少しずつ?少しづつ?
よく使う言葉なんだけれど、
どっちが正しいのか、考えれば考える程
わからなくなってきませんか?
先日、高校生の息子がアルバイト先から
憤慨して帰ってきたんですよ(-"-)
どうやら、書類に「少しずつ」と書いて
上司に怒られたようでした。
その上司というのは、50代後半くらいで、
自信満々に「少しづつ」が正解と
言っていたそうです。
息子も私も悔しかったので、
どっちが正しいのかを調べてみました。
そうすると・・・
今回は、その時にわかったことを、
わかりやすくお伝えしていきますね~♪
以下を読んでいただくと・・・
- 「ずつ」と「づつ」の使い分けのルールが理解できます
- どっちが正しいのかを、人に教えることができるようになります
ので、楽しみにしてくださいね(^^)v
それでは参りましょう!
「ず」と「づ」の違いとは?
「ずつ」と「づつ」の事を考える前に、
そもそも「ず」と「づ」って何が違うの?
と思いませんか?
そうなんです。
まずは、「ず」と「づ」の違いや使い分けを知っておくと、
スムーズに頭に入ってくるんですよ!
それを知るために、現代仮名遣い
というものを見て行きましょう!
現代仮名遣いとは?
現代仮名遣いとは、内閣が告示している
仮名遣いに関するルールのことです。
内閣が告示しているものは、ほかにも、
- 送り仮名の付け方
- 小・中・高等学校の学習指導要領
- 外来語の表記
などがあるんですよ。
要するに、「国が決めた仮名遣いのルールに則って、
言葉を表記しましょう!」ということ。
で、現代仮名遣いには、「ず」と「づ」に関するルールは
こう書かれています。
語を書き表すのに、現代語の音韻に従って「ず」を用いる。
ただし、特別な場合にだけ「づ」と用いる。
簡単に言うと、大抵の場合は「ず」でOKだけど、
例外があるんですよ!ってことなんです。
じゃあ、その例外ってなに?と思いますよね?
次を見てみましょう。
使い分けのルールはコレ!
「づ」を使う特別な場合とは・・・
- 同音の連呼によって生じた「づ」
- 二語の連合によって生じた「づ」
なんです。
それぞれ例を挙げて説明しますね!(^^)!
1の同音の連呼とは、2つの同じ音が重なって、
後ろの文字がにごる場合は、「づ」を使うということです。
例:つづく、つづみ、つづら、つづる
頭痛(ずつう)などの場合は、前の文字がにごっているので、
これに当てはまらず、「ず」が正解となります。
こういったパターンは、専門的には連濁(れんだく)と言うんですよ。
したがって、このルールだと、「ずつ」が正しいとなりますね!
2の二語の連合とは、2つの意味のある言葉が重なって、
1つの言葉になったものです。
例えば、三日月(みかづき)という言葉は、
三日+月のように分解できますよね。
こんな言葉は、二語の連合パターンですよ。
二語に分解した時に、濁点が取れた言葉が「つ」
であれば、にごった時も「づ」になるということです。
例:たけづつ、たづな、てづくり、こづつみ
これにも例外があって、二語に分解しにくいものや、
分解できたとしても、元々漢字の音読みでにごっているものは
「ず」を使います。
例:いなずま、うなずく、うでずく、じめん、ぬのじ
例外の例外となってくると、ややこしいので、
これはもう覚えていくしかありませんね(T_T)
「ずつ」と「づつ」はどっちが正しい?
先ほど言った、現代仮名遣いのルールに則れば、
「ずつ」が正しいということがわかります。
ではなぜ、先ほどのバイト先の上司のように
「づつ」が正しいと信じている人が多いのでしょうか?
これには歴史的な経緯が関係しているんですよ。
実は、現代仮名遣いになる前の、旧仮名遣いでは、
「づつ」が正しかったのです。
ここで、簡単に歴史的な流れを見ていきますね!
- 旧仮名遣い:1946年より前 ⇒ 「づつ」が正しい
- 現代かなづかい:1946年~1986年 ⇒ 「ずつ」が正しい
- 現代仮名遣い:1986年~現在 ⇒ 「ずつ」が正しいが、「づつ」は許容範囲
この流れを見ると、戦前は「づつ」が正しかったので、
今の50代以上の人たちの親は、当たり前のように
「づつ」を使っていたんですね~(゚∀゚)
そんな親から、幼少期に言葉を教わってきたのだから、
今だに「づつ」を正しいと信じている人が存在するのは
不思議ではありません。
どっちが正しい?間違い?という混乱を防ぐために、
現在では「づつ」が許容範囲(間違いではない)として
認められているんでしょうね!
それを表わすかのように、インターネットでの検索需要も
下図のようになっています。
青のグラフが「ずつ」で、赤のグラフが「づつ」です。
「ずつ」の方が検索需要が多いのはホッとしました。
しかし、「づつ」でも常に検索されているのは、
とても興味深いですね。
まとめ
いかがでしたか?
簡単と思えるような言葉でも、意外と奥が深いものです。
今までのことを、わかりやすくまとめますね。
「ず」「づ」の使い分け
- 語句の先頭は必ず「ず」を使う
- 連濁の後ろの文字がにごる場合かどうか考える
- 語句の途中の場合は分解できるかどうか考える
- 分解して、元の言葉が「つ」なら「づ」を使う
- 大抵の場合は「ず」でOK
- 「ずつ」と「づつ」の場合、正しいのは「ずつ」だが、
「づつ」でも間違いではない
少しややこしいとは思いますが、使い方はこれで
バッチリですよ~♪
似たようなパターンで、「いずれ」と「いづれ」の違いや
使い分けで迷うかもしれませんが、
考え方は同じですので、安心してくださいね(^^)v
あなたがこれからも自信を持って「ず」と「づ」の
使い分けができれば、私も嬉しいです。