「いわし・めざし・にぼしってどれも小魚だけど、何がどう違うの?」
普段、何気なく目にしている、いわしやめざし。
これらの厳密な違いを説明しようと思っても、なかなか難しいのではないでしょうか?
ほかにも、にぼし、いりこ、ごまめ、しらす、ちりめんなどは同じもの?それとも違うもの?
なんて思います。
いやいや、簡単にこれらの違いを答えられたら、そもそもこのページには来てませんよね?
ですので!
それぞれの意味をとことん整理して、これを機にあなたのモヤモヤを解決しちゃいましょう!
そこで今回は・・・
- にぼし・めざし・いわしの違いとは?
- いわしとは?どんな種類や食べ方がある?
- めざしとは?まるぼしやほおざしとは違うの?
- にぼしとは?いりこやごまめとは違うの?
この順で、簡単なようで簡単ではない、それぞれの言葉の意味の違いを詳しくお伝えしていきます!
最後まで読んでいただければ、細かい違いも理解できて、スッキリしますよ。
それではどうぞ。
にぼし・めざし・いわしの違いとは?
「にぼし」と「めざし」と「いわし」という言葉、はからずもどれも「し」という文字で終わっているので、違いがわかりにくくなっているのかもしれませんね。
意図して韻を踏んだようなネーミングにしたのではないとは思いますが、興味深いものです。
さて答えから言うと、「にぼし」も「めざし」も「いわし」も違うものです。
まずいわし。
これは魚の名前ですね。
次にめざし。
これはいわしを干して加工したものです。
最後ににぼし。
これはめざしと同じように干しますが、使う魚はいわしとは限りません。
アジやサバ、きびなご、トビウオ(あご)などを使う場合もあります。
さらに、めざしはそのまま食べるのに対して、にぼしは主に、だしを取る目的に使われます。
つまり、にぼしもめざしも、いわしという魚がたどって行き着く先の一つということですね。
以上で、それぞれの簡単な違いはわかっていただけたのではないでしょうか?
しかし、一つ一つの意味をもう少し詳しく知っておくと、違いがもっとわかりやすいですよ。
ですので次からは、にぼし・めざし・いわしそれぞれをググっと掘り下げていきましょう!
いわしとは?どんな種類や食べ方がある?
先ほども言ったとおり、いわしとは魚の名前です。
漢字では、さかなへんに弱いと書いて「鰯」ですね。
そしていわしにも種類があります。
マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類です。
それぞれの特徴を簡単に見ておきましょう。
★いわしの種類
マイワシ
一般的ないわしがコレ!
でも近年は生態系の変化により、獲れる量が減っています。
刺身・天ぷら・酢の物に使われます。
別名で「ななつぼし」とも呼ばれていて、体の横に星のような点があるのが特徴です。
ウルメイワシ
マイワシより少し大きめ。
目に膜が張られていて、ウルウルしているように見えるところから、この名になったと言われています。
刺身・塩焼き・干物(めざし)に使われます。
カタクチイワシ
一番小さく、アゴが突き出ているのが特徴です。
アンチョビの代用品として、缶詰に加工されます。
どの種類も良質のタンパク質と脂質が含まれていて、さらにミネラルも豊富です。
また、お店でいわしを選ぶ時は・・・
- 全体にツヤがある
- 目が澄んでいる
- 青色が鮮やか
これらをポイントにしてくださいね。
さて特徴でも少し触れましたが、いわしの食べ方や加工方法にもいろいろありました。
例えば丸干し、刺身、煮付け、天ぷら、唐揚げ、南蛮漬け、塩焼きなど。
その中の一つが、「めざし」や「にぼし」だったんですね。
ちなみに、いわしを干して乾燥させた後に、固めて作った肥料のことを干鰯(ほしか)といいます。
めざしとは?まるぼしやほおざしとは違うの?
いわしを加工したものの一つがめざしでしたね。
このめざしを漢字で書くと、「目刺し」です。
またいわしは小さいので、扱いやすいよう目に竹串を刺して、何尾かをまとめて干します。
目に串を刺すから「目刺し」だったんですね。
ただスーパーで実際に見てみると、マイワシやウルメイワシのものは、目に刺していませんでした。
目というよりも、口に近い部分に串が刺さっています。
これらのものを目刺しとは区別して、頬刺し(ほおざし)と呼びます。
また串を使わずに、そのまま干したものが、丸干し(まるぼし)です。
目刺しも、頬刺しも、丸干しも、どれも作り方は一緒です。
つまり串が刺さっているかいないか、刺さっている場所がどこかによって、呼び名が違うという訳なんですね。
にぼしとは?いりこやごまめとは違うの?
にぼしは、いわしを煮てから干して乾燥させたものです。
漢字で書くと、「煮干、煮干し」です。
一般的にいわしが使われますが、ほかにもキビナゴやトビウオ、アジ、サバなどの煮干しもあります。
主にだしを取るためのものですが、最近では「食べる煮干し」も出回っていますね。
また似たようなものに「いりこ」や「ごまめ」がありますが、にぼしとはどう違うのでしょうか?
まず「いりこ」。
いりこは漢字では、「炒り子」と書きます。
主に関西では、煮干しのことを炒り子と呼んでいるようですね。
ほかにも「だしじゃこ」「じゃこ」とも呼ばれています。
すなわち「にぼし」も「いりこ」も、言葉が違うだけで、ものは同じと考えてよいでしょう。
ただいわし以外の魚でも、煮干しと呼ばれるのに対し、炒り子はカタクチイワシの煮干しに限定しているという考え方もあります。
次に「ごまめ」。
おせち料理にも入っていて、別名を「田作り」ともいいます。
カタクチイワシの幼魚を素干しにして、甘辛く煮たものです。
こちらは煮干しと違い、そのまま食べます。
またカタクチイワシの幼魚は、シラスとも呼ばれています。
さらにシラスを塩ゆでしてから、乾燥させたものが「チリメン」です。
成魚のいわしと同様に、シラスも加工の違いによって、呼び名が変わるということですね!
さいごに
すこしややこしかったですか?
「いわし」という同じ魚なのに、成長段階や加工方法、呼ばれる地方などの違いで、これだけたくさんの言葉に派生していることは見逃せませんね。
それだけ「いわし」という魚が、私たちの生活に密着している証拠です。
あなたにわかりやすいように、今までのことをまとめると、以下の図のようになります。
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