「ひな祭りに食べるのは、ちらし寿司と五目寿司のどっちなんだろう?」
3月3日、ひな祭りの定番と言えば、ひなあられ、ちらし寿司、桜餅、菱餅などですよね。
どれもカラフルで、春到来!とウキウキな気分にさせてくれるおいしいもの。
中でもちらし寿司は、錦糸卵の黄、さやえんどうの緑、蓮根の白、エビの赤など、味もさることながら、見た目で楽しめます。
でもあなたが食べているソレ!本当にちらし寿司ですか?
よく似た料理に、五目寿司とばら寿司ってのもありますよ。
試しにインターネットで「ちらし寿司」と検索してみてください。
どうですか?
クックパッドをはじめとして、ずら~っと五目寿司が並んでいませんか?
それぞれの厳密な違いって、あるのかどうかわかりにくいですよね?
そこで今回は、ちらし寿司と五目寿司とばら寿司の違いについて、とことん深掘りしていきましょう!
- ちらし寿司と五目寿司の違いは?
- ばら寿司とは?ちらし寿司や五目寿司と同じ?
この順で、それぞれの違いをわかりやすくお伝えしていきますね。
最後まで読んでいただければ、ご家族にも教えてあげられるようになりますよ。
それではどうぞ。
ちらし寿司と五目寿司の違いは?
ちらし寿司とは?
ちらし寿司を漢字で書くと、「散らし寿司」となります。
この「散らす」という動作。
あなたはどんな風にイメージしますか?
私はなんとなくなんだけど、上からパラパラと具材をまくようなイメージです。
そうなんです!
例えば江戸前寿司だと、酢飯の上に、にぎり寿司に使われるネタを並べたものを「ちらし寿司」と呼んでいるんですね。
これは海鮮丼のご飯の部分を、酢飯に代えたようなイメージです。
そしてこれが一般的なちらし寿司の定義となっているようですね。
しかし私はこの定義にいまいちピンときませんでした。
なぜなら私は関西在住だからです。
あなたはどうでしたか?
実は、このちらし寿司の定義は地域によって違いがあったんです。
関東地方以外だと、上に具材を載せるのではなく、具材を混ぜこんだものを「ちらし寿司」と呼ぶ場合があります。
こちらの場合は、かやくご飯のご飯の部分を酢飯にしたようなイメージですね。
したがってちらし寿司は厳密に言うと、「江戸前ちらし寿司」と「五目ちらし寿司」に分けられます。
つまり・・・
- 江戸前ちらし寿司⇒具材を上に載せたもの
- 五目ちらし寿司⇒具材を混ぜ込んだもの
という訳です。
では本題の「五目寿司」とはなんなのでしょうか?
これは先の「五目ちらし寿司」を読みやすく、短くしたものだったんです。
一般的にひな祭りによく食べるのは、この「五目ちらし寿司」になります。
冒頭で言ったように、「ちらし寿司」と検索したら、五目寿司がヒットするのは、こういった理由だったんですね。
実際に「ちらし寿司の作り方」と検索窓に入れて調べてみると、実際には「五目ちらし寿司の作り方」が出てきますよ!
あなたも試してみてください。
さて先に言ったとおり、地域差を考慮すると・・・
- 関東⇒ ちらし寿司≠五目寿司
- その他の地域⇒ ちらし寿司=五目寿司
となります。
よって、その他の地域だと、上に具材をのせたタイプのものは、「江戸前ちらし寿司」または「生ちらし寿司」として区別しています。
五目寿司の「五目」とは?
ところで五目寿司の「五目」とはどういう意味なんでしょうか?
五目寿司のほかにも、よく「五目ごはん」「五目そば」「五目豆」などでも、「五目」という言葉が使われていますよね。
この「五目」という言葉を辞書で調べてみると、「5つの品目」という意味よりは、むしろ「いろいろな」という意味に近い表現なんですね。
したがって五目寿司の具材は、必ずしも5品目とは限らないということ。
「いろいろな具材が入ったちらし寿司」という意味だったんです。
実際に五目寿司には、エビ、アナゴなどの魚介類や、甘辛く煮たかんぴょう、しいたけ、にんじんなど、たくさんの具材が入っています。
また使われる具材も、地域によって違います。
その土地その土地の特色が出るのも楽しいですね。
ではこれまでのことをまとめますね。
まず、ちらし寿司は・・・
- 具材を上に乗せるタイプ
- 具材を混ぜ込むタイプ
の2種類に分かれる。
そして、2のタイプがいわゆる五目寿司である。
しかし地域によって、ちらし寿司と五目寿司の意味が、同じ場合と違う場合がある。(2のタイプをちらし寿司と呼ぶ場合がある)
ということでした。
スッキリしていただけましたでしょうか?
それでは次に、もう一つの似た料理である「ばら寿司」を見ていきましょう!
ばら寿司とは?ちらし寿司や五目寿司と同じ?
前章では、ちらし寿司と五目寿司との違いが分かりました。
では、ばら寿司はどうなんでしょうか?
実際に「ばら寿司」を辞書で引いてみると、「五目寿司の別名」とあります。
五目寿司とばら寿司は、呼び方が違うだけで、指しているものは同じだったんですね。
ところで、あなたはこの「ばら寿司」の「ばら」の意味を知っていますか?
この「ばら」という言葉。
バラの花の「バラ」ではなくて、バラバラになるという言葉の「バラ」が語源なんですよ。
バラ肉の「バラ」も同様ですね。
さらに、何がバラバラなのかというと、これが驚き!
実は酢飯のことだったんです!
ばら寿司って、てっきりいろんな具材が入っているから・・・
「具材がバラバラだから、ばら寿司なのかなぁ?」って思っていました。
でもこれが違っていて、いわゆる「にぎり寿司」とか「棒寿司」、「押し寿司」などのような、酢飯をにぎって固めている寿司と区別するものだったんです。
つまり酢飯がバラバラになっているから、「ばら寿司」だったんですね。
主に西日本では、五目寿司よりもばら寿司と呼ぶのが一般的です。
では以上をまとめると・・・
ばら寿司=五目寿司でOKです。
ただし、これも地方によって、呼び方が違うというわけですね。
さいごに
少しややこしかったですね。
スッキリしていただけましたか?
まず「ちらし寿司」という言葉が大きなくくりでした。
そこから分類されて・・・
- 具材を上に乗せるものが「(江戸前)ちらし寿司」
- 具材を混ぜ込むものが「五目(ちらし)寿司」
でしたね。
また地域によって、この呼び名の境界線は曖昧となっていました。
最近では関東でも、混ぜ込むタイプのいわゆる「五目寿司」も「ちらし寿司」として認識されています。
「ち~らし~ずしぃ~なぁ~ら」の某コマーシャルの影響もあるんでしょうね。
こういった場合は、単なる「ちらし寿司」と「五目ちらし」で区別しているようです。
ちなみに、もう1つのひな祭りの定番、桜餅にも違いがあるっていうことをご存知でしたか?
こちらの記事にも書いてあるので、参考にしてみてくださいね。
それではひな祭りをご家族で思う存分楽しんでください!