入浴介助中って、やることがいろいろあって大変ですよね。
- 利用者さんの着替え
- 洗体
- 観察
などあって、てんやわんや・・・
そんな忙しいときに、皮膚の観察と言っても、どこの何を見ればよいのでしょうか?
私も慣れないうちは、利用者さんの皮膚の観察なんて、なかなかできませんでした。
しかしご安心ください。観察箇所は限られています。
あなたもこの記事を読んでいただければ、利用者さんのどこを、どういうポイントについて観察すればよいか理解できるようになりますよ。
そうすることで、いち早く利用者さんの身体状態の異常を発見し、ADL(日常生活動作)の低下を防げます。
それでは、観察項目や見るポイント、目的についてお話ししていきますね。
参考記事
高齢者の入浴介助における観察項目は?
入浴介助における観察項目は以下の通りです。
- 皮膚
- 腕や足の可動域
それぞれについてお話ししますね。
観察項目1:皮膚について
入浴介助で一番に観察するべきなのは、皮膚状態です。
入浴介助時は利用者さんの皮膚全体が見やすいですからね。
通常時ならば全身の皮膚状態を確認するのは困難です。
入浴時ならば、洗身の時に場所ごとに皮膚状態をすぐに確認することが可能です。
よって、入浴時には皮膚の状態は必ず確認しましょう。
観察項目2:腕や足の可動域
入浴介助の時には、腕や足の可動域が、どれくらいあるかも確認しておくと後々役立つでしょう。
なぜなら、お風呂の中では体が動かしやすいからです。
どこまで腕や足を曲げられるかを把握しておくと、無理な動きをして怪我させてしまう、といった不安要素を減らすことができます。
よって、可能ならば腕や足の可動域を見ておきましょう。
皮膚はどのポイントを見ればいい?
皮膚に関しては以下のポイントを主に観察しましょう。
- 皮膚が変色していないか
- 浮腫(むくみ)はないか
それぞれについて説明しますね。
ポイント1:皮膚が変色していないか
まず皮膚の色が変わっていないか確認しましょう。
皮膚が赤くなっていたり、黄色や青、紫になっていることがあるからです。
どこかにぶつけていたら、赤くなっている可能性があります。
また、黄色なら時間が経っている、青くなっていたら内出血の可能性もあります。
ここで一つ注意したいのが紫色の時です。
紫色はチアノーゼという、低酸素状態だったり循環不全の恐れがあります。
皮膚の色には十分注意しましょう。
ポイント2:浮腫(むくみ)はないか
浮腫(むくみ)とは、手や足に水が溜まり、膨れ上がったような状態です。
血液の循環が悪くなって起こることもあります。
しかし、何かしらの病気が原因であることがあるのです。
腎臓病や心臓病の可能性もあり、見逃してはいけません。
よって、浮腫がないかもチェックする必要があります。
皮膚を観察する目的は?
皮膚を観察する目的は、褥瘡や病気のサインを見つけることです。
ポイントでもお話ししましたが、皮膚には様々なサインが現れます。
褥瘡の場合、皮膚を見れば明らかです。
内臓の病気の場合は本来ならば、外見では分かりませんよね。
でも、浮腫といった形で出てくることがあります。
浮腫を発見することで、検査をするきっかけにはなるのです。
褥瘡は本人の訴えがあるときもあるかもしれません。
でも、内臓系の病気って、気づかれていないときもあるのです。
それを客観的に確認できるうちの一つが皮膚の観察なのです。
よって、褥瘡や病気といったトラブルのサインを発見することこそが、皮膚観察の目的なのです。
さいごに
入浴介助って、利用者さんの清潔を保つのが本来の目的です。
でも、全身の状態を確認することにも非常に役立つのです。
今回のポイントを活かして、ぜひ入浴介助に役立ててくださいね。