入浴介助って、利用者さんの移乗の頻度が高くて、辛いです。
そんな時にボディメカニクスが使えたら・・・
入浴介助でボディメカニクスを活用するにはどうすればいいでしょうか?
私もボディメカニクスについて、勉強し始めた時には同じように悩んでいました。
でも大丈夫です!
もちろん、ボディメカニクスは一部の介助に限定されますが、入浴介助にも利用できます。
あなたもこれからお話しすることを聞いていただければ、ボディメカニクスを利用した、安全な入浴介助が出来るようになりますよ。
それでは、ボディメカニクスを活用した入浴介助についてお話ししていきますね。
参考記事
ボディメカニクスを活用した入浴介助の手順は?
まずは入浴介助の流れについて、簡単に説明します。
入浴介助の流れ
- シャワーチェアなど、肌が触れる部分を温めておきます
- 利用者さんに服を脱いでいただきます
- シャワーチェアに移乗します。
- 脱衣所から浴室に移動します
- シャワーの温度をまず介助者が確認し、適温と感じる温度で利用者さんに確認していただきます
- 通常同様に洗身します。
- 浴槽に入ります。入浴は5分以内にしましょう
- 浴槽より出ます
- 脱衣所まで移動し、服を着る手伝いをします
ボディメカニクスが関わる介助は、
- 3.車椅子とシャワーチェアを乗り換える移乗介助
- 7.シャワーチェアから浴槽に出入りする際の介助
になります。
これらの手順について、どのようにボディメカニクスを使用するかを絡めてお話しします。
ボディメカニクス活用1:車椅子・シャワーチェア間の移乗介助
車椅子・シャワーチェア間の移乗介助
- 利用者さんの乗っている車椅子の近くにシャワーチェアを配置する
- 利用者さんにシャワーチェアがある方に前かがみになっていただく
- 介助者は利用者さんの腰のあたりをしっかり支える
- 利用者さんをシャワーチェアに移乗する
ボディメカニクス活用2:シャワーチェア・浴槽間の介助
シャワーチェア・浴槽間の介助
- シャワーチェアを浴槽の横に配置する
- 利用者さんにシャワーチェアがある方に前かがみになっていただく
- 介助者は利用者さんの肩のあたりをしっかり支える
- 利用者さんの片足を浴槽内に移動する
- もう片足も浴槽内に移動する
- 介助者も片足を浴槽内に入れ、利用者さんにゆっくり座っていただく
- (浴槽内から出る場合のみ)
- 浴槽内に足を延ばして座っているため、足を曲げてもらう
浴槽内から出る場合、シャワーチェアから車椅子に移る場合は逆の動作になります。
ボディメカニクスを活用した入浴介助における注意点は?
それでは、先に挙げた
- 車椅子・シャワーチェア間
- シャワーチェア・浴槽間
の入浴介助について注意点をお話しますね。
注意するポイント
- 利用者さんに体を丸めてもらい、コンパクトな体制になっていただく
- 利用者さんとできるだけ接し、重心を近づける
- 足幅を広げ、基底面積を大きく持つ
- 腰を落とし重心を低くする
- 大きな筋群を使う
- 可能な限り水平に移動させる
- 足先は動作の方向へ向け身体を無理にひねらない
- てこの原理を利用する
上記の様に、基本的にはボディメカニクスの基本理念に沿った感じになります。
ただし、脱衣所や浴槽は滑りやすくなっていることもあり、転倒には十分注意してくださいね。
また、ボディメカニクスとは直接の関係はありませんが、入浴後は血圧変動が起こりやすいです。
浴槽から出る際には利用者さんの腰等をしっかり支え、急な転倒に注意しましょう。
参考記事
「ボディメカニクスを使った入浴介助の方法について」のさいごに
ボディメカニクスは入浴介助含め、移乗介助を必要とする全ての介助に活用できます。
ただし、利用者さんが自分でできることに関しては、極力自分の力を使っていただく様にしましょう。
介助者のみの力で行うと、利用者さんの残存機能の低下を招きます。
ボディメカニクスをうまく活用して、喜ばれる介助をしてあげてくださいね。