「尻切れトンボ」という言葉を、たまに耳にします。
「尻切れトンボに終わる」などというふうに使われる言葉です。
ですが、最近はあまり使わなくなった言葉だとも言われていますね。
お尻がなくなったトンボなんて、可哀想な言葉に思えるかもしれません。
実はここで言う「トンボ」とは、草履のことで、昆虫のトンボとは別物なんです。
今回は、「尻切れトンボ」の意味や由来、ビジネスの場で使えるのか?などを、わかりやすく解説していきますので、最後までごらんくださいね。
わかりづらい言葉の意味を集めました!
「尻切れトンボ」の意味と使い方の例!語源、由来、草履との関係は?
「尻切れトンボ」の意味は「物事が途中で途切れてしまい、後が続かないこと」です。
ある程度まで進んではいるものの、それ以降が続かなかったり、中途半端で終わってしまった事に対して使われます。
類義語、言い換えをするなら、
- 「中途半端」
- 「不完全」
などがあります。
「竜頭蛇尾」や「首尾一貫」という言葉もあるように、尻尾やお尻には、「仕上げ、終わり」という意味を持たせることが多いです。
「尻切れトンボ」も同じように、結末が中途半端で終わっているという意味で使われているわけですね。
ところで、トンボという言葉が入っていますが、昆虫のトンボの事ではなく、尻切れ草履に由来します。
尻切れ草履とは足半(あしなか)という、もともとかかとのない草履のことです。
また、履き古してかかとが擦り切れてしまった草履の事を尻切れ草履と呼ぶこともあります。
足半の鼻緒がトンボの羽のように見えることから、かかとのない草履のことを「トンボ草履」と呼ぶようになったそうです。
かかとの部分が欠けた中途半端な草履という言葉が転じて、「中途半端である」「不完全である」という意味になりました。
「尻切れトンボ」はビジネスシーンで使える?ビジネスマンが使うならどうする?死語なの?
「尻切れトンボ」はビジネスの場でも使うことができます。
例えば、
- 「尻切れトンボに終わる」
- 「尻切れトンボのまま」
という使われ方が多いのではないでしょうか。
「尻切れトンボに終わる」というと、何かの計画が途中で立ち消えてしまった状況を表します。
「尻切れトンボ」の例文
- 工事の計画は尻切れトンボに終わってしまった。
- →(工事の計画は未完成で中止になってしまった)
- 「尻切れトンボのまま」と言った場合は、計画が途中で止まってしまっている状況を表します。
- プロジェクトに進捗はなく、尻切れトンボのままだ
- →(プロジェクトは中途半端に進んだまま進捗がない)
- 「尻切れトンボ」は再開の見込みが低く、中途半端に終わってしまった、または中途半端なまま放置されている事を指して使われることが多いです。
- 逆に再開の見込みがある場合は、「見合わせる」「延期」などを使うのがいいでしょう。
「見合わせる」「延期する」の参考記事
尻切れトンボは、敬語、謙譲語ともに、気にせず利用して問題ありません。
また、「尻切れトンボは、もはや死語なの?」と思われるかもしれませんね。
しかし、死語にはなっていません。
若い世代では、そう思われているようです。
実際に使われる機会は減っているかもしれませんが、ツイッターなどでもまだ利用している方がいらっしゃいますね。
とはいえ、「尻切れトンボ」と言って、意味が通じなかったという声もありました。
若い世代には、今では通じないのかもしれませんね。
さいごに
「尻切れトンボ」は、お尻が無くなってしまったトンボの事ではなく、かかとのない草履の事を指しています。
これが転じて「中途半端である」「未完成である」という意味で使われるようになりました。
ビジネスの場で利用しても問題ありませんが、若い人に対して使う場合は、通じない可能性があります。
特にこだわりがない場合は、
- 「中途半端」
- 「未完成」
という言葉に、言い換えた方がいいかもしれませんね。