿」ということだったんですね!
昔、その渋みが抜けた甘い柿に目をつけた偉い人が、接ぎ木という手法で現在の甘柿を広めていきました。
柿の品種は1000以上あると言われていますが、大きく分けると次の4つに分類されます。
- 完全甘柿:種があってもなくても渋くないもの
- 不完全甘柿:種が成長して熟すと渋が抜けるもの。種が無い場合は渋柿
- 不完全渋柿:基本的には渋柿だが、種の周りの一部分が渋が甘くなるもの
- 完全渋柿:すべて渋い。渋抜きが必要
ここでは簡単に、「完全甘柿の品種以外は渋柿の可能性がある」とだけ覚えておきましょう!
ちなみに完全甘柿の代表的な品種に富有や次郎があります。
渋柿と甘柿の違いが、渋さの有無だということが分かったところで、今度はその渋さについて見ていきましょう(^^)
柿はなぜ渋いの?
柿がなぜ渋いのかが分かると、渋くない柿が甘柿だという理屈もよく分かりますよ。
まず、柿の渋みの元となる成分はタンニンと呼ばれています。
このタンニンは、渋柿にも甘柿にも含まれています。
「じゃあ、両方とも渋くなるのでは?」って思うかもしれませんね。
実はタンニンには、
- 水溶性=水に溶けるもの
- 不溶性=水に溶けないもの
という2つの性質があって、水溶性タンニンは私たちが分泌する唾液にも溶けるんですよ。
もう想像がつきますよね?
そう、渋柿には水溶性タンニンが含まれていて、口に入れるとタンニンが溶け出し、私たちは渋みを感じるんです。
一方で柿は熟していくと、水溶性タンニンから不溶性タンニンへと変化していきます。
甘柿はタンニンが含まれているとは言え、不溶性タンニンに変わっているので、口の中にタンニンが溶け出さず渋みを感じないんですね。
つまり、渋柿と甘柿の違いは「口の中でタンニンが溶け出すか出さないか」の違いだったんです!
これで、先ほど言った、「甘柿=渋くない柿」という意味がわかっていただけたかと思います。
以上のことを踏まえると、次の章で考える渋柿と甘柿の見分け方のヒントになりそうですよ。
渋柿と甘柿の見分け方は?
一般的に言われている渋柿と甘柿の見分け方は、次の3つです。
- 半分に切った時「ゴマ」と呼ばれる黒い点点があるかどうか
- 見た目(形状・大きさ)
- 少しかじってみる
これらについて順に考察してみましたよ!
半分に切った時「ゴマ」と呼ばれる黒い点点があるかどうか
先ほどの章で、渋みの成分「タンニン」が口の中で・・・
- 溶け出すもの(水溶性タンニン)⇒渋柿
- 溶け出さないもの(不溶性タンニン)⇒甘柿
だと言いましたよね?
実は柿を割った時、この不溶性タンニンを目で確認することができるんですよ。
柿の切断面に注目してください。
黒ゴマのような黒い点点がありませんか?
この黒い点点が「ゴマ」と呼ばれる不溶性タンニンなんです!
ということは、ゴマが確認できれば、その柿は熟して不溶性タンニンに変化しているので、甘柿の可能性があリます。
ここで、「可能性がある」としたのは、例外があるからなんです。
不完全渋柿のように、種の周りにゴマが確認できたとしても、ほとんどが渋いというパターンがあるんですね。
したがって、この見分け方はかなり有力なんですが、100%ではありません。
見た目(形状・大きさ)
甘柿の見た目の特徴を知っておけば、ある程度の判断材料にはなります。
甘柿は一般的にずっしりと重量感があって、形は四角いものが多いです。
一方、渋柿は先が尖っているような縦長の形状です。
干し柿に使っている柿をイメージしていただければ、分かりやすいですね!
しかしこの見分け方も確実ではないので、参考程度にしておきましょう。
少しかじってみる
当たり前じゃん!って思うかもしれませんね?
ゴマの有無、形状などである程度判別できたとしても、100%でない以上、「少しかじってみる」というのが最も確実な見分け方となります。
どの柿にも例外があるからなんですね。
ちなみに、完全甘柿の品種を全て覚えれば、判別可能かもしれませんが、品種がたくさんありすぎて現実的ではありません。
渋柿と甘柿を見分けることよりも大事なのは、渋柿をおいしくいただく方法を知っておくことだと言えますね。
さいごに
もしかじってみた柿が渋かったとしても、落ち込むことはないですよ。
渋を抜く方法を知っていれば、おいしくいただけますから。
そこで、渋の抜き方を簡単に覚えておきましょう。
- 40°くらいのお湯に1日つけておく
- ドライアイスの入った袋に入れて2,3日おく
- ヘタを焼酎に浸してから新聞にくるんで、ビニル袋に入れて5日間おく
これらの渋の抜き方が一般的に用いられています。
また、おいしい柿を見分けるポイントは・・・
- ヘタが実にピタッとくっついている
- ヘタの緑色が鮮やか
- 実のオレンジ色が均一
- ズシッと実が詰まった感じ
ですね!
以上、渋柿の違い、見分け方、渋の抜き方、柿の見分け方がわかれば、今まで以上に、秋の味覚である柿をもっと楽しむことができますよね。
さあ今から街やスーパーに柿を見に行きましょう!
おいしい柿が見つかるといいですね~♪