選挙のニュースやワイドショーなどで、
前衆議院議員の〇〇さんとか、
元衆議院議員の〇〇さんなどをよく耳にします。
「前」と「元」では何が違うの?って思いませんか?
簡単な言葉でも、微妙にニュアンスが変わることって、
よくあることなので、あなたのそんなもどかしさは、
私もよくわかりますよ。
また、似たような言葉に「旧」もあります。
旧正月、旧体制、旧石器時代などの言葉につく
「旧」ですね!
「前」も「元」も「旧」も、どれも「過去の~」のような
意味で使われることは、なんとなくわかると思います。
でも、ハッキリ使い分けることは難しいですよね?
そこで、今回は・・・
- 前・元・旧の意味は?
- これでバッチリ!前・元・旧の使い方
の順で、「前」「元」「旧」の違いと使い分けを
わかりやすくお伝えしま~す(^^)v
今後、「前」「元」「旧」のどれを使えばよいか迷った時に、
正しく使い分けができるようになりますよ!
それでは参りましょう。
前・元・旧の意味は?
前・元・旧など、ある言葉の前に付けて、
別の意味を付け加えるものを「接頭語」と言うんですよ。
どんなに簡単な言葉でも、辞書で調べれば
意外な発見があるものなんですね(゚д゚)!
まずは前・元・旧それぞれの意味を見て行きましょう!
「前(ぜん)」の意味は、
- 今よりひとつ前のこと
- 現状になる前のこと
- 2つに分けた場合の前の方のこと
とあります。
次に「元(もと)」は、「以前の~」「昔の~」という
意味ですね。
さいごに「旧(きゅう)」は、「昔の~」「古い~」という
意味です。
それぞれの意味はよく分かるのですが、
イマイチしっくり来ませんよね?
なぜかと言うと、どんな場合に、前・元・旧を
使ったらいいのか分からないからです。
そこで、わかりやすくするために、
具体的なパターンを考えていきましょう。
これでバッチリ!前・元・旧の使い方
前と元の使い分け
場所や物に対しては通常、「前」が使われて、
「元」は使われません。
前の日のことを、前日(ぜんじつ)と言いますが、
元日(がんじつ)だったら、意味が変わってしまいますよね!
前なのか元なのかが、ややこしくなるのは、
役職や肩書きなど、人に対して使う言葉だけなんです!
例:総理大臣、社長、会長など
例えば、総理大臣であれば、
前・総理大臣と元・総理大臣の違いがややこしいわけなんです。
ここで、意味を思い出してくださいね。
「前」の意味には”今よりひとつ前のこと”とありました。
ということは、「前」には、一つ前や二つ前といった、
数列の要素が含まれているんです。
前・総理大臣であれば、一つ前の総理大臣で、
前々・総理大臣であれば、二つ前の総理大臣だという訳です!
対して、一つ前、二つ前に関わらず、
過去の総理大臣すべてをひっくるめて元・総理大臣と言うんですよ。
一つ前、二つ前といった数列の要素が含まれない、
単に職業を表わす言葉に・・・
- 警察官
- 弁護士
- 医師
などがあります。
こういった言葉には、例外なく「元」が使われます。
例:元警察官、元弁護士、元医師
ちなみに、あなたが過去に、何人もの女性と付き合っていて、
1代前の彼女や2代前の彼女などを使い分けるなら、
前カノ・前々カノとも言うことができるということです。
通常は何代前でも元カノでくくってしまうんですけどね^_^
元・旧の使い分け
元と旧にはどちらも、「昔の~」という意味がありますが、
実は明らかに使い方に違いがあるんです。
その違いとは次の2つです。
- 人に使われるか、物に使われるか
- 時間的なことなのか、状態のことなのか
です。
まず、1ですが、
「元」は先程の項でも言ったように、人に対して使われ、
「旧」は物に対して使われます。
例えば、アナウンサーとパソコンという言葉を考えてみましょう!
アナウンサーは人ですよね?
なので、
元アナウンサーが正解で、旧アナウンサーは不正解。
次に、パソコンは物ですよね?
なので、
旧パソコンが正解で、元パソコンは不正解なんですよ。
そして、2の「時間的なことなのか、状態のことなのか」について。
元・旧それぞれの反対語を考えてみましょう!
「元」の反対語は「今」あるいは「現在」です。
「旧」の反対語は「新」ですね。
反対語を考えると気付くことがあります。
「今」あるいは「現在」は時間を表わす言葉で、
「新」は状態を表わす言葉です。
ということは、パソコンなどのように、「新しい」か「古い」かを
考える場合は「新」「旧」を使い、
アナウンサーのように、「現在」か「過去」かを
考える場合は「現」「元」を使うんですね~♪
さいごに
いかがでしたか?
少しややこしかったかもしれませんが、
これでスッキリしていただけたのではないでしょうか?
前・元・旧はどれも以前のことを表わす言葉ですが、
使い分けのコツは・・・
- 「人」なのか「物」なのか
- 「時間」なのか「状態」なのか
- 数列の要素が「ある」のか「ない」のか
を考えてみることです!
あなたがこれでバッチリ、使い分けができるようになれば、
私も嬉しいです。